三度目も、コロナ禍で、終わってしまった「タピオカブーム」。
最近、近所のブルーの店舗のタピオカ屋が閉店した。
3年ほど前に、この店ができてから、駅の周辺に、たちまちタピオカ屋が、三軒もできた。
その勢いは、ブームとしか思えなかったけれど、コロナ禍になってから、後発のタピオカ屋は、唐揚げ屋になり、もう一軒は長期で休んでいたりもした時もあったが、最初にできたブルーの店が閉まったことで、この街では、完全にブームが終わったと思った。
たぴりすと。
数年前から、タピオカの名前を聞く回数と、街の中で透明なカップで飲んでいる姿を見る割合が増えてきたのはなんとなく意識していたけれど、個人的には、情報が遅いのかもしれないが、本当にブームなんだと思えたのは、「マツコの知らない世界」で、タピオカを扱った時だった。
それは、3年前(2019年)の5月のことだけど、私もその番組を見ていて、これまでブームが2回あり、今回が3回目であることを改めて知った。
しかも、この番組に出演していた「たぴりすと。」と名乗る大学生二人の主張は、かなり説得力があって、しかも3回目のブームというタピオカのしぶとさも含めて、本当に定着するのではと思え、それは少なくともパンケーキのような位置になると感じていた。
増えるタピオカ屋
その頃に、自分が住んでいる地域にもブルーの店舗のタピオカ屋が商店街から少し外れた場所にでき、そこで図書館に行く途中に購入し、飲みながら(食べながら)歩き、もう少し年齢が高めだと、もっと誤嚥に気をつけるようになるかも、と思いながらも、美味しかった。
そのうちに、本当にたちまち、という感じで、さらに駅前に二軒のタピオカ屋ができた。近所の女子高生が列を作っているような光景も珍しくなくなった。
ラーメンとの類似点
私も、それぞれの店で何度か購入し、その度に、バリエーションの多さに迷いながらも、自分にとってのベストを探すだけでも、どれだけのタピオカを飲むことになるのだろうと思った。
さらに「たぴりすと。」の話を聞いてから、タピオカはラーメンと似ているかもしれない、とも思い始めた。
ラーメンは何度かブームと言われる時期があって、そのたびに、特定のラーメン屋には1時間単位の行列ができて、そこに並んだこともあったのだけど、今は、ラーメンはブームではなく、一つのメニューとして、寿司やカレーに並ぶような勢力になっている印象があるから、それは根付いた、ということかもしれない。
その原因について、詳細を分析する力は自分にはないものの、それでも、ラーメンは麺とスープでできている、ということも大きいかもしれない、と思うことがある。その二つの要素で出来上がっているから、よりバリエーションが増え、そのことで、さまざまな人に届きやすくなり、新しいラーメンも誕生しやすいのではないだろうか。
タピオカも、タピオカミルクティーがスタートだったはずだら、タピオカとミルクティーの二つの要素でできている。ラーメンで例えるのは強引だけど、それは麺とスープの組み合わせと似ている。
そして、このバリエーションがかなりあることを、地元にできたタピオカ屋の3軒のメニューを少し眺めただけでも分かったので、この豊富さがあれば、ラーメンのように定着するかもしれない、と思っていたのが、つい3年くらい前だった。
コロナ禍
コロナ禍になり、緊急事態宣言が出されたあたりには、地元のタピオカ屋も休業になっていた。そして、そのうちの一軒は、唐揚げ屋に変わった。
それでも、残りの2軒は、再開し、また緊急事態宣言が出て、休業し、といった繰り返しの中で、時間が経った。
その時間の中で、就職も選ばず、タピオカを文化として定着させたいという話をしていた「たぴりすと。」は、ブームは終わったが定着をしていると思う、という話をしていたようだった。
あの、まだワクチン接種も始まっていない2020年の頃に、そんな主張をしているのを、今になって知ったが、それは、ある意味では筋を通した発言だったと思う。
経済の視点から同様の見方をする人もいたから、決して、ただの希望的観測でもなかったようだ。
閉店
緊急事態宣言などのたびに、飲食店は、標的にされたように営業時間も短くされたり、私もそうだが、外出を自粛すると、当然のように外食も減って、おそらく、とてもダメージを受けていることは、想像はできた。
その状況が、2022年も続くことになり、特に年明けからは、オミクロン株の感染拡大が止まらなくなっている。
そして、駅前の一軒は、それでも今も営業を続けているが、気がついたら、地元に最初にできたブルーの店舗のタピオカ屋は、どうやら閉店していた。
個人的には、完全にブームが終わったと思った。
コロナ禍
そして、「たぴりすと。」のTwitterも、『2021年2月7日。「マツコの知らない世界」へ出演する告知』で、更新が止まっている。フォロワー数も三千人を割っている。
コロナ禍のことは、3年前には、予想もできなかった。
だから、タピオカの未来も、あの頃は明るそうに見えたし、「たぴりすと。」の判断も正しく思えた。
もちろん、「たぴりすと。」の現在の正確な環境は分からないから、軽はずみなことは言えないにしても、この3年のことに関しては、やはり不運だと思う。
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