私が書いたショートショートや掌編小説をまとめたマガジンです。毎週ショートショートnoteやその他お題で書いた作品も含まれます。だいたい410字〜1000字の小説となっております。
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もう一度。【ショートショート】
深夜のバス停。満月ガスとバスの往復が一枚綴りになった切符を握りしめる。
「あんたもこのバスに乗んの」
女がぶっきらぼうに話しかける。
「だったら何」
俺はガン飛ばしてそう答えた。
「このバスの行先、分かってんの」
「あぁ」
女はそれ以上何も聞いてはこなかった。
到着したバスへ乗り込む。
前方へ座った女は車窓を物悲しそうに眺めていた。
元よりこのバスの噂は知っていた。
一度だけ望む幻が見れ