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フラメンコとパンソリ
フラメンコというのは、元々、カンテ(歌)から生まれたそうです。カンテが入る時には、そのカンテに合わせるというのが重要になってくる。
フラメンコ発祥の地、スペイン、アンダルシア地方の、嘆き歌。…差別、抑圧された生活の中で、その苦しみや、絶望や、死に直面したりだとか、それらを詞にして、歌って、昇華させて、明日も生きて行くという力を得ていく。フラメンコという芸能が生まれたのは、カンテ、歌から。そこに踊
もうひとつの時間を生きる
鷲田清一さんのコラム集を読んでいて、ふと目が止まった箇所がありました。「時間」についての思索のくだりです。
たしかに、人は、意識や身体の内外、また社会や自然との接触も含め、自らの中にさまざまな時間軸を持っている。それらの時間の交わりにより自我が形成されていくのかもしれません。
コラムを引用してみますね。
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一つの時間を生きる。あるいは一つの時間をしか生きられないという
詩を書き始めた頃のこと
荒井由実を久し振りに聴き直していたら、私自身が言葉を綴り始めた頃のことがよみがえってきました。中学3年生の秋くらいからですね、何となく、ノートの片隅に詩(みたいなもの)を書くようになりました。当時聴いていたシンガーソングライターたちの歌詞に影響を受けたんです。
最初は、気に入った詞のフレーズを書き写したりしていたのですが、そのうち、自分のオリジナルを書いてみたくなったのね。表現してみたいという欲
Slow Dancer
困っている仲間を前にすると
ほっとけない奴なの。
ついこの間も
泣きべそかいている女を
一生懸命慰めてた。
結局だまされ
金まで巻き上げられちゃって。
付き人の借金の肩代わりをしたら逃げられる
相棒のけんかに割り込みやくざにはぶん殴られる
飲み屋のママの愚痴話に朝まで付き合っちゃう
別れた奥さんをひたすら賛美しまくる
お客の誰もいない興行で満面の笑顔を浮かべる
道端のコオロギにまで愛想をふりま
島 ―石垣りんさん墓参
九月も終わる
というのに
強い陽光が肌を刺す
苦味となり
喉元でわだかまっている。
急な石段を上がった先に
詩人の墓はあった
すぐ向かいは海が広がっている。
南伊豆、
子浦。
彼女は東京の生まれだが
両親の故郷に葬られたい、と
語っていた。
幼少の頃に亡くなった母
空襲で傷を負った父
父は再婚を繰り返した
異母兄弟を養いつつ
詩人は銀行員を続けた
家の働き手は
彼女ひとり
詩作