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新入社員の技術力

私は大学院を卒業して、某大手IT企業に入社した。
SIを中心としたメーカー系の会社であったが、ソフトウェア開発部隊もあった。大手グループ会社であるため、営業は別会社の担当であった。

私が入社した年、約20人が内定をもらった。内定倍率が高いためか、高学歴の美男美女揃いであった。
男女比は5:5で、理系と文系の比率は6:4ほどで少し理系が多いかなという程度。
海外からきた優秀なプログラマや元お笑い芸人、情報系出身の院生・学部生など、高学歴でバリエーションに富んだ同期だ。

皆コミュニケーション能力が高く、新人研修で行われた試験(主に英語)でも高得点を取っていた。その試験では私は下から2番目の落ちこぼれだった。

同期には恵まれたと思う。会社が休みの日でも集まって遊ぶほど仲が良かった。先輩たちからも今回の新人は仲がいいと話題になっていたほどだ。

その後、新人研修ではJavaを学ぶことになった。
基礎の基礎から始まる内容で、やる意味がわからなかったが、私と情報系出身の2名以外はプログラミング未経験者であった。
中には、パソコンの電源の入れ方、シャットダウンの仕方も分からない人もいた。

大手IT企業に入社するのはそう簡単ではない。SPI試験や5度の面接試験を突破しなければならない。
それらをくぐり抜けてきたメンバーのうち、プログラミングできるメンバーがほとんどいないのだ。

その後3ヶ月で新人研修が終わり、各部署に配属される。
大きく分けて、下記4種類の配属先がある。
・SIer
・ソフトウェア開発
・社内教育
・経営、人事
(この中で更に細かく部署が別れ、プロジェクトが分かれる)

ほとんどのメンバーがSIerとして配属され、SEとなる。
私は配属面接のときに、社内教育や社内技術向上に務める部署に配属してくれないかと打診を受けた。
しかし、私は「一番難易度の高いプロジェクトに配属したい。プログラミングをしたい。」とお願いした。
結果、私と優秀な外国人1名がソフトウェア開発を行う部署に配属された。

部署での歓迎会が開かれたが、部署の上層部は「毎年技術力のある新人が入社しなくて困っている」と言ったいた。
人事部は技術の知識がなく、入社試験で技術力の高さは殆ど見ていないらしい。確かにそれは新人研修で目の当たりにした。
大手企業では、技術のある優秀な学生を落とし、高学歴で明るく活発な(パッと見、コミュニケーション能力がある)人を採用するのだ。

よくネット上で「プログラミングできないSEが仕様書を書いている」という話を聞いていたが、社員採用の時点でこういった問題は始まっているのかもしれない。

なお、前職である大手企業には大変感謝しており、同期や上司先輩に恵まれ、本当に良かったと思っている。大変いい経験を積むことができた。
今でも前職の関係者とは交流があるが、お世話になりっぱなしだ。
本記事では採用・入社時の技術力について述べたもので、皆素晴らしい人達ばかりだ。

ただ、新入社員だけでなく、先輩や上司を含め、技術力がない人が多かったのも事実だ。
もちろん技術的に尊敬できる先輩や上司も多くいた。特に私が配属されたプロジェクトチームは、情報系の大学院卒がほとんどで、技術力もものすごく高かった。

今でも直属の先輩と上司には一生頭が上がらないくらいに尊敬している。とんでもない技術力と責任感、プロジェクトを引っ張っていく力を持っていた。結局、私含め、尊敬する先輩も上司も退職してしまったが。
優秀な人ほど会社を辞めるというのは本当なのかもしれない。

大まかに入社時の感想を述べたが、それぞれの詳細はまた記事にまとめようと思う。
・中国での新人研修
・配属後のOJB
・給料、福利厚生
・出世、評価制度
・社内行事
・社内の雰囲気
・超絶炎上プロジェクト
・うつ病の経験
・退職
など、話のネタは尽きない。

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