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芳住
2024年5月12日 19:24
5月3日(金)去年のお盆ぶりに会った父方のおじいちゃんは、電話の掛け方が分からなくなっていた。自分は九州の病院にいるのだと思い込んでいて、「ここは広島なんよ〜」と3回ぐらい繰り返した気がする。おじいちゃんは病室の戸棚から、おもむろにオロナミンCを出してきて、私と弟の手に握らせた。あまりにも自然な動作で、しかも無言で差し出してくるもんだから私も弟も笑ってしまった。おじいちゃんの家には、必ず
2024年3月11日 10:58
3月6日(水)自分の中にあるセンサーが敏感になっている気がする。3月7日(木)深夜。暗い部屋でひとり、膝をかかえ、声を押し殺す。泣きつかれて眠ってしまった。3月8日(金)腫れた瞼に気づいた母が、デニーズへ苺パフェを食べに連れて行ってくれた。「迷惑をかけたくない」と漏らすと、悲しそうに眉を下げながら「じゃあ私が貴方のことを頼ったら迷惑なの?」と言ってくれる母に幾度となく救われてきた。
2024年3月3日 15:42
2月26日(月)高円寺で傘をパクられたことを根に持っている。正確に言うと『取り違えられた』のだけど、もうこれはパクられたと言っても過言ではない。取手部分にだけ可愛いベージュ色が付いている私の傘が、店を出る頃にはただの馬鹿でかいビニール傘に成り代わっていたのだ。馬鹿でかかったので、まだ良い。これで本当にただのビニール傘だったら、その場でこぶしを握りしめていたところだ。取り違えた犯人は、可愛い
2024年2月25日 17:29
2月20日(火)冬と春の狭間でねむる春だ。紛うことなき春だ。『春眠 暁を覚えず』とはよく言ったもので、今日はとにかく瞼が重い。しかし春は始まりの季節とも言うので、特にこれといった記念日でもないけど日記を書いてみる。重い瞼にムチ打ちながら自転車でアルバイト先まで走ると、生温い風が心地よい。ほら見ろ、やっぱり春だ。なんて誰に否定された訳でもないのに主張を繰り返した。新人ちゃんとの距離