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「コハクヌシ」考

「千と千尋の神隠し」が公開された頃に、友人とのメールで登場人物の「ハク」こと「コハクヌシ」について考察したことがある。

コハクヌシ、本名は「ニギハヤミコハクヌシ」というそうだが、彼は川の主だそうで。何でこんな名前なのか(勝手に)考えてみた。

「ニギハヤミ」。漢字で書けば、多分「饒速水」もしくは「邇芸速水」。天磐船に乗って天下った饒速日命(邇芸速日命・ニギハヤヒノミコト)をもじったのだろう。ニギハヤヒは十種神宝(とくさのかんだから)を持って天磐船(あまのいわふね)に乗り、高天原から河内国に降臨したとされる。
妻は瀬織津姫というが、この神は大祓詞に登場するが記紀には見えないという、謎多き神である。汚れを川に流す水神・祓神であり、龍神という説もある。

で、「コハクヌシ」。漢字で書くと、きっと「小白主」。「琥珀主」ではないはずだ。

コハクヌシは住んでいた川が埋め立てられたとか何とか。川の主、つまりは水の神様に「琥珀主」じゃ全く意味不明である。「コハク」川の主だから、とか聞いた覚えがある気がするが、では何で「コハク」なのか。

これは、大国主との対比ではないか、と考えている。

オオクニヌシ、別名オオナムチ、更にはヤチホコノカミ、オオモノヌシ……非常に多くの名前を持つ神様であるが、実は「大国」が「ダイコク」と読めることから、神仏習合の思想によって大黒様こと「大黒天」と同一視されることもある。ホントだよ(ちなみに瀬織津姫は弁天様と同一視される)。

オオクニヌシは、出雲の国譲り神話で有名だ。「国津神」、日本の国土を造った国造りの神様である。大地主(オオトコヌシ)との別名もある。
つまり、土・大地が大黒なら、水・川(それも小川)は小白(コハク)ってことか? なんて。

……こんなことを勝手に考えていた。勝手に何の資料もなしに(しかも仕事中に)考えただけなんで、全部勝手な想像である。特に根拠はない。友人とメールでやりとりしていた時、まだ観てもいなかったし。

でもいい線いってるんじゃないか、とか勝手に思ってるんだけど。


初稿2003年1月を改稿

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