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『銀河フェニックス物語』戦地へ向かう<少年編>を書くのが苦しくなった私が出した結論は?

 イラスト付き小説の『銀河フェニックス物語』は2020年1月からnoteに連載中。732日の連続投稿後、ことし22年からは、週3日、月、水、土の更新に。

 宇宙船メーカーで働くティリー・マイルドと、『厄病神』のボディーガード、レイター・フェニックスのお話です。

 <出会い編>とそれに続く<恋愛編>はティリーとレイターの恋物語が軸になって進みました。

 『銀河フェニックス物語』は戦争と切っても切れないお話です。
 舞台のソラ系銀河連邦は、宇宙三世紀に渡って隣の銀河系アリオロン同盟と戦争中です。
 ただ、戦闘は周縁部の星系でしか発生しておらず、学校では『見えない戦争』と教えています。

 主人公のレイターは、銀河連邦軍の特命諜報部に所属するスパイです。
 一方、ティリーはそんなことは露知らず、ごく普通の少女。軍隊を持たない星の出身で、銃を見たこともなかったのに『厄病神』のせいでテロハイジャックに巻き込まれていきます。

出会い34

 こんな二人の恋の行方を<出会い編>で描いています。
 書いてみようと思った理由はこちら。

 *

 そして、ことしの元日から<少年編>の連載を始めました。
 十二歳のレイターと将軍家の跡取りアーサー・トライムスの出会いを描いています。

正装とレイター1

 戦艦アレクサンドリア号に乗艦した二人の過去の物語。

 アレクサンドリア号は徐々に前線へ近づいてます。
 <少年編>は恋愛要素が少なく、戦闘の話が多いのです。

 去年公開した<少年編>「自由自在にそらを飛ぶ」はレイターたちの戦闘機部隊が戦闘に巻き込まれるお話でした。

 この時の経験によって、大人になったレイターが苦しむのが<出会い編>第四十一話「パスワードはお忘れなく」です。

 で、<少年編>の戦闘シーンを考えていたら、突然、目の前のテレビの中で戦争がはじまりました。

 この事態は想定していなかった。

 『銀河フェニックス物語』で伝えたいことについて、noteに記したことがあります。

 二人の職場恋愛の前に浮上してくるのは、
 ジェンダー問題だったり、貧困やテロ、戦争と正義といったテーマ。

 ニュースの中の出来事は、わたしたちの世界とつながっている。
 そんなことを伝えたい。

 伝えたい想いは変わっていない。
 けれど、リアル世界の重みに圧倒され、創作物が付いていけていないことに打ちのめされる。

 こんな簡単に戦争が始まる。あっけなく人は亡くなる。

 わたしが描いている戦時下は、絵空事の世界だ。
 今、この瞬間にも怯えて暮らす人たちと同じ時を生きているのに、軽々しくないか?
 

 こんなこと書いてていいのかな? 




いいんじゃないか?

 『銀河フェニックス物語』の本編中では、レイターとアーサーが戦争を終わらせるために頑張って働いてます。

「何年かかるかわからないけれど、この戦争は終わる。将軍に言わせるとそのために無愛想な息子とバカ息子が頑張っているんですって」
 レイターも同じことをロベルトに言っていた。
『この戦いを終わらせねぇと憎しみはいつまでも連鎖する。それを断ち切るために俺はこの仕事を請け負ってる』
 わたしの知らないレイターが突然目の前に現れた。

 現実の世界とはかけ離れているかもしれない。
 
 でも、争いよ止まれ!
 そういう願いはどちらの世界にも満ちているはずなのだ。

3S アーサーレイターティリー

 書きたいことを書ける自由が、今、わたしにはある。 
 想像力を広げ思いを致せ。
 
 ゆっくりでも進んでいけばいいさ。じっくり考えろ。

 週三日の連載を週二日にしようかな……


 これが、年度の初めにわたしが出した結論。

裏話や雑談を掲載したツイッターはこちら

<出会い編>第一話「永世中立星の叛乱」→物語のスタート版
イラストのマガジン

ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」