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2020年10月の記事一覧

どこで演奏するか 〜 想定された、場の響き

どこで演奏するか 〜 想定された、場の響き

「教会で聞いた賛美歌の響きが忘れられない」という人は多いようで……異国での体験であることに加え「教会の “場の響き” 」もまた異世界であり、そこに神や神聖な存在を感じずにはいられなくなるのだろうか――

さて、場の響き、空間の響きを考慮せずに演奏される機会は、結構な割合で存在する。つまり、「教会でうたわれる想定で書かれた曲を、日本の多目的ホールに持って来ても、本来の響きは得られない」という至極当た

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マスクに“正装”はあるのか?

マスクに“正装”はあるのか?

コンサートホールで裏方をやっている知人が、関係者からこう言われたらしい。

「舞台上では、白いマスクでお願いします」

知人は黒いマスクを着用していたのだが、よく見ると周りは白いマスクだらけ。

……そりゃ仕方ないなと思ったが、はて、それはいつのまに出来たルールなんだろう。

ネクタイの色は統一してしないのに、マスクは統一?

そういえば、冠婚葬祭の席ではどうしたら良いの?

コロナ禍以前、マスク

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クラシック音楽に特化した「IDAGIO」

クラシック音楽に特化した「IDAGIO」

Spotify などで目的の曲にたどり着けなかったりすることが度々あります。日本語以外で検索したりと色々工夫が必要なわけですが、この「検索カテゴリの構造」に切り込んだのが「IDAGIO」です。

ほとんどのサービスは、曲名、アーティスト名、アルバム名で分類しています。対する IDAGIO は、作曲家、指揮者、オーケストラ、ソリストなどといった分類からも検索することができるので目的の曲を探しやすく、

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補聴器がハウリングしやすい理由

補聴器がハウリングしやすい理由

クラシック音楽のマスタリングしていた時のこと、ディレクターが

「さっきから、ピーっていう高い音が聞こえるよね?」

……そう、それは、補聴器がハウリングを起こしている音。

コンサートホールでは、開演前のアナウンスで「補聴器がしっかりと装着されているか、今一度お確かめください」などと注意喚起していたりしますが、この “しっかりと” の定義は人それぞれ。つまりは「隙間なく装着してください」というこ

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