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立場を変えて見てみると見えないことが見えてくる

minneやCreemaなどを使ってると、手数料を取られることや、ピックアップや特集に掲載されないことや、そもそも売れないなど、運営側への不満を感じている作家さんは、きっと多いと思います。
不満というキモチだけじゃなくて、悲しかったりする人もいるかな。

こう感じるのは、一生懸命だからこそという要素もあるし、決して悪いことではないとは思うんだけど、ちょっと考えてみて。

これって、作家側の一方的な言い分じゃないかな?

ということで、今日は作家という視点を抜いて、ハンドメイドマーケットプレイスの立場になって考えてみようと思います。

これを読むと、立場を変えて見えてくるものが分かるから、minneやCreemaへの理解も深まると思います。
そして、販売への取り組み方がきっと変わると信じています。


ハンドメイドマーケットプレイスのビジネスモデル

minneやCreemaって一括りにすると、‟ハンドメイドマーケットプレイス″となるわけなんですが、このビジネスモデルとは、ズバリ、手数料ビジネス。


そして、ビジネスモデルのサイクルとしては、こんな感じ。

品揃えを豊富にする
 ↓ ↓ ↓
検索にヒットさせる
 ↓ ↓ ↓
アクセス上昇
 ↓ ↓ ↓
作品の露出UP
 ↓ ↓ ↓
購入率UP
 ↓ ↓ ↓
手数料による収益
 ↓ ↓ ↓
システムや販促へ再投資
 ↓ ↓ ↓
作家メリット
 ↓ ↓ ↓
品揃えUP


つまり、この流れからもわかるように、このビジネスモデルの本質はこう。

いかに「作家を増やすか」「作品を増やすか」

これが最優先事項となってる。


要するに、作家と作品数を増やすことで、ホームページへのアクセスを増やし、作品が売れるようにしているわけです。
まぁ、EC系の本質ですね。


だから、作家を確保するべく、ほとんどのマーケットプレイスは出店料を無料化にしているわけで、運営側の収益は、販売手数料のみということもわかってきます。


じゃあ、そもそも販売手数料のみで、運営って成り立つのか、って話。


マーケットプレイスの多くは、8%~20%くらいの販売手数料。
業界でも大手のminneは10%、Creemaは8~12%。(2019年現在)

手数料収益だけで、エンジニアを抱えてシステムを構築し、お金をかけて集客をして、キャンペーンなどの施策をして・・・・。
結構、販売に肝となることをしてくれているのに、この手数料はかなり優しい・・・。
と、思いませんか?


しかも、販売手数料の収益は、作家数や作品数を増やして、広告費用を使ったからと言って上がるものではなくて、購入された後の作家側の接客能力にも依存してくるわけで。

そして、この接客能力の問題は、出店料無料っていうことにも原因があるようなので、、、続けます。


出店無料化の問題

出店を無料にすると、どんな作家さんでも参加できる!
気楽に「とりあえず、登録~♪」ってできちゃう。
そうやって登録した作家さんも多いのではないでしょうか?

こうして規模が大きくなるとどうなるかっていうと、売れる作家と売れない作家の二極化が広がります。

無料というハードルの低さが、売れない作家の出店しっぱなしの放置という状態を生んでしまう。売れないことが当然だから、マイページを覗きに来ることもなく、億が一に注文が入っても気づかない。


まぁ、ここまでは良しとして、ここからがマーケットプレイスが抱える問題点。

このクレームが運営に来る!!!

「購入したのに、一向に商品が送られてこないんですが(-_-メ)」

このクレームに対処する人件費は莫大なもので、正直言って無駄なコストと言ってもいいくらいじゃない?
だって、まじめに販売してくれたら、こんなことって起こりえない。


作家が増えることと、作品クオリティ、接客クオリティが上がることは比例しない。


無料化で作家が増えると同時に、クオリティの低い商品も増えるわけで、これって、消費者側にはちっとも嬉しくないこと。
一生懸命、作家のために動いているマーケットプレイスも、販売活動している私たち作家も、これって本来望まないことのはずですよね。


こうやって考えると、作家視点でみたときに、無料が当然って思っていた概念も、本当に無料でいいのだろうかって思えてくる人もいるのではないかと思うんです。

こういった悪循環があるとしたら、作家として利用していてもいろんな弊害ってありえる。
例えば、手数料だけで運営がままならなくなる可能性が出てきたり、無料による質の低下でお客さんが減ってしまったり。

そこで、最後に各マーケットプレイスが経営的にどうなのかってことと、私たち作家がどう考えるべきなのか書いておこうと思います。
私たち作家がどう考えるべきというところは、あくまで私の個人的な見解です。


ハンドメイドマーケットプレイスの現状

ハンドメイドマーケットプレイスは飽和状態であり再編期

ミンネ、クリーマを筆頭に、現状、ハンドメイドのマーケットプレイスは乱立しまくってて、市場は飽和状態って言ってもいいと思う。

そして、ほとんどのマーケットプレイスの運営会社は毎年赤字なのだ。
やっぱり、あの手数料収益だけでは、苦しいというのが数値的に出てますね。

例えば、Creemaの第9期の純利益は、約3億5000万の赤字。
minneも直近の営業利益が、約6億8000万の赤字。
世界規模のEtsy(エッツィー)は、ナスダック市場に上場しているものの、未だに黒字化していない。
(ちなみに、minneは、来期は黒字化を予定しているそうなので、私は注目しているのだ。)

市場規模もどんどん拡大して、ハンドメイドはますます賑わうだろうと見えているのに、その中枢を担う企業たちが、赤字なんて驚き。

こういった赤字背景があるから、dクリエイターズやユザワヤは撤退したし、iichiは台湾のpinkoiグループ、tetoteはminneに統合されるなどの市場再編が活発に行われている。

こういった動向からもわかることは、ハンドメイドのマーケットプレイスは
資本力がないと厳しいといった状況。
システムを開発、構築、集客、マーケティング、全てを手数料収益で行うわけだから。

こう考えると、上場していないCreemaってすごいって、私は思った。

作家のためにより良いサービスを提供する一方で、運営側は、競合や株主からのプレッシャーは測りしれないだろうと思う。


ハンドメイド作家として

こういった背景を知っていくと、「感謝」が生まれる。

あれだけのことを無料で提供して、売れてもそこからの取り分は微々たるものなんだから。

だから作家としてできることは、もっとこのマーケットプレイスを賢く利用しようってことだと思う。

私も、マーケットプレイスも、お客さんも嬉しい賢い利用。

これが、本来の商売の在り方だと思うのです。

じゃあ、賢く利用ってどうやって?って話だけど、それはまた別の機会に。
まずは、この立場を変えると見えてきた情報をしっかり認識してもらえたらと思います。


最後に

これを読んで、minneやCreemaにありがたいって思ってくれたら嬉しいなと思います。

手数料は取られて当然、ピックアップはしてくれたら嬉しい、されなくてもされるよう努力しよう。

こんなキモチに少しでも共感してもらえたら、きっと向き合い方が変わるはず。と信じてます。



ハンドメイド作家さんに好評価
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