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銀河フェニックス物語 <ハイスクール編> 第一話(5) 転校生は将軍家?!

銀河フェニックス物語【出会い編】スタート版
・ハイスクール編:第一話 (1)(2)(3)(4
ハイスクール編 マガジン

「すごいな、お前」
「いやいやロッキー、あんたのおかげだ。さっきはありがとな」
 レイターが頭を下げたので、オレは驚いた。
「な、なんだよいきなり」

n210少年ロッキー前目やや口逆2

「俺の命、救ってくれたじゃん」

 命を救った? 
 喧嘩の時に「後ろ」って声をかけたことか?

「このナイフ、かなりの上モノだ。やばかったぜ」
 鞘にはいったままのレーザーナイフを取り出した。こいつ、ほんとに修羅場をくぐってる。

「なあ、おまえの乗ってた艦って、どこにいたんだ?」
 オレの質問にレイターは考えながら答えた。
「う~ん、どこって、ぐるぐる回ってたんだ、前線を」
 前線・・・。

 オレたちの銀河連邦とアリオロン同盟は戦争中だ。と言っても、学校では『見えない戦争』って習った。
 武力衝突が起きるのは、銀河の外の戦闘緊張地帯だけだ。その前線か。

 こいつ、さっき、
「苦しんで死ぬのと、苦しまないで死ぬのとどっちがいい?」
 ってナイフ突き付けてたよな、人を殺したことがあるんだろうか?
 いや、飯炊きのバイトは戦闘にはいかないよな。

 番長のキーレンが、ちょっとだけおとなしくなった。

 レイターがキーレンの裏番についてる、ってことはあの裏山にいた奴らしか知らない。けれど、みんなわかっていた。
 暴れたキーレンを止めたいなら、オレじゃなくてレイターに言えばいいってことを。

 ある日の学校帰り、レイターから聞かれた。
「この辺のゲーセンでさあ、宇宙船レースやるならどこがいい?」

 オレも含めて、ハイスクールの男子は繁華街のゲームセンターでたむろしている。
「タウンエイトのパロパロかなぁ。あそこは最新機種の入れ替えが早い。行くなら案内するぜ」
「頼む。もう一つ頼みがある」
「何だい?」
「金、投資してくれ」
「投資?」
「元本はほぼ保障する」
「いくらだよ」
「二百リル」
 要するにゲームの元手がないから貸せ、いや、くれってことだ。

「ったく、しょうがないなぁ」
「ヤッター! 感謝するよロッキー、ありがとう」

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 レイターは、それはそれはうれしそうな顔をして、オレの手を握った。

 二百リルでここまで感謝される覚えもないが、こいつにとっては大事なことらしい。

 そのままレイターとゲーセンのパロパロに寄った。

 電子音がうるさい店内で、コインを買う。
 レイターがやりたがっている宇宙船レースは、コイン二枚で一回できる。二百リルだ。完走すればコインが二枚出てきて、もう一度ゲームができる仕組み。 
 けど、簡単には完走できない。

 この前来た時と、コースが変わっていた。

 どうやら最新ソフトに入れ替えられたようだ。
 新しいコースは面白いんだけど、初めのうちは攻略方法がわかんなくて、最初のチェックポイントも時間内にクリアできない。
 

 レイターに気前よく二百リルおごったけど、あいつ、次々とオレにたかる気じゃないだろうな。あいつに脅されたら怖いぞ。
 なんせ裏番だ。

「俺、『銀河一の操縦士』になるのが夢なんだ。一号機もらった」
 レイターはうれしそうな顔で、操縦席に乗り込んだ。
 銀河一の操縦士、って、こいつガキかよ。

 オレは隣の二号機の操縦席に座った。
「じゃあロッキー、行くぜ」
「OK」
 ほかに誰もいない。オレとレイターの勝負だ。    (6)へ続く

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48ノ月(ヨハノツキ)
ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」