幾多のものと唯一のものと。
今年になって簪を差している夢を見て、数年前の帰国時に買い求めた簪たちを想いました。
それでまた髪を伸ばそう!と、コツコツ伸ばして来たのですが、帰国してみてあまりの暑さに思い切ってバッサリ!
簪は...もしやもう使う機会は無いのかも知れません。切るのは一瞬ですが伸ばすのは根気と時間が必要です。
この歳でまた長い髪が似合うかどうかも怪しいです。けれど先のことなど考えるのは取り越し苦労というもの...今はショートカットを堪能することにしませう。
日本の夏...汗かきのため始終汗を拭いていて、汗腺が壊れるくらいでしたが、特に火の前!
よく父が「料理人は早死にが多い」と言っていたのを産後の義妹の家で揚げ物をしながら思い出しました。
鯵の南蛮漬け、実は作ったことがなかったので挑戦したくなりました。暑い夏にサッパリとした酢の味と冷えた中に感じる旨味と...ずっと上級者向けの料理と思ってみましたが、作ってみたら案外簡単、無事に出来上がりました。
鯵はもう捌かれてあったのですが、お魚を捌ける様になりたいなぁと想いながらこの歳まで実現できておりません。
自分で捌けたら魚料理がグッと愉しくなりそうですが...。
日本で15歳を迎えた娘は大の漫画好き。
漫画が安くいっぱい売ってる所へ連れてって!とリクエストされました。
苦労して自力で辿り着いたブックオフに漫画がほとんど無かったそうで、調べると確かにそういう傾向にあるそうです。
ネットの質問サイトでやっぱり同じことを尋ねている人がいて、すごく親切な方が「まんだらけは如何でしょうか?」と回答されてました。
ありがとう、回答者さん!速攻2人で行って来ました。
まんだらけ道中、思いがけない出逢いも。
ドイツは生体販売が無いので、ペットショップが有ると思わず入ってしまうのですが、そこに昔探していた私的 “幻の仔猫” が!
キャリコのそれも珍しいダイリュートキャリコの仔猫です。キャリコとは三毛、ダイリュートはパステル調のことで淡い毛色の三毛猫です。
5年前、三毛猫に惹かれてドイツで随分探したのですが見つかりませんでした。
こんな所で会えるとは...嗚呼しかしここは日本、遠いドイツへ連れ帰ることは不可能です。
彼女は(三毛猫はほとんどがメスです、サビ猫も)耳も片方ずつ色が違うという私の理想の毛色をしていました。
ワクチンを済ませるまで数ヶ月私だけ残って..
そんな考えが浮かんだり浮かばなかったり。。
“東京”をイメージして真っ先に想い浮かぶ代表スポットの一つが渋谷のスクランブル交差点かも知れません。
1997年から6年間、都内で働いていましたが近くの繁華街で関係者に会いたくなくて、わざわざ遠い渋谷まで遊びに来ていました。
東京のスクランブル交差点でアフリカ人(大陸なんでこの言い方は漠然とし過ぎていますが...多分ケニア人)が、青信号で一斉に同方向に早足で来る日本人を見て、何かからエバキュエイトしてる!
と思い、踵を返して自分も逃げ出そうとした...という笑い話を思い出します。
あの頃よりもずっとカメラを片手にした外国人を多く見ますが、今はその気持ちがよく分かります。東京って大都会だなぁと思う瞬間です。
そんな人工物だらけの都会で、毎年どんどん風景が変わっていくそんな目まぐるしい世界、それと同じくらい、いえ、もっと心打つものは目を凝らさないと見えないものでもあります。
霊山への弾丸登山が問題視されているとよくニュースで目にしました。
娘は2年前の夏に富士登山キャンプに参加し、本七合目まで行けました。残念ながらそこからは悪天候で引き返したのですが、一生の思い出になった様です。
「ワタシは登ったことあるんやでぇ〜」と自慢して来ます。
いつか登ってみたいと思うのは富士山とキリマンジャロです。
元箱根から遊覧船に乗って箱根駒ヶ岳ロープウェイで山頂に行きました。
箱根神社の元宮が山頂にあって、お参りしてまたロープウェイで下ろうとしたら雷が通過するからと、乗り込んだロープウェイから降ろされました。
待つこと1時間半ちょっと。雨は降っていないのに強い風と頭上では雷様がずっとゴロゴロ鳴っていました。
去年の9月には🇩🇪の自宅に雷が落ちましたし、よく雷に遭います。辰女だからなぁと龍が会いに来てくれたのだと思っています。
そういえば自宅からそう遠くない山に伝説のジークフリートの龍を退治したと言われる城跡があります。
涼しいドイツ夏から猛暑酷暑の日本は辛いものがあり、毎年腰が引ける思いもありますが、日本の夏はドイツにはないものがいっぱい。
その代表がお祭りでしょうか...。
お囃子や盆踊りの音を聴くと子供の頃の懐かしい祖父母の顔が浮かびます。
花火や屋台の食べ物、浴衣...。
子供達は今のところあまりお祭りに興味はなく、母の方が騒いでいる感じでしたが、いつか彼等が大人になって懐かしく想い出す日もあるのかなぁと思えば感慨深い。記憶や文化というのはその様に伝えられるものなのかも知れません。
日本語補習校の夏休みの宿題は容赦がありません。🇩🇪は長期休暇に宿題は無いのですが。。
小5の次男の国語の宿題の一つに「本を読んで紹介する」というのがありました。
本屋さんで彼が読めそうな本を探しました。
なにせ一番日本語が苦手な次男は本を全く読みません。
長い児童書は無理だし、面白いものはないか...と探して結局は、封をされて中が見れないこの本にしました。散々探して疲れていたというのもありましたし、何となく勘でこれが良い気がしました。
どんな本と“そのとき”出遭えるかは、人との出逢い巡り合わせと同じなのだと感じます。
この本に出逢えて本当に良かった、と読んでみて泣きそうになって思いました。
「日本がいいなぁ、レストランで水はタダだし、ご飯おいしいし...」
そう子供が言うのを横目に、長年ドイツに帰ってくるのが嫌でしんどかった事を思い出します。
帰国して2週間くらいピークに辛いものがありました。
東京に着いて1週間くらいの時に“何処に居ても自分だな”と感じたことが、今夏の実感です。
唯一、猫達に会えないことが辛かった。
彼らが穏やかで此処にいてくれること、自分の現実を愛せることに感謝しています。
長い記事に最後までお付き合いくださり有難うございました!
まだまだ残暑が厳しいと思いますが、どうぞご自愛ください🍀
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