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テレビ番組の見出しに、(勝手に)翻弄された日。

 テレビ番組の録画がされていた。

広末涼子

 時々、妻が録画する番組なので、それについては不思議ではなかったけれど、広末涼子にそれほど強い関心もないはずだから、理由を聞いたら、納得できた。

 テレビ番組の紹介に短い見出しのような言葉が画面に映る。

 「プレミアムトーク 広末涼子さん▽イチオシ映画▽グリーン」となっていた。妻にとってのポイントは、最後の「グリーン」だった。

グリーンブック

 その2日前に、昼間にテレビ東京で放送されていた映画を録画して、二人で見た。
グリーンブック」

 特に妻は感動し、涙を流し、いい映画だと言っていた。
 確かに、実話をもとにし、笑いもありながら今にもつながるテーマが描かれていて、それに60年前の光景が、乗っているクルマも本当に当時のものに見えたし、画面もテレビで見たのだけど、ずっと美しかった。

 だから、「広末涼子▽イチオシ映画▽グリーン」というテレビ番組の「見出し」(?)を見たときに、この映画のことを話すのではないかと妻は思って、録画したという。

イチオシ映画

 この番組はゲストの話をかなりたっぷりと聞くし、生放送でもあるので、ゲストによっては、とても楽しく充実した時間になる。

 今回も、哲学書の話題になったり、自宅の本棚が写ったり、考えたら、広末涼子がアイドルとして人気があった頃は、もう随分と昔になったことに気が付いたりしているうちに時間が経ち、「イチオシ映画」のコーナーになった。

 ここでは、「イチオシ」するのはゲストというよりは、番組側から紹介するみたいだったのだけど、そこで最初に「実話をもとにした」という前提が語られたので、これは!と思ったら、最初に紹介されたのがオードリー・ヘップバーンのドキュメンタリーの話題だった。

 時代を超えて、誰もが知っているようなスターでもあって、そのドキュメンタリーが今でも上映される凄さと、まだ広く知られていないことがあるのかと思うと、映画も興味深かった。

 だけど、こちらの(勝手な)期待とは違っていた。

 そのあと、もう一本、紹介が始まる。それも「事実をもとにした」という言葉から始まって、いよいよ、という気持ちになったが、たぶん、妻の方がその思いが強かったはずだった。

 紹介されたのは、「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」。

「ライ麦畑でつかまえて」の作者で、人前に姿をあらわさないサリンジャーには、数多くのファンレターが大量に届く。その手紙に、返事を書き続ける仕事をする主人公がいて、あるとき……という話で、これも「事実をもとにしている」こともあり、かなり興味深かった。

 だけど、私たちにとっては、これではなかった。

グリーン

 映画のコーナーは、ここで終わってしまい、次のコーナーになった。

 「みんな!グリーンだよ」

  見出しの「グリーン」は、この「グリーン」なのは、すぐに分かった。
 
 番組側に、その意図はないのだろうけど、勝手にだまされたような気持ちになった。


 だけど、2日前にテレビで「グリーンブック」を放映し、その2日後に、「イチオシ映画」という言葉のそばに「グリーン」があったら、妻と同様に思ってしまっている人も多いのではないか、と思った。

 だけど、意図しないことでも、こんなにきれいに誘導されてしまうのだから、陰謀論が生まれるのも無理はないような気がした。




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