オンライン授業で実験しよう「浸透圧で浅漬けづくり」
さて,オンライン授業だからできること,として(各自の責任に任せられるので)飛沫や衛生面を気にしない「食べ物実験」が最適です。
前回はアイスを作りました。さあ今回は浅漬けを作りましょう。
アイスより地味とか,映えないとか言わないの!!
1 ワークシート
実験方法はこちらにもあります。前もって学習支援のシステム(Classiなど)で配布しておくとよいでしょう。生徒は印刷してもいいし,「授業中は紙のノートにメモして,あとでまとめる(タブレット上のMetamojiNoteなどに)」という方法でやりましたが,いろんな方法でできる余地を残しておくといいでしょう。
事前に必要なものを準備しておくように伝えましょう。
ただでさえ外出はしにくい状況なので,
くれぐれも無理はしないように。
無理な場合は後日やっても構わない,
と伝えるくらいの余裕を持ちましょう。
教員側も,生徒と同じものを準備しておきます。
【準備】 浅漬けにしたい野菜を切ったもの
(適量 白菜・キュウリ・キャベツなど 今野菜高いけど…)
食塩(野菜の重量の 2%) 中くらいチャック付き袋
【手順】
1 野菜を袋に入れる
2 塩を入れる(お好みで、トウガラシや柚子の皮など入れても OK)
3 少しもんで放置してみる(様子を観察しよう)。
4 (授業後でよい)なにか重しを乗せたまま数時間冷蔵庫で冷やす。
野菜が今高いんですよ!ちなみに根菜は浸透圧が高いのでもう少し塩が多くてもいいです。醤油やダシ,昆布などを少し入れてもいいですね。いろいろやってみよう。
2 授業
今回の実験は簡単です。先に大まかな浸透圧の説明を済ませます。半透膜と頻出のU字管の話題とを説明していきます。ナメクジなどの例もあわせて説明してもいいでしょう。浸透圧の考え方はちゃんと押さえましょう。U字管はまたしっかり補足しないといけないけど。
しばらくしたら,多分理論で疲れてくるので,そろそろ実験です。
理科室や家庭科室などから配信してもいいでしょう。塩が飛び散る,キュウリが飛び散るなども起きてきます。
今回は画面の手元を映しながらキュウリを切ることもやって,3分クッキングの感じでやりました。
YouTuberの配信の気分で,画面の前で生徒が実験している様子を(見られれば一番いいですが)想像しながら,やりましょう。生徒を信じて…
何か生徒がリアクションできる環境があれば,随時リアクションを受けてもいいでしょう。
(配信は録画したんですが,ちょっとどうなっているかわからないので…もし機会があれば動画にします)
すぐにキュウリを入れるところまではできますから,一休みしてまた授業に戻りましょう。
講義では,配信の媒体をうまく使って,やっていきましょう。
時々キュウリから水が出てきているのを確認して,浸透圧を感じながら講義しましょう。
3 計算しましょう
ファントホッフについて大体説明して,計算に移っていきます。高校段階では式の意味にあまりこだわりすぎると危ないので,「気体粒子が壁面にぶつかる気体の圧力と,溶質粒子が半透膜にぶつかる浸透圧を同じ式で表すことができるんだぞ」くらいにしておいていいかもしれません。ただし,実際は希薄溶液というには濃度が大きすぎるという点については注意しておきましょう。
計算では,「キュウリの水分がすべて出てきた時の浸透圧」を求めていますから,「つけたてのほとんど水分が出てきていないとき」はより濃厚でより浸透圧も大きいだろう,ということに注意します。
また,当然電解質なのですべてのイオンについて考える(電離後を考える)ということにも注意しておきましょう。
イイ感じに,野菜の浸透圧と比較すると確かにな,という浸透圧が出てきます。
計算結果は,時間があれば生徒から拾って交流しても楽しいと思います。
5 浅漬け試食しましょう。
十数分すれば,それなりに水分が抜けてカリっとしてきます。
おもしを載せて,冷蔵庫で一晩くらい置くと細胞壁・膜が壊れて程よく味もしみますよ,と伝えておしまい。
皆の浅漬けの写真を,あとから共有しても楽しいです。
6 こんなかんじでした。
良かったらやってみてくださいね。