「お花パンケーキ」のうれしさ。
20年くらい前から、アーティストとしての村上隆を、尊敬している。
アート業界での自身の成功ばかりが注目されているようだけど、それに加えて、「死ぬまで芸術やりますか」ということを、テーマにしていたとも思えた「GEISAI」を主催し、若いアーティストの育成と、現代アートの市場そのものを日本に作ろうともしていた。
何より、アートを極めようとしているように思える。
1回目の「お花パンケーキパン」
村上隆は、時々、雑誌の付録に関わることもある。
10年以上前は、「お花の小皿」がついているので、「カーサブルータス」を購入した。
そして、2021年は、雑誌「スマート」で、お花のパンケーキが焼ける小さいフライパン(「パンケーキパン」)が付録についているのを、最初に知ったのは売り切れたあとだった。コロナ禍なので、「おうち時間を楽しくするため」といった理由もあって、確かに、以前よりも、今の方が欲しくなるかもしれない、とは思った。
売り切れたあとに、一応、検索をしたら、定価よりかなり高い金額で売られているのを知り、ちょっと迷って、やっぱりやめた。
アーティストのような仕事にはつきものかもしれないけれど、いわゆる「転売屋」に関して、村上隆自身も、いい感情を持っていないはずだから、こういう時にも、そうした行為に加担するようなことをしてはいけないのではないか、と思ったせいもある。
二度目の「お花パンケーキパン」
そのことを忘れかけていた秋の頃、再び、同じ雑誌「スマート」に「お花パンケーキパン」が付録につくことを知った。
今度は、雑誌が発売される前だったから、発売日をメモをして、その日にコンビニに行って、見つけて、買った。
雑誌そのものに、それほど興味がないから、買い方としては邪道だけど、うれしかった。
パンケーキ
今だにホットケーキとパンケーキの違いが、本当の意味でも分からないけれど、結局は、同じなのではないか、とも思っているが、昔がホットケーキ。今がパンケーキ。そんな粗い理解で、自分を納得させている。
とは言っても、自分は料理ができないので、妻にお願いするしかないけれど、最初はパンケーキミックスがないので、家にある材料だけで、焼いてくれた。
かなり小さいサイズでもあるので(これでも、前回よりは大きくなったというのだから、最初のは、かなり使いにくかったと思う)、「パンケーキパン」の使い方に苦戦していたようで、申し訳なかったのだけど、「お花のパンケーキ」が焼きあがって、そして、ジャムを塗って食べて、おいしかった。
何より、こういう変化があっただけで、ちょっとうれしさが増している。
焼いてくれて、ありがたかった。
二度目のパンケーキ
その後、パンケーキミックスを買ってきてくれた上で、妻が再び、焼いてくれた。
完成の形がイメージできているのに、実際に「お花のパンケーキ」ができると、やっぱり、うれしい。
二度目も、おいしかった。
妻には手数をかけて申し訳なかったのだけど、それでも、こうした小さい変化は、少しだけど生活の豊かさのようなものにつながってくるように思えた。
クッキー
普段、ファッション誌は買わないし、特に若い世代のファッションについては、ほぼ無知だったけれど、久しぶりに読むと、今のことが、少しでも伝わってくるような気がして、新鮮だったし、本当に今はファッションは、オーバーサイズになっていることを改めて実感し、少し前(この感覚が歳をとったということなのだろうけど)は、あんなにスリムで細かったのに、とは思った。
その雑誌の中で、村上隆がクッキーも作っていることを知り、中野ブロードウエイのカフェを閉店していることも知った。自分の情報が遅すぎるのかもしれない。
クッキーも、作品のように完成度がとても高く、欲しくもなったけれど、1万円を超えていることで、やっぱりあきらめた。
普段、あまり思わないけれど、こうした「作品」のようなクッキーを買うときにためらわないくらいの収入が欲しいとか、また、もしかしたら一度もおとずれないかもしれない「有力者への手土産」を渡す機会には、このクッキーを購入しようと、秘かに決意はした。
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