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蒔倉のショートショート

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私が書いたショートショートや掌編小説をまとめたマガジンです。毎週ショートショートnoteやその他お題で書いた作品も含まれます。だいたい410字〜1000字の小説となっております。
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#私の作品紹介

時を超えて。【ショートショート】

時を超えて。【ショートショート】

「其方、いったい何者だ」

私は…。

あれは桜が満開に咲いた頃。
田舎の神社に在る一本の枝垂れ桜。

私は一人、その場所に居た。

なぜだか不意にこの桜を見たくなった。
樹齢何百年ともなるであろう立派な太い幹に美しい桜が豪快に枝垂れる。
私は思わずその幹にそっと触れた。

「きれい…」

トクンと鼓動が鳴り、風が髪をなびかせる。まるで何かと繋がった気がした。私を覆う枝垂れ桜はサラサラと揺れ、花弁

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もう一度。【ショートショート】

もう一度。【ショートショート】

深夜のバス停。満月ガスとバスの往復が一枚綴りになった切符を握りしめる。

「あんたもこのバスに乗んの」
女がぶっきらぼうに話しかける。

「だったら何」
俺はガン飛ばしてそう答えた。

「このバスの行先、分かってんの」
「あぁ」
女はそれ以上何も聞いてはこなかった。

到着したバスへ乗り込む。
前方へ座った女は車窓を物悲しそうに眺めていた。

元よりこのバスの噂は知っていた。
一度だけ望む幻が見れ

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