【5話】シーギリアロック1 in Sri Lanka
2018年2月、スリランカへ旅に出た。
ネゴンボの街を去り、スダさんに教えてもらった通り「ダンブッラ」という街に向かうバスに乗った。この街に向かう目的は2つ。1つはゴールデンテンプルを見るためで、もう1つはシーギリアロックを見るため。
シーギリアロックは世界遺産にも登録されている古代スリランカの遺跡であり要塞でもある。シーギリアロックは名前の通り「岩」なのだが、とてつもなく大きな1つの岩で、その岩の上に王が住む町が造られ、要塞として機能していたそうだ。
サイズ感としてはこんな感じ。大きな岩というより、もはや小さな山。5世紀頃からある歴史のある遺跡だが、遺跡ではなく街として機能していた時間はほんのわずかだそうだ。話を戻そう。
ネゴンボからのバスはダンブッラまで直通ではなく、途中のクルネガラという大きなバスターミナルがある街でバスを乗り換える。スリランカは地下鉄や鉄道網が整備が進んでいない為、バス移動が基本になってくる。その代わり街と街をつなぐバスの路線が張り巡らされている。
(左下:ネゴンボ~中央:クルネガラ~中央右上:ダンブッラへの道のり)
個人的にバスに乗って旅をするのが好きだ。もちろん鉄道も良い。スリランカではむしろ鉄道で茶畑が広がる山岳地帯の景色を見ることを楽しみの一つにしていた。ただバスは鉄道よりも人々が暮らす街の中をかき分けて進む。車窓から見える景色はその国の人々の素の姿を映していると思うから。
乗り換え地点となったクルネガラはネゴンボよりもっとさっぱりした印象を受けた。リゾート地や商業地という感じではなく、大きな街と街をつなぐ、交通の要所でバスや大型車の出入りが激しかった。バスで町中を通り抜けた中で面白味は感じなかったが、バスターミナルだけは、活気があって個人的に気に入った雰囲気だった。
クルネガラのバスターミナルは沢山のバスがあり過ぎて、どのバスに乗ったらいいか分からなくなってしまったので、結局バス停の係員に教えてもらった。
バス内ではみかんの様な果物を買って食べた。インドでもそうだがスリランカのバスでは、バスが停まっている間に物売りがどっかっと乗り込んできて、果物やお菓子、飲み物、たまに訳の分からない玩具を売り込みに来る。
びっくりしたのは、衣をきた高貴そうなおじさん(僧侶?)がバスに乗り込んできてお祈りだけし出て行ったこと。バスにいた人たち数人が、おじさんに小銭を渡していた。托鉢みたいなものなのか。
大抵、売り子たちは強引には売りつけてこないが、物売りの必死さは伝わってくる。バスが動き出す直前までバスの入り口で大声を出して少しでも何かを売ろうとしている。バスがエンジンをかけ出すとひょいっとぼくたちの視界から売り子が姿を消し、次の瞬間にはバスが動き出す。このバスと売り子の一連の流れを見ていると非常に気持ちがいい。(たまに窓から売り子にたかられたときは、かなり嫌だが)
クルネガラから乗ってきたヨーロッパ人の老夫婦と少し話をした後、この先の旅がどうなるんだろうかとぼーっとしながら、バスに揺られていた。
クルネガラから2~3時間もしないうちにダンブッラに着いた。
続く、、
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