鑑賞ログ「BAD LANDS バッド・ランズ」

20231008

安藤サクラの出演作品。それは観る。
原田眞人監督の作品だし、原作も黒川博行だし期待大。

大阪。詐欺集団の一員として生きるネリ(安藤サクラ)。雑多な人種が入り混じる集団の中で、強かに生きているように見える。詐欺集団を束ねているのは高城(生瀬勝久)。高城との押したり引いたりの駆け引きで糧を得るネリ。高城の上には会ったこともない後ろ盾がいて、組織は安泰。世間の隙間を狙い、組織は膨大な収入を得ている。そんな中、出所したネリの腹違いの弟ジョー(山田涼介)が戻ってくる。
トラブルメーカーのジョーのせいで、巨額の金をめぐって二人の運命は思いもかけない方向に転がり始めるーという話。
安藤サクラと山田涼介が姉弟で、詐欺師を詐欺るというのがポイント。

やっぱり安藤サクラはいい。期待通り。クールな役も似合う。山田涼介も嫌いじゃない。ネリを執拗に追う胡屋役の淵上泰史もいやらしくていい。ネッチョリしたやらしい感じの生瀬勝久はちょっと軽い感じがしたかなぁ。ま、悪くはないけれど。
天童よしみ、インパクトあり。『湯道』にも出ていたけれど、スパイスとしてはとてもいいんだろうな。年季が入りすぎてる謎の老人・曼荼羅を演じる宇崎竜童もいい感じ。大ピンチになったネリを救うのよい。

全体的に流れる不穏な感じは好きだし、ネリの過去の部分とか、ちょっと本性を隠している感じとか途中まではいい感じだったんだけれど、どこからか失速。作品の立ち上がりもクールで好きなんだが、途中からいらない熱を帯び始めて、急に少年漫画っぽくなるような…。
物語を集約するための犠牲を美化しすぎだからかなぁ。いまいち腑に落ちなかったな。ドラマチックさがちょっと過剰でもはやファンタジーに振れてしまったというか、リアルさがないというか。うーん…驚きはなかったな。
江口のりことか吉原光夫とかが演じる警察側がちょっと上滑りしているような感じもちょっと苦手。コテコテしているのが苦手なのかも。
ネリの過去の雰囲気に至ってはちょっと笑っちゃった。おざなりすぎない?
「クライマーズ・ハイ」とか「検察側の罪人」とかが好みだから、もうちょっと骨太さがあっていいかなと思ったんだが、正直映画より小説の方が面白いんだろうなと感じちゃった。原作は読んでないけども。

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