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まなざし

夏乞う雨の降る
灰色の岩壁と
青梅拾い、歩く
幼き妹

思いでの行き場は
小さな箱の中
草折り、歩く
幼き弟

愛しいものをすべて
この手で守れたら
暗がりに迷うとき
この手で灯せたら

破顔の裏には
誰もが匿う
時の跡と秘密
幼き我が身

声もあげず ただ
寄り添う天使は
眠りの隙間 ゆく
幼き我が子

愛しいものをすべて
この手で守れたら
身を焼く悲しみを
この手で庇えたら いいのに

輪廻の中で過去にとらわれても
あなたも わたしも
ひとりの面影

愛しいものをすべて
この手で守りたい
暗がりに迷うとき
この手で灯したい

愛しいものをすべて
この手で守りたい
身を焼く悲しみを
この手で庇いたい。

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