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日本の医療保険制度と介護保険制度

written by 病院建築note@医療機器出身のゼネコン社員

最近、マレーシアの医療制度や介護保険制度についてお話を聞く機会がありました。

マレーシアには公的な医療保険や介護保険がありませんが、2030年までに人口の15%が60歳以上となると言われています。

そのため公的保険や介護保険の策定が検討されており、日本の社会保障制度についてとても興味を持たれていました。

日本の医療保険と介護保険制度について簡潔にまとめました。

日本は「国民皆保険制度」と言われるように、全国民が公的な医療保険制度に加入しています。

被保険者からは収入に応じた保険料を徴収することで成り立っています。
患者は自分で好きな病院を選べるフリーアクセスの状態です。

医療保険には、会社員が加入する「被用者保険」、農業やフリーランス、退職者などが加入する「国民健康保険」、75才以上の全員が加入する「後期高齢者医療制度」 があります。

基本的に3割負担ですが、70才以上の方は収入によって負担額が変わります。

日本は医療保険に加えて、40才以上になると介護保険にも国民全員が加入しています。
こちらの収入に応じで徴収する保険料と税金で成り立っています。

会社員は介護保険も健康保険と合わせて給料から天引きされます。

加入者からの申請に基づき、市町村が費用を支払います。
介護保険の自己負担額は「要介護度」と「年収」によって異なります。



要支援には「1」と「2」の2段階あり、サービスを活用して状態の悪化を防いだり、軽減したりする見込みがある方が対象です。

身体に軽微ながら不自由な部分があったり、一部に認知症などの症状が見られたりする場合が多いでしょう。要支援1が「自立している状態」に一番近く深刻度は低くなります。

要介護は1~5の5段階あり、身体の不自由や認知症などが原因で、実生活を部分的またはほとんどを継続して介助しなければならない場合に認められます。

この要介護状態や要支援状態にあるかどうか、要介護状態にあるとすればどの程度かの判定を行うのが要介護認定であり、保険者である市町村に設置される介護認定審査会で判定されます。

このような制度は日本では当たり前ですが、公的な医療保険や介護保険が運用されている国は少なく、公的保険制度が整備されていない国もあります。

マレーシアでは公的な医療保険や介護保険は存在していません。

公的な病院においては政府からの支援金があり一定の金額で治療を受けることができますが、民間病院については10割負担です、

これまでマレーシアでは高齢になると家族が介護をすることが普通だったようですが、日本と同様に核家族化や高齢化が進んでいるため、老人保健施設のニーズが今後高まってくるそうです。

それに備えて、公的な医療保険や介護保険制度の創設が検討されています。

日本と海外の「社会保障の違い」を感じる良い機会になりました。

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hospital architecture note
mail:07jp1080@gmail.com
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