オンライン授業で実験しよう「凝固点降下でアイスづくり」
この記事は理科教育アドベントカレンダー2021に参加させていただいています。
全国的に相変わらずな状況もありまして,オンラインで授業をどうしよう…という先生方もいらっしゃるかもしれません。特に,環境によっては双方向性が限られてしまう(ほとんど一方向の授業,生徒からのフィードバックを得にくい)ということもあるかもしれません。
しかーし,ここでめげてはいけません。逆に,
オンラインだからできること
を考えましょう。
そう,日常の授業ではできない,授業デザインをすることができるじゃないですか!そこで,「食べ物」実験。最近は色々と難しいのでできないわけですが,オンラインなら,食中毒の危険も(生徒がちゃんと手を洗えば)ありませんし,ちょうどいいじゃないですか。そして昔から,みんな,食べ物実験は好きでしょう??
1 ワークシート
実験方法はこちらにもあります。前もって学習支援のシステム(Classiなど)で配布しておくとよいでしょう。生徒は印刷してもいいし,「授業中は紙のノートにメモして,あとでまとめる(タブレット上のMetamojiNoteなどに)」という方法でやりましたが,いろんな方法でできる余地を残しておくといいでしょう。
事前に必要なものを準備しておくように伝えましょう。
ただでさえ外出はしにくい状況なので,
くれぐれも無理はしないように。
無理な場合は後日やっても構わない,
と伝えるくらいの余裕を持ちましょう。
教員側も,生徒と同じものを準備しておきます。
ちなみに,当然簡易的なものでも電子天秤(料理用スケールで十分)があったほうがいいです。また,温度計は一般的なものでは低温が図れないこともあるので注意してください。(実際この実験では-20℃くらいまで温度が下がります。)
2 授業
理科室などから配信してもいいでしょう。塩が飛び散る,袋の表面に空気中の水蒸気が昇華して付着,水に戻ってびしょびしょに…など,いろんなことが起きました。
YouTuberの配信の気分で,画面の前で生徒が実験している様子を(見られれば一番いいですが)想像しながら,やりましょう。生徒を信じて…
何か生徒がリアクションできる環境があれば,随時リアクションを受けてもいいでしょう。
(配信は録画したんですが,ちょっとどうなっているかわからないので…もし機会があれば動画にします)
実験の6番あたりまで進んだら(袋にすべて入れたら),講義に移ります。時々袋をかき混ぜるような感じで揺さぶると,うまく固まります。
講義では,配信の媒体をうまく使って,やっていきましょう。(教科書のページは本校で使用しているものです。)
沸点上昇についてはオフラインで授業済みでした。比例関係を意識させながら,凝固点降下も講義しましょう。理解度にもよりますが,とりあえずのイメージは「温度が下がっても溶質粒子が邪魔して凝固しにくくなるから,より温度が下がることができる。」というくらいでもいいかもしれません。
冷却曲線についても触れましょう。過冷却については「Youtubeで検索するのが一番わかりやすい。」です。検索するように伝えましょう。
グラフは頻出なので,凝固点の読み方,溶液の曲線の違いに触れましょう。
電解質の場合の考え方に触れたら,いよいよ計算です。
3 ちょっと待って
多分講義でダレてくる頃です。一度アイスの様子でも一度確認しましょう。
ここまでくると,結構固まっているはずです。
4 計算しましょう
凝固点降下の計算自体は難しくありません。生徒からも,数値がどれくらいになったかなど,発表ができればそれもいいと思います。ただし,実際は希薄溶液というには濃度が大きすぎるという点については注意しておきましょう。
計算でも,マイナス20度Cを下回るという結果が出てきます。結構驚きます。(温度計で測定できれば,測定して見せてもいいかもしれません。)
5 アイスを食べましょう
そろそろアイスもできています。みんなでアイスを食べましょう。写真を撮るのを忘れないように。あとで,ワークシートにに貼り付けて(電子的な提出でもいいでしょう)提出させましょう。
皆のアイスの写真を,あとから共有しても楽しいです。
6 こんなかんじでした。
良かったらやってみてくださいね。