憎しみを抑えるには?
「我思う故に我あり」で知られるデカルトは当初、人間の中心にあるのは感情ではなく理性。頭で考える事が大切だと考えていました。
デカルト46歳、「人間の精神は、いかにして人間の体を突き動かすのでしょうか?」と、ある女性からと悩みを打ち明けられ、人生が変わります。
大切なのは理性ではなく感情だと気付くのです。
人間である限りどうしても抱いてしまう感情。その根本は憎しみと愛であり。また『憎しみと愛は表裏であり もともと同じもの』。
一見、相反に見える2つの感情ですが、元は同じエネルギーみたいなもの、ただ外に現れる時は、色んな形で外に現れてるに過ぎない、と。例えば日常でも自分の勝手な想像や解釈だけで、ネガティブな感情だと思ってしまっていたけれど誤解だった、と言う事はあるものです。
そして、デカルトの偉業は、愛はもちろん、それだけではなく憎しみというネガティブな感情の大切さに気づいたことにあります。
彼は、理性と感情の両者をこう説いていきます。
『あらゆる情念の効用は精神の中に思考を強化し持続させることのみにある』。
暴走する傾向がある感情はネガティブを生みますが、その時、自分の想像に騙されないために理性があるのだと思います。
「感情を理性的な思考を盛り上げる為のBGMのように使って行こう」とは、哲学者小川仁志サンの解説。勉強になります。
感情も、頭で考えたことを強く訴えるための能力として活用出来るのです。例えそれがネガティブだったとしても。
起こることに意味が無いものは無いんですよね。
『自分の想像に騙されず憎しみの反対の理由も考えよ』