旅行代理店の団体営業から転職を考えている君へ

2020年の夏、悩みに悩んだ末に、5年以上勤めた旅行会社を辞め、転職することを決めた。

結論、間違っていたとは思っていないし、旅行会社の経験、法人営業の経験はあらゆる業種・職種でも役に立つ。
もちろん頑張ってきた5年間が恋しい時もあるが、その経験が消えてしまうことはない。他の立場から応援できることだってある。

ここにはずっと悩みに悩んだことを書き留めて置こうと思う。

退職に至るまでの後半何年間は
旅行業界に不安を感じていた。
正しくは、旅行代理店業に不安を感じていた。
コロナ前の状況をみると、世界的にも「旅行者」は増加傾向にあり
世界中で海外旅行をする人も増えていた。
インバウンド(来日)の外国人観光客も増え「観光産業」は右肩上がり、政府も注力する業界だ。


それにも関わらず拭えなかった不安は、
旅行代理店の需要と、団体旅行客数の変化によるもの。
スマホひとつで簡単に海外旅行まで出来てしまう今、店舗を持つ旅行代理店をつかう人は少数かと。
現状、カウンターの来店数は理想とは程遠かった。
貸切団体旅行は重要な案件のひとつで、私のいた会社でも収益の柱だ。市場では社員旅行をやめる会社が増えていて、催行しても参加者人数は減少傾向にある。私は法人を担当していたが、社長などトップの方のお心遣いでご旅行してくださっていると感じる場面も少なくなかった。
(語弊がないようにしたいが、会社にとっても福利厚生費として使えたり、そもそも親睦や団結力が期待できたりと、団体旅行そのものにはメリットもある。)

それでも若い世代でなんとか切り抜けて行こう、新しいものを生み出して行こうと意気込んでいたが、残念ながらそうはいかず。会社そのものにも憤りを感じていた。
私が勤めていたのは地元の中小企業で、それなりの歴史も歩んできているが、いわゆる家族経営オーナー系企業。この家系の背景はさておき、働く側からはとても良い方針には見えなかった。とにかく保守的かつ、社員にはビジョンのビの字も明かさなかった。

冷静に思えば、明かせなかった、のかも知れない。貴方が今力を入れて頑張っている事業は、今後5〜10年の間に無くなる前提で経営していきます、と、思っていても言えないだろう。
私の事業部の営業はグループ会社の営業の柱ともなっていたので、営業という存在が無ければとっくに無くなっていたと思う。

そんな訳で、お客様ともスタッフ、上司とも上手くいっていた中、自分の年齢を憎みながら団体旅行の営業スキルを磨くことを辞め、早いうちに新しいサスティナブルなスキルを身につけて行くことを決意した。
(正解だったかは分からない。今でも旅行の営業でいた自分が恋しい。
自分で決めた道は、自分の信念と共に、正解にしていくしかないと思っている。)

少し前の私のように、20代やアラサーで将来に不安を感じながら旅行会社で働いている人、特に団体旅行の営業をしている人は、コロナのことは関係なしに、一度冷静に考えて見て欲しい。やりたいことが他に見つからない、という理由であれば、見つける努力も必要だと私は思う。いやいや、団体旅行は(自分のいる地域では)我々の定年まで消えることはないし、消させない!という信念のある方は是非、私の果たせなかったことなので頑張ってほしい。

現に私のいた旅行会社のライバル社が、コロナの影響を受け閉業が決まっている。正直、そのライバルの方が業績は良かったかと。主軸に海外旅行商品を置いていたのも要因の一つかも知れないが、国内外共に団体も大きな案件をかなり持っていたはず。そのことを受け私のいた会社も上層部が弱気になってしまっているそうだが、右に倣えではいつまでも成長は期待できない。
我儘な発言になるが、コロナには負けないで欲しい。打ち勝った暁には、時代に逆らうパワーをつけていって欲しい。老舗企業には厳しいことだとは思うが、どうか柔軟さを身につけて欲しい。

最後は少し愚痴の様にもなってしまったが、とにかく似た様な状況にいる若い世代の方が少なからずいると思う。GoToの影響こそ受けていると思うが、添乗の機会の薄いうちに、一度真剣に自分の人生や働き方、ポジションについて考えてみては。結果はどうあれ、この記事が少しでも参考になれば嬉しく思う。

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