お洒落な男になる条件
お洒落な男になる条件はいくつかある。センスという言葉で片づけてしまうのではなく、具体的に考え、分解していけば誰でもお洒落になれるはずだ。
この記事ではお洒落な男になるための条件を紹介していきたい。
①お洒落な男は正しいサイズを理解する
「日本人のIQは低い。何故なら産まれてこの方付き合ってきている自分の身体のサイズを理解していないからだ。」
これはバブル期に日本人が金に物を言わせて高級品を買い漁っていた頃、欧米人が皮肉を込めて言い放った言葉だ。
サイズとは身長や体重だけで決まるものではなく、当たり前に3Dなものだ。
肩幅や胸の厚み、腕の長さなど人によって十人十色であり、同じ体型の人などおらず、まさにオリジナルのもの。これを理解せずしてお洒落な男にはまずなれないと思ったほうが良い。
巷で販売されている既製服はS.M.Lサイズのように大まかに分けられた、あくまで標準モデルであり、自分の体型に合うかどうかは分からないし、ブランドやデザインによっても大きく変わるだろう。
そんな中、まずは自分の体型を正しく理解する事から始めよう。標準モデルから逸脱したポイントを知るのだ。
体型はその人の歴史でもある。もちろん親から与えられたDNAが影響する部分もあるが、それはあくまでベースであり、そこから生き方が加えられる。運動嫌いでお酒が好きならお腹が出てくるし、若い頃に水泳で鍛えこんでいたら肩幅や胸筋が発達するように、今までの人生が反映されるのだ。
それらはもしかすると、人によってはコンプレックスなのかもしれないが、それらを理解し、活かすも殺すもその人次第と言う事だ。
②お洒落な男は正しいテイストを理解する
正しくサイズを理解した次はテイストだ。いくら正しいサイズで洋服を着たとしても、コーディネートがバラバラの状態だったとすると滑稽なものに映るだろう。
テイストとは俗に言う「〇〇系」などと呼ばれるもので、アメカジやミリタリー、マリン、ストリート、モードなど様々な種類があるが、要するに歴史でありカルチャーを指す。
膨大な量のテイストから更に時代も加わる。「〇〇系の〇〇年代」と言った風にテイストの中でも年代によって更に細分化される
すべてのテイストを網羅する必要は無い。全てを理解するのは明らかに専門家レベルであり、実際の現代のファッションには活かしきれないからだ。あくまで、ざっくりの理解で構わない。
洋服には必ずテイストが存在する。企画者やデザイナーのデザインソースが必ずあるからだ。まずは自分の洋服を見てみよう。自分の持っている洋服一つ一つが「〇〇系」なのか?
洋服ごとのテイストがわかってくると、同じテイストでコーディネートしてみよう。ミリタリーJKTにカーゴパンツ、ボーダーのバスクシャツにマリンパンツ、GパンにGジャン…コスプレの出来上がりだ。
そう。忠実にテイスト通りの着こなしをしていくと、コスプレのようなスタイリングになるケースが多い。正しいコーディネートでも時代にマッチしないどこか滑稽なスタイリングになってしまう。
ただベースの考えになることは間違いない。テイストの理解は必須で、加えて後述するトレンドとユーモアが加わり始めてお洒落な男に変化するのだ。
③お洒落な男はトレンドを理解する
トレンドはめまぐるしく変わるが、20~30年周期くらいのサイクルで繰り返していく傾向が強い。
「昔、若い頃に流行ったな…」
と親世代が子供世代の洋服を見てつぶやく現象は、トレンド周期のサイクルが要因だ。
サイズとテイストを正しく理解した次はトレンドだ。特にテイストを理解したとしても、まったくトレンドとして流行していないものもたくさんある。また、正しいサイズを理解したとしてもトレンドによって正しいサイズは変化する。これが非常に難しい。
トレンドはテイストもサイクルで回り、サイズのトレンドもサイクルで回る。「○○系」が流行し、トレンドのサイズ感は○○、といった具合に、数十年前に流行したテイストがサイクルでよみがえり、微妙にサイズ感や細かいディティールなどが時代に合わせて変化する。
親の昔の写真を見て
「おやじオシャレじゃん!…でもなんか違うな…」
というような感じだ。まったく同じものがサイクルで来るというわけでもない。
トレンドは情報収集するしか理解する手段はない。ただ、正しいサイズとテイストを理解しておけば、トレンド感を理解することはそこまで難しいことではなく、雑誌やインターネットの情報で十分にカバーできるだろう。
④お洒落な男は自分らしいユーモアを表現する
ここが最終関門だ。
持論だと「お金と知識があればある程度の水準のオシャレにはなれる」と思っている。ただある程度の水準以上にお洒落になるためには自分らしいユーモアが必要になると思っている。
ユーモア=遊び心=着こなしのハズシ
ということだ。
正しいサイズと、テイスト、トレンドを理解すれば時代に合わせた正しいオシャレにはなれるだろう。ただそれにはオリジナリティはなく、多くの人が着るお洒落、なんだと思う。
昔、尊敬する非常にオシャレな先輩が出張で会いに来てくれた時のこと。自分の妻が先輩に対してクッキーを焼き、そのクッキーを英字新聞に包装して渡した。
その翌日、続けてその先輩と会ったのだが、カジュアルなジャケットスタイルで、ふと胸ポケットに目をやると、ポケットチーフ代わりにその英字新聞が刺されていた。
「それ…昨日のクッキーの包み紙ですか?」
「うん、そう。合うかなと思って」
と普通に返答された。これ見よがしに自分から言うこともなく、気づかなければそのままだったであろう自然さに、高度すぎる着こなしとユーモアに心の底から感心した経験がある。
ハズシとは、本来そのテイストには合わせないようなコーディネートを組み合わせたりするテクニックで、そこに個性やオリジナリティは集約される。
ハズシのテクニックも今やもう陳腐化するほど情報が出回っているため、真新しいものは少ないが、本気でファッションを楽しんでいる人たちはついマネしたくなるような、質問したくなるようなハズシテクニックを入れ込んでくる。
これこそファッションの本質である豊さやゆとりの象徴的な部分だと思う。
まとめ
いかがだっただろうか。記事をまとめると、
※オシャレとは理論+ユーモア
※理論=サイズ・テイスト・トレンドの情報知識の理解
※ユーモア=ハズシ・豊かさ・オリジナリティ
ということだ。
これらが揃えばお洒落な男には必ずなれるだろうと思っている。あとは経済的な部分だろうか。資金はやはり欠かせない。
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