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おいしいものとうつくしいものが好き。美術館めぐり、旅、曲を作って歌をうたったり、絵を書…

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おいしいものとうつくしいものが好き。美術館めぐり、旅、曲を作って歌をうたったり、絵を書いたり、言葉を紡いだりするのが好き。写真を撮るのも好き。

マガジン

  • utacoの部屋

    毎週(水)(金)Yotubeにてライブ配信中の「utacoの部屋」について書いた記事をまとめています。

  • utaco lyrics

    utacoのオリジナル曲の歌詞をまとめています。

  • 本・映画・美術館の記録

  • ラムネ瓶に浮かぶ月

    7/16(木)綾と詩を。初企画「ラムネ瓶に浮かぶ月」のLive Report

  • うつつうつらうつらつらつら

最近の記事

死にたいお母さん

自分を愛することができなければ、人を愛することはできないのだろうか。子をお腹に宿しながら「死にたい」と願うのは、「死んだら楽になれる」と心の中で何回も唱えて心を落ち着かせることは悪いことなのだろうか。 発作のような不安に襲われ、声を殺して泣きながら、眠れずに気づけば5時間が過ぎていた。 あなたを産むまでは死ねない。何を思ってもいいから生き延びよう、短くてもいいから、生きる理由をつくりつづけて何度でも思い直そう。 京都は桜が長い。公園の子供たちは、半袖で遊び始めている。春

    • あなたへの手紙のようなもの

      冷たい紅茶を飲んでいます。そして、冷凍ドリアを食べ終えたところ。最近はあなたも知っている通り、肉や卵などのタンパク質をよく噛んで食べてから、炭水化物を取るようにしています。噛む回数を数えると、味そのものよりも、食べものが口内にどう触れるか、どう崩れていくのかという感覚に鋭敏になり、新鮮で不思議な気持ちがします。 今日で、あなたに告白され、付き合うようになってから半年が経ちました。その間に、2回、わたしは「別れたい」と言い、あなたはそれを一過性のものとして受け流しはせずに距離

      • 「運命」とやらの掌の上で。(2-1)

        わたしの全てをここに書き記すことは易しい。もうそれは「今」にはないから。でも、いつか今お腹の中にいる子どもが無事に生まれてくるとして、彼女自身の人生以外が引き起こす悲しみや困難になりうる可能性は残したくない。 人は、そこに書かれた一片の物語あるいは事実の一部でも、ありとあらゆる妄想を繰り広げ、簡単に刃物を作り出す。そしてそれは、自他の区別なく心に深い傷を作る。 とすると、やはり今よりうんと遠くの朧げなわたしの記憶について書き記すことで、あなたの瞳に、今のわたしからそう遠く

        • 「運命」とやらの掌の上で。

          夢、破れる。小学生に上がる頃には、わたしの人格は乖離していた。鬱病の症状が出始めたのは中学生の頃で、一週間程度の間急に何も考えられず学校に行けなくなったり、カッターで制服からは見えない場所に自傷行為を繰り返した。 友人は多く、体育以外の成績は優秀だった。学級委員を務めたり、いわゆる素行が悪いと目をつけられるタイプの友人グループにファミレスで勉強を教えてテストでいい点をとってもらったりしていたので、内申点も体育の成績や急な連続した欠席を補って有り余るくらいにはよかった。 進

        死にたいお母さん

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        記事

          星の名前がわからない

          寒がりの彼の長袖のパジャマの肩から腕にかけてをぐっしょりと涙で濡らした後、宛もなく、何も持たず、真夜中の散歩に出た。 真夜中の、というと後につづくどんな名詞も、謎めいた、ワクワクするような、どこかアンニュイで官能的な、とにかくある特定の人たちを惹きつけてやまない言葉に変身するから不思議だ。 しかし真夜中の散歩のその実情はどうだろう。特に今の季節、真夜中の気候は爽やかが行きすぎて涙を流しつづけるには幾許か非情なように思う。 穏やかさも爽やかさも変化を拒むなら冷徹なこととあ

          星の名前がわからない

          砂漠 ( desert )

          赤い夕日に煌めく砂漠 あなたの広い背中に塩の雨が降る 砂粒の呼吸が 踏みつけるすべてをみてる ゆるされたキャラバンだけが この旅の意味を知る 正しささえ いつかは あからさまに変わっていく 焼ける涙 愛したのは ゆうげんのからだ むげんの命 長い旅路にゆらめくオアシス あなたの薄い瞼に 祝福のキスを 渇きを癒したら その目にも見えるかしら 星々の道しるべが 遠くで手を振る人が あなたもわたしも うちゅうのみなしご 孤独を抱えて 彷徨う旅人 目を覚ませ 夜明けが来る

          砂漠 ( desert )

          4月の 無季 tanka

          いつの日か約束は朝になったならどんなわたしも脱ぎ捨てること 真っ青な朝にさえずり星のよにぴちちくぱちちくちぴちちぴち 永遠は永遠じゃない∵永くて遠いそれだけだから --- 4月に書いたというただその事実だけが、春に生まれた儚い歌を祝福する唯一のできごと。

          4月の 無季 tanka

          infinity butterfly

          [卵] じっと見つめて そっと生まれるまで 息を殺して 耳を欹てて [幼虫] 陽の光 緑の世界 身を委ねて 世界を知るの 疼き / 針の雨 / 青空 思い出す日々 [蛹] 眠る、溶けて、満ちていく 愛の記憶が 描く模様 思い出して 思い出して [羽化] 花の蜜で喉を潤して ささやく声に誘われるがまま 飛んで 飴色の水 わたしが流れた あの夜の夢 もう覚えていないの 香る指先 あなたを知っていた いつまでわたしを憶えてる? ふるわせる翅 剥がれてく記憶 い

          infinity butterfly

          utacoの部屋 - 目次

          #1 2020.12.02 #2 2020.12.04 #3 2020.12.09 #4 2020.12.11 #5 2020.12.16 #6 丑三つ時のマルチ商法 #7 十月十日の性善説 #8 ヒマラヤより愛を込めて #9 マスカット味のローズペタル #10 アスパラガスとゆりのはな #11 真夜中のイタリアンパセリ #12 ここに極まれし檸檬、檸檬 #13 マルセオ・レベロ・デ・ソウザ #14 チェントット・トッド #15 カ

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          #23 天星小輪 ( Star Ferry )

          utacoです。2020年12月からYoutubeでのライブ配信を始めました。 2/24(水)19時からは、23回目「天星小輪 ( Star Ferry )」を配信しました。 Set list1. cover. テルーの唄 / 手嶌葵 2. cover. 歓びの種 / YUKI 3. cover. For フルーツバスケット / 岡崎律子 4.​ cover. 四角革命 / 相対性理論 5. 朝ごはんの唄 6. cover. 朝ごはんの歌 / 手嶌葵 7. cover.

          #23 天星小輪 ( Star Ferry )

          海 ( sea )

          はぐれた わたし 振り向いたら海があった 夕暮れ カモメが泣いたけど わたしはここから動けないよ 砂浜に貝殻が落ちてた 誰もここには来てくれない それでいい 呑み込んでしまうから 人は足りないものを埋めたくて、欲しがって 冷たい海に足を入れる 濡れた砂の感覚を足が捉える前に 波は、 憂鬱なわたし 今日も堤防に腰かけて 満月 呑み込まれていく人の望みは あぶくになって、消えていく 乾いたヒトデを部屋に飾ろうかな 彼は珍しそうに見るだろう 人は、 足りないものを埋め

          海 ( sea )

          まなざし

          夏乞う雨の降る 灰色の岩壁と 青梅拾い、歩く 幼き妹 思いでの行き場は 小さな箱の中 草折り、歩く 幼き弟 愛しいものをすべて この手で守れたら 暗がりに迷うとき この手で灯せたら 破顔の裏には 誰もが匿う 時の跡と秘密 幼き我が身 声もあげず ただ 寄り添う天使は 眠りの隙間 ゆく 幼き我が子 愛しいものをすべて この手で守れたら 身を焼く悲しみを この手で庇えたら いいのに 輪廻の中で過去にとらわれても あなたも わたしも ひとりの面影 愛しいものをすべて

          まなざし

          #22 晴れ曇りのち、ポピー。 ( Sunny, Cloudy, and Eventual Poppies )

          utacoです。2020年12月から、毎週水・金の夜にYoutubeでライブ配信をしています。 2/19(金)19時からは、22回目「#22 晴れ曇りのち、ポピー。 ( Sunny, Cloudy, and Eventual Poppies )」を配信しました。 Set list1. 舟 ( a boat ) 2. infinity butterfly 3. 宙 ( sky ) 4.​ 海 ( sea ) 5. 星の川 ( Tarajan ) 6. クリームソーダ 7.

          #22 晴れ曇りのち、ポピー。 ( Sunny, Cloudy, and Eventual Poppies )

          クリームソーダ

          夏空 もうもうと雲 もっと 鮮やかだったはずの空 夕顔 すやすやと睡る きっと あなたといたはずの 真昼 ふたりの秘密の喫茶店 駆け込んで いつでも決まって クリームソーダ 子どもみたいとわらって あの日のように ためらいもなく 指切りして パチパチ パッ アイスクリーム 溶ける前に 泡立つふちを すくってしまうの パチパチ パッ エメラルドグリーン 煌めいて 目尻を濡らす 涙映して パチパチ パッ パラララッ パッ 星空 きらきら星を そっと くちずさんでい

          クリームソーダ

          #21 キラキラ (Twinkle Twinkle)

          utacoです。2020年12月から、毎週水・金の夜にYoutubeでライブ配信をしています。 2/17(水)19時からは、21回目「キラキラ ( Twinkle Twinkle )」を配信しました。 Set list1. cover. For フルーツバスケット / 岡崎律子 2. さ・よ・な・ら の ワルツ 3. melting night 4.​ クリームソーダ 5. プラハの曲 6. 星の川 ( Tarajan ) 7. cover. ドラマチック / YUKI

          #21 キラキラ (Twinkle Twinkle)

          infinity butterfly

          [卵] じっと見つめて そっと生まれるまで 息を殺して 耳を欹てて [幼虫] 陽の光 緑の世界 身を委ねて 世界を知るの 疼き 針の雨 青空 思い出す日々 [蛹] 眠る 溶けて 満ちていく 愛の記憶が 描く模様 思い出して 思い出して [羽化] 花の蜜で喉を潤して ささやく声に誘われるがまま 飛んで 飴色の水 わたしが流れた あの夜の夢 もう覚えていないの 香る指先 あなたを知っていた いつまでわたしを憶えてる? ふるわせる翅 剥がれてく記憶 いつ

          infinity butterfly