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#23 薬屋のLily(リリー)


Oliviaと私は
Jackの家のすぐそばにある
薬屋さんに向かった。


Olivia、肘、大丈夫?
痛むの?

Oliviaの肘は少し赤く
少し腫れている程度だが
直径4,5㎝ほどの大きさがあった。


う~ん
触ると少しピリピリするくらい。
Jackさんに言われるまで
気付かなかったくらいだから大丈夫よ。


Oliviaが
ここよ、と入っていったのは
私たちの知る薬屋さんのイメージとは
随分かけ離れていた。

なんというか…
薬を扱うお店に必須ともいえる”清潔さ”
あまり感じられない薄暗いお店だった。


すみませ~ん
と、Oliviaは店の奥に向かって声をかけた。

はいはい。

と奥から出てきたのは、
薄汚れた白衣の胸に
「Lily(リリー)」と書かれた
名札を付けた細身で年配の女性だった。

Jackよりも分厚いのではないかと
思うようなビン底のような眼鏡をかけ
少し疲れたような顔をしていた。


カウンターの背後の壁では
【Lilyの薬屋 開業50周年おめでとう!】
と書かれたステッカーらしきものが
埃をかぶっていた。

紙から感じる年季から
あのステッカーが貼られてから
10年は経っているのでは?
と想像できた。

となると、
Lilyは一体何歳なのだろう…


髪は結んではいるLilyだが
白髪や傷んだ髪はそのままで
やはり”清潔感”はあまり感じられなかった。

薬剤師さんというよりは
何かの研究者のような雰囲気のある人だった。



Oliviaはこの雰囲気に何も思わないらしい。

ここ、何かに刺されたみたいで…
塗り薬か何かあります?

Oliviaは自分の肘を指さして尋ねた。


多分虫刺されね。
でも、一応、ちょっと見せてくれる?

と言ってLilyはカウンター越しに
Oliviaの肘を診ていた。


私は雑多に並ぶ様々な薬や
店の雰囲気に圧倒されていた。

埃のかぶったビンも多く
医療系の本らしいものは
すべてかなりの年代もの
だった。

写真 2019-08-04 16 25 09

その中で壁際の棚だけは
割と綺麗に並べられていた。

そのためか、なんだか安心して
そこの棚の薬を見ていた。



これが薬屋のLily(リリー)に
出会った時
のおはなし。
続きはまた次回に。


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