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第2回「笑わせ学」ネタ作家・芝山大補さんによる一般人向け講座

1、お笑いメディア『東京で考え中』で知った

 芝山大補(しばやまだいすけ)さんを知ったのは、お笑いメディア『東京で考え中』というnoteがきっかけだった。ネタ作家ってどんな仕事かな?と気になって、タイトルをクリックしたとおもう。「漫才のパターンの個展をひらきたい、お笑いの小屋がほしい」と語っていたのが印象的だった。

 そんな記事を読むからといってお笑い関係に詳しいわけではなく、わたし自身は、約20年ほど日本のバラエティ番組を地上波でもネットでもほぼ見ないような生活を送っていて、ものすごく「芸能の流行り」に疎い。モーレツ売れっ子な人でも「誰?」ってなる。めっちゃ有名なのになんで知らないのとかいわれて、アッそうなんだ、って気づく。

 例えば、あれだけ世間を騒がせた某「におわせ不倫」の渦中の人々であっても、名前と顔が一致したのはサレ妻のAさんただ一人だった。実の父親があの人だと知ったのも報道があったからである。というか、結婚して子どもがいたこと(しかも3人!)ですら初耳だった。

 それくらい無知(というか無関心?)なので、芝山大補さんのことを知らなくても正直しょうがないレベルのエンタメ音痴だとおもう。「フワちゃんの元相方」といわれても、まず、フワちゃんが分からない。こんな状態なので、わたしにとってお笑いメディア『東京で考え中』はじぶんのスキな分野で「へー、そんな人がいるんだ!」という新発見をふやすための稀有な媒体となっている。「Tinderで出会った人とお笑いメディアを始める話」を読んでから妙にそこの情報を信用しきっているので、芝山さんはわたしにとって要チェックされて当然の人という位置づけだった(謎すぎる出会い系アプリ威力)。

2、大阪NSC28期と東京NSC11期

 ただ、そんな世間知らずなわたしでも、2012~2013年頃だけ、吉本興業の東京NSC(New Star Creationの略/新人タレント養成所のこと)15~18期あたりの生ライブやネット配信をよくみていた時期があった。

 Gyao!発の「よしログ」(吉本芸人が日替わりMCするファン向け生番組)では、今とは異なるハンドルネームでほぼ毎日のように<在宅スタッフ>をしていた。生配信中、出演する芸人さんたちの話を聴きながらリアルタイムでTwitterから質問やコメントを送る視聴者のことを、「よしログ」の中の人や芸人さんが愛情を込めてそう呼んでくれていたのである。

 そして、テレビ番組では、「バチバチエレキテる」(2013年フジテレビ)だけは毎週欠かさず見ていた。放送の終了直後から公式サイトで閲覧できるムービーもたのしみにしているほどスキだった。だから、お笑いに関してはのめり込んだ期間や知っていることなど、妙な偏りがある。

 ちなみに、大阪NSC出身者については基本的にまったくといっていいほど分からない。東京進出を果たした人なら、上京時期によっては、知っている人もいる。Wikipediaによると、芝山さんは大阪のほうの28期である。NSCの複雑なところは、大阪NSCのほうが先に設立されているので、東京と大阪で「〇期」という数字が同じにはならないところだ。2005年入学の大阪28期の対(つい)にあたるのは東京NSC11期。わたしがかろうじて数字と芸名をむすび付けられるのは東京NSC15~18期付近なので、大阪28期といわれても誰がいるのかぜんぜんわからない。即答できない、というほうが正しいかもしれない。オンラインもオフラインも関係なく彼らの動向を追いかけているガチファンだと「どこの何期か」だけでピン・コンビ・トリオ名がすらすら出てくるはずだ。結成と解散のことについても知っていて「元〇〇」とかもふつうに覚えていたりする。

 ネット検索した結果、「あ、芝山さんと同期(大阪28期)にこの人もいるんだ!」ってわたしがおもったのは、井下好井の井下昌城さん、森本大百科さん、アインシュタインの稲田直樹さん、すゑひろがりずさん、である。

3、「知らない」ステータスでいく

 ……さて、これだけ だらっだら書いて なにが言いたいか?というと、

 第2回『笑わせ学』(一般人向け講義・会話の基礎編)には、講師である芝山大補(しばやまだいすけ)さんに関する主なトピックスを、あえてほぼ知らないまま臨んだ、ということだ。Twitterのタイムラインにリツイートでまわってくるからフワちゃんの顔はパッと分かるようになったが、ネタはnote『東京で考え中』に書いてあったもの以外は知らない。

 開講前、じぶんが唯一「知っている」とはっきり言えたのは、芝山さんが『社会人漫才王2019』で審査員をしていたことだけである。わたしは決勝戦の当日、客席の最前列で舞台をあおいでいた。マイクをもってコメントする芝山さんを間近で見て、「いや~っ、たまらんですなあ~!」の人、という印象がついた。とにかく登壇した芸人の面白いところを褒めちぎっていた。じぶんが彼らの漫才をみられたことがとてもうれしい、たのしいというのがよく分かるしゃべりであった。だから、わたし的には審査員の中でもすごく印象に残っている。では、なぜ、なーんにも知らないままで『笑わせ学』に参加したか?というと、理由2点ある……。

 ①ご本人の芸を知らずとも講座の内容に説得力があるかをみたかった
 ②「となりのトトロを一度も見たことがないのを自慢するかまいたちのネタ」をおもいだしてじぶんを激レアさん状態にしたかった

 『笑わせ学』の当日、じぶんがどんな人がみんなに伝えて!というフリがきたらそれをネタに自己紹介するつもりだった。正直、マジでこんなのいわなくてよかったとおもうし、きかれなくてよかった。受講生には芝山さんと顔見知りのかたもけっこういらっしゃったみたいだし会場を凍り付かせるところだった。あぶない。

4、芝山さんをフォローしたきっかけ

 上記ツイートに@マーク付きで登場している全員が「5歳サロン」という関係でつながっている、というのを知らず「つながりかたがすごい」と本気でおもっていた。ウブというか疎さの極みというか、安定の世間知らずだ。

<わたしが芝山大補さんをTwitterでフォローするまでの流れ>
 ・お笑いメディア『東京で考え中』の記事で存在を知った
 ・『社会人漫才王2019』審査員としてご本人を見かけた
 ・直にフォローしていなくてもRTやいいねでタイムラインに流れてくる
 ・『CRAZY STUDY(クレスタ)』編集長のじきるう氏の日課「カニ絵」がきっかけで複雑なつながりがあるのを知る
 ・変なことをつぶやいていたらフォローが飛んできたのでキャッチ
 ・たまには変なことをつぶやいてみるものだなと感心し、リフォロー

 すっごくどうでもいいことばかり書いてるけど、これわたしのnoteだし、まあいいだろ……。

5、「笑わせ学」応募は即決

 第2回「笑わせ学」の受講者募集は、芝山大補さんがツイートしているのを見かけてわりとすぐ応募した。一般人向けに会話の基礎をかため「芸人が使う技をすこし教える」というのが魅力的だった。

 これとは別に、マンツーマンで依頼者(個人)の面白さをひきだしてゆく「おもしろコンサル」を実施しているのだが、そちらはわたしにとって少々ハードルが高かった。ある程度の時間制限を設けているだろうし、短時間でじぶんの弱点や難点をうまく伝えられるか疑問だったのだ。とはいえ、コンサルタイムが長ければ解消されるわけでもない。そこに踏み込むより先に、みんなでわいわいやるほうがじぶんには向いている、とおもえた。

 「笑わせ学」のような講義形式なら、先生と生徒という図式で話を聞いているあいだは、いったん完全に受け身になっていられる。芝山さんの教えをかみ砕きながら「なるほど、こういう人なんだね」とご本人のようすを観察することもできる。なんせわたし、芝山さんに対する前知識ほぼエンプティ状態で訪れたので、大げさにいえば、そこで起こるすべてのことがいろんなゲージ上昇(もしくは降下)につながる。ちなみにそれは、相手の人物像を評価するものじゃなくて、じぶんのコンディションの変化をみるものだ。

6、「エピソードトーク」添削

 第2回『笑わせ学』では、芝山大補さんから「エピソードトークを作る」という宿題がだされた。提出するかどうかは任意。応募多数だった場合は、良作をとりあげて紹介する、とのことだった。

 そもそも、他人に喋りたくなるような体験談がこれといってないわたしは、文章を練る以前のところで頭が真っ白に……。「なにもないとフリーズしたエピソード」を書こうとしたが、よく考えたら、①誰かと会話するような口調で、②誰かに聞いてもらう(語りかける)前提の喋りかたで書くことって、あんまりない。

 要するに、芸人さんが「こないだこんなことがありましてね!」とトークする動画をみて雰囲気だけでもマネしてみればよかったのだとおもうけど、いろいろ考えちゃって結局提出できずにおわった。むねん。

7、「笑わせ学」こんな人にきてほしい

 芝山大補さんが「おもしろコンサル」(個人の悩みを聞き解決方法を探りつつ本人の面白いポイントを教えてくれる相談相手)をするなかで、こんなことに困っている人がけっこういる、と気づいたことがあるそうだ。

①じぶんの話が面白くなかったらどうしようとおもって話せない
わたしに関して
 うーん、ないな……。壁打ち上等で喋る図々しい女だ。それに、人の話にのっかることが多く、すでにある話題に対してコメントする程度。じぶんの意見に「面白さ」はなくていいと感じているかも。

芝山さんの講義内容
 他人の話をつまらないとおもう人ほど、じぶんがつまらないとおもわれたらどうしよう、と悩みがち。じぶんに対するプレッシャーをなくすためにも、まず「人を評価するな」といいたい。人にやさしく、すなおになろう。

②人に興味がなくて、なにを話していいかわからない
わたしに関して
 わかる。というか、他人のプライベートを無遠慮にほり下げてしまわないかこわくなる。こんな話や質問で不快にさせないだろうか?と「地雷をふむ可能性」を考えすぎて、ほっとくと人から遠ざかってしまう。実は、わたし自身があまりズカズカ入り込んでほしくないとおもっている。そのせいで、じぶんがそうだから他人もそうなのでは、という思い込みが発生しているのかも。

芝山さんの講義内容
 会話がうまい人は、ヒトに興味のある人。興味そのものは誰かに与えられるものではなく、じぶんが持つもの。「サービス精神」をもち、それをひきだすための質問力を磨いていこう。他人=財宝がいっぱい並んでいるようなイメージ。新しい知識やエピソードを手に入れたら、じぶんがトークをするときの手札もふえる。話せば話すほど、人は面白くなれる。だから、じぶんが面白くなるためにも、人に興味を持とう。

③初対面だと緊張して上手く話せない
わたしに関して
 キャラクターを受け入れてもらえるか少々怖い。実は、気分の浮き沈み(ソーウツ症状)が定期的にあるので、初対面ではフレンドリーでもそれを持続できなかったりする。二面性があるとおもわれがち。じぶんの意思ではコントロールしようがない。オープンにしていくのもなんかちょっとなぁ、と感じているので、打ち解けてきた上で質問されたら正直に答えるだろう。ナーバスになるのは、この明るさ(暗さ)で次も喋るとはかぎらないんだよな、という複雑な焦りがあるからかも。もちろん、ハイなときはこんなことまったく考えてない。

芝山さんの講義内容
 会話するときのハードルを下げよう。完璧にコミュニケーションしているじぶんをイメージしてノーミスを狙ってしまうと緊張する。今できることをコツコツ積み重ねる。質問を1つできたらOK、聞き返せたらOKなど小さなことでよい。会話の場数をふんでリラックスできる方法を探ろう。

 以上が、こんなことで困っている人が多い、に対する芝山さんのアンサーだ。これは、「笑わせ学」の受講者を募集するとき、芝山さんがTwitterで「こんなことにあてはまる人は、ぜひ<笑わせ学>を受けてほしい」と羅列していたものでもある。<わたしに関して>はそれを見て個人的におもったことを書いている(講義で私と芝山さんがやりとりしたわけではない)。

8、「笑わせ学」をなぜやるのか

 芝山大補さんいわく、「芸人が無意識に使っている技術を言語化したら、一般人でも使えるのだろうか?というおもいがあって、<笑わせ学>を開催した。人によっては、きっと、もう分かってるよ!って部分もあるとおもう。でも、まずはぼくが教えられる、日常会話で使える基礎的なことを伝えたい」と。

 実は、第1回「笑わせ学」では、コントの作り方について講義をしたそうだ。そのとき、「おもしろいけど(いきなりこれをやるのは)難しかった」という声が多かったという。なにを知りたいかをリサーチした結果、「日常で使える面白い会話のコツ」という意見がでて、やってみようとなったらしい。会場にきている受講者の声がモロに反映されているわけだ。

9、「笑わせ学」で教えてもらったこと一覧

 当日の実況ツイート歓迎のイベントだったのだが、あらためてnoteで全貌をつぶさに書き出すのは気が引けるので、芝山大補さんが教えてくれたことを目次でまとめておくことにする。ペンでメモしていたので、多少の前後や書き損じはあるとおもうが、おおよその目安にしてもらえるとうれしい。

①芝山大補さんの自己紹介
②なぜ、「笑わせ学」を開催しようとおもったのか
③会話とは?
・コツはサービス精神
・あなたはどんな人と話したい?
・会話したくなる人になるコツ教えます(よくある悩みを紐解く)
・身近な最強モデルを見つける
④会話の基礎
・相手に興味があることを伝える(そのためには?)
・リアクション力(りょく)をつけよう(具体的には?)
・会話のストレスを作らないようにする(たとえば?)
・きもちよく話をきいてもらえる方法とは
・質問力を磨こう(良い質問とは?)
⑤じぶんのキャラクターを知ろう
・芝山さん作成のキャラクターチャートを使用
・各キャラクターの細かな性格
・どんなことが得意(上手にできる)か?
・相性のよいキャラクターは?
⑥「トークの型」を教えます
・一の型<特技落とし>
・二の型<前置き落とし>
⑦芝山さん自身がしていた会話術を磨く努力の方法とは?
⑧質疑応答

10、「笑わせ学」わたしの後日談

 「笑わせ学」で、会話についてわたし自身が日ごろモヤモヤしていたことを分かりやすく言語化してもらえたことで、いつもの風景がちょっと違ってみえた。人のようすをみても、誰が誰にどんなリアクションをとっているかまで気がまわるようになり「なるほど、ああいう人が喋りやすいんだ」と、その理由まで分かるようになった。確かに、人が自然とわいわいしにくるのって〇〇な人だよなあ、とか。それをすぐ実践できるか?というと、徐々にやっていこう……ってかんじではあるけど、きもちがかなり軽くなった。

 参加してよかったなあ、とおもう。土曜の夕方より少し前からはじまる、というのも助かった。曜日や時間が違えば厳しかったかもしれない。それはきっとまわりの人(来れなかった人)もそうだろうし、第3回があれば予定を合わせられるといいなあと祈るばかり。

 ※noteの内容、あとで読み返して加筆・修正するかも。ひとまずアップ。



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