壷中天

You are what you ate...人はその摂取したものの総体であるなら、同…

壷中天

You are what you ate...人はその摂取したものの総体であるなら、同時に、見たもの、読んだもの、聴いたもの、感じたこと、考えたこと、さらには為したことの総体でもあるだろう

最近の記事

『ファム・ファタール』 Obsessionは見終わって「面白いんだけどさあ、これじゃあちょっと……」と困惑したが、同じように「それはちょっとなあ」というプロットでも、ファム・ファタールは「しよーがねーなー」と苦笑いするのみ。口の中に厭な味は残らなかった。

    • 『ファム・ファタール』 エンディング・クレジットを見たら、キャメラ・オペレーターとはべつに、ピン送りのスタッフ(Focus Pullers)の名前がちゃんとあった。アメリカ映画の分業化には毎度驚かされる。

      • 『ファム・ファタール』 この機内の2ショット、眼病の経験があるわたしは、また目が悪くなったのかと、見直してしまった。さにあらず、被写界深度を浅くし、話者が替わるたびに、そちらへと微妙にピン送りをしていた!

        • 『ファム・ファタール』 IT富豪を演じたのはピーター・コヨーテ。20年ぶりぐらいに見た。懐かしい。本物のヒッピーだった人で、最初はグレイトフル・デッドについてコメントしているのを見て知り、あとで出演映画を見た。

        『ファム・ファタール』 Obsessionは見終わって「面白いんだけどさあ、これじゃあちょっと……」と困惑したが、同じように「それはちょっとなあ」というプロットでも、ファム・ファタールは「しよーがねーなー」と苦笑いするのみ。口の中に厭な味は残らなかった。

        • 『ファム・ファタール』 エンディング・クレジットを見たら、キャメラ・オペレーターとはべつに、ピン送りのスタッフ(Focus Pullers)の名前がちゃんとあった。アメリカ映画の分業化には毎度驚かされる。

        • 『ファム・ファタール』 この機内の2ショット、眼病の経験があるわたしは、また目が悪くなったのかと、見直してしまった。さにあらず、被写界深度を浅くし、話者が替わるたびに、そちらへと微妙にピン送りをしていた!

        • 『ファム・ファタール』 IT富豪を演じたのはピーター・コヨーテ。20年ぶりぐらいに見た。懐かしい。本物のヒッピーだった人で、最初はグレイトフル・デッドについてコメントしているのを見て知り、あとで出演映画を見た。

          『ファム・ファタール』 堂々と正面切って誰の耳にもラヴェルとの類似がわかる曲を書いたのは、いったいどなたさまとクレジットを見れば、坂本龍一。なるほどねえ。いや、構成法、スタイル、気分が似ているのであって、メロディーが似ているわけではなく、模倣ではない。為念。

          『ファム・ファタール』 堂々と正面切って誰の耳にもラヴェルとの類似がわかる曲を書いたのは、いったいどなたさまとクレジットを見れば、坂本龍一。なるほどねえ。いや、構成法、スタイル、気分が似ているのであって、メロディーが似ているわけではなく、模倣ではない。為念。

          そのエロティックかつサスペンスフルな冒頭のケイパー・シーンの音楽が、性行為のメタファーと云われるラヴェルの「ボレロ」を思わせる、シンプルなモティーフを延々と繰り返し、緩やかなクレシェンドで「上り詰める」音楽で、ニヤニヤしてしまった。

          そのエロティックかつサスペンスフルな冒頭のケイパー・シーンの音楽が、性行為のメタファーと云われるラヴェルの「ボレロ」を思わせる、シンプルなモティーフを延々と繰り返し、緩やかなクレシェンドで「上り詰める」音楽で、ニヤニヤしてしまった。

          『ファム・ファタール』 ヒチコックも窃視症的だったが、ディ・パーマも同類、エロティックなシークェンスで腕を見せる。ボディー・ダブルのダンス・シーンはポーン以上にセンジュアルだったが、ファム・ファタールのふたつのエロティック・シーンも素晴らしく蠱惑的。

          『ファム・ファタール』 ヒチコックも窃視症的だったが、ディ・パーマも同類、エロティックなシークェンスで腕を見せる。ボディー・ダブルのダンス・シーンはポーン以上にセンジュアルだったが、ファム・ファタールのふたつのエロティック・シーンも素晴らしく蠱惑的。

          『ファム・ファタール』 ヒチコックのめまいを模したObsessionというディ・パーマ映画があった。面白いが無理を重ねすぎたプロットだった。やはりヒチコックの裏窓にヒントを得たボディー・ダブルでそのへんはかなり修正されたが、ファム・ファタールはまた無理筋に戻った感がある。

          『ファム・ファタール』 ヒチコックのめまいを模したObsessionというディ・パーマ映画があった。面白いが無理を重ねすぎたプロットだった。やはりヒチコックの裏窓にヒントを得たボディー・ダブルでそのへんはかなり修正されたが、ファム・ファタールはまた無理筋に戻った感がある。

          Brian de Palma - Femme Fatale, 2002 ディ・パーマが懐かしくなり、Femme Fataleをプレイヤーに。画面を縦に多重化する鈴木清順風のけっこうな映像と、例によって「それはちょっと無理では?」というプロットの、いつものディ・パーマだった。

          Brian de Palma - Femme Fatale, 2002 ディ・パーマが懐かしくなり、Femme Fataleをプレイヤーに。画面を縦に多重化する鈴木清順風のけっこうな映像と、例によって「それはちょっと無理では?」というプロットの、いつものディ・パーマだった。

          天使の分け前ふたたび:グレイトフル・デッド"From The Mars Hotel: The Angel's Share"

          グレイトフル・デッドの50周年記念天使の分け前シリーズの、Wake of the Flood篇については何回にも分けて詳細に書いたにもかかわらず、まだ完了していないのに、もうつぎのFrom The Mars Hotel篇がリリースされてしまった。 元盤のリリースは1974年、たしかに半世紀たったのだが、それにしても、あまりと云えばあまりな光陰矢の如し、「♪あれから50年」じゃあ、ただのジジイとババア、歌にもならない! ただただ落莫果てしなし。 しかし、今回は、これまでの三

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          古典ミステリー初読再読終読:サマーセット・モーム『アシェンデン或いは英国諜報員』

          二十歳前後に読んだきりだったモームの『アシェンデン』(Ashenden or The British Agent)を再読した。 ◎外套と短剣からの離陸 アシェンデンを「ミステリー」に分類するのは据わりが悪く感じるかもしれないが、昔は、エスピオナージュ小説の古典ということにされていたのだ。再読してみて、やはり、それはそれでかまわないだろうと感じた。 実物を読んだことはないが、19世紀から20世紀はじめにかけて盛ったという、「外套と短剣」Cloak and Daggerなど

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          本物の人間と本物の蒸気機関車:チャールズ・ブロンソン主演『軍用列車』

          ふと、アリステア・マクリーンを読みたくなった。しかし、手元にはもう一冊もなく、じゃあ、映画にするかと探して、HDDの肥やしになっていた2本のうちのひとつ、チャールズ・ブロンソン主演のBreakheart Pass(『軍用列車』1975)をプレイヤーにドラッグした。 ◎アメリカン・ウィルダーネスを疾駆する機関車 時代が時代なので、タイトル・デザインはよろしくなく、大丈夫かよ、と不安になったが、話に入り、列車が登場したとたん、よしよしこれなら大丈夫だ、と腰を据えて見る気になっ

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          58年目のビーチボーイズ大棚卸 2. Please Let Me Wonder:スペクターへのロード・マップ

          先日の「無音部に流れる時間:ハル・ブレイン、大滝詠一、ブライアン・ウィルソン、ティファナ・ブラス 」という記事でブライアン・ウィルソンのことを書いていて、すっかり忘れていたことを思いだした。 昨夏、わが家にある、ブートをのぞく、合計61.7GBにおよぶビーチボーイズの正規盤全エディションを聴き直す、という大棚卸について書くつもりで、その前説の部分(「58年目のビーチボーイズ大棚卸 1. 裸にされたDarlin'」 )はポストしておきながら、その直後にグレイトフル・デッドのW

          58年目のビーチボーイズ大棚卸 2. Please Let Me Wonder:スペクターへのロード・マップ

          暑い! 一昨日まではエアコンを入れていたし、今朝だって冷え込んで、一時間ほどヒーターをつけていた。それから五時間後には夏! まるではっぴいえんどのアレだ。 「♪暖房装置の冬が行くと、冷房装置の夏が来た、ほんにーはーるーは来やしない、おや、まあ、また待ちぼうけ」(『春らんまん』)

          暑い! 一昨日まではエアコンを入れていたし、今朝だって冷え込んで、一時間ほどヒーターをつけていた。それから五時間後には夏! まるではっぴいえんどのアレだ。 「♪暖房装置の冬が行くと、冷房装置の夏が来た、ほんにーはーるーは来やしない、おや、まあ、また待ちぼうけ」(『春らんまん』)

          無音部に流れる時間:ハル・ブレイン、大滝詠一、ブライアン・ウィルソン、ティファナ・ブラス

          大滝詠一のEach Time40周年記念盤を聴いた。このセット全体を検討しはじめると、先般のグレイトフル・デッドの記事(「文字盤上の天使の分け前 Grateful Dead - Wake of the Flood: Angel's Share 」以下、「続」、「続々」、「続々々」など、数回にわたって書いたのだが、じつはまだ完結していない!)の轍を踏んで、またしても終わらなくなること必定なので、それはしない(呵々)。ささやかなディテールであれこれ思いだしたことがあるので、そのこ

          無音部に流れる時間:ハル・ブレイン、大滝詠一、ブライアン・ウィルソン、ティファナ・ブラス

          再びハープ・ジャズ:The Daphne Hellman Quartet - Holiday For Harp, 1959

          ハープ・ジャズというのは一握りなのだと「楽器コンビネーションの冒険:マット・マシューズのSwingin' Pretty and All That Jazz, 1960 」では書いたが、求めよ、されば与えられん、探してみると、不思議に見つかるもので、またひとつ、楽しいハープ・ジャズ盤に遭遇した。落語「山号寺号」の旦那のセリフじゃないが、「あるものだねえ」である。 このところ、しじゅうInternet ArchiveのLPリップを見ているのだが、IAでは何かのページを見ると、下

          再びハープ・ジャズ:The Daphne Hellman Quartet - Holiday For Harp, 1959