やっぱりスイーツはやめられない?
ここだけの話、私はかなりの甘党です。
そのため、仕事以外で知り合った人には、自分の職業をぼやかしていることがほとんどです。
現にメンテナンスで10年ほど通っている歯科医院では、だれも私の職業を知らず、そこでの審美歯科教室で「砂糖と虫歯」についての栄養指導をうけたこともあり、その時は真剣なまなざしで耳を傾けました。
女性の心の中で「スイーツ」というものはひときわ特別な存在で、気の合う友達とスイーツを囲み、ついでに香りのいいお茶でもあれば、人生のモヤモヤなどはたいてい吹っ飛んでしまうのではないかと思います。
日本マクドナルドの創始者である藤田田(でん)氏は、その著書のなかで、「世界の商人、ユダヤ人に受け継がれている 『ユダヤ商法4000年の公理』には『金儲けをしたければ、女性と口に入るものを狙え』とあり、これがユダヤ商法の金言だ」と記しています。
そのユダヤの公理とやらにまんまと引っかかっているのが、私を含めた世の女性たちなのでしょうか。
「甘いもの」をなぜ人は好むのでしょう。
それは狩猟採集時代にまでさかのぼるそうです。
毒物を間違って食べてしまわないように、人間はもともと「苦味」に嫌悪感を抱くようにできています。
毒物=苦味 だからという理由で。
身体にとって不必要なものを排除するために味覚が発達したように、味覚は身体にとって必要なものも判断できるようになっているようです。
狩猟採集民にとって果物は、種類は少ないものの貴重な栄養源でした。
その果物類の栄養価が一番高まるのは、甘みが最高に強くなった時だと彼らは知っており、そしてそれらの果物に旬があり、次はいつ巡り合えるか定かではないので、その甘く熟した果物を見つけたときには、お腹がはちきれんばかりに食べつくすという習慣がありました。
なんだか、どこかで見聞きしたことのある光景ですね。
狩猟採集民族の「甘いもの好き遺伝子」が現代人にも残っているからという理由だけでなく、甘いブドウ糖は脳の主たるエネルギーであるし、ブドウ糖を取り込んで血糖値が上がれば一時的に多幸感が得られるし、やめられない理由は他にいくつもあります。
しかし、そのブドウ糖と果糖が仲良くくっついてできている「砂糖」は、「マイルド ドラッグ」と揶揄されているように、依存性がある上に深刻な弊害もあるのはご承知のことでしょう。
肥満や生活習慣病だけでなく、最近特に私が気になっているのは血糖値の乱高下による精神面への影響です。
血糖値の急な上がり下がり、しかもその振れ幅が大きいほど極度の疲労感と気分の落ち込みを引き起こすことが分かっています。
これについてはまた別の機会に詳しくお話させていただくこととして、
今日のタイトルである「やっぱりスイーツはやめられない?」の、その答えは……?
「はいそうです。そんな簡単にはやめられません。管理栄養士が断言します。ごめんなさい。」以上。
しかし、甘いものをとりすぎることによる弊害はみなさんもよく知っていますので、私や患者さんが実践した方法をご紹介して、今日は終わりにしたいと思います。
「3週間脱甘いもの法」
まず、今日から3週間「甘いもの」を買わない、食べないと誓い、3週間後のカレンダーに印をつけます。(年末のこのタイミングで今日からは難しいので年明けにでも)
3週間なんとか我慢ができれば、かなりの確率で甘いもの依存から解放され、不思議とあまり食べたくなくなります。
しかも、その頃には味覚も変化するのか、食べたときに甘みをとても強く感じ、今までのようにたくさんの量を食べられなくなっています。
その後は、週に2回と決めて、心おきなくゆっくり食べましょう。(血糖値を急激にあげる早食いはいけません)
ここで、反論が出るのは想定内です。
「3週間も我慢できない!!!」
はい、わかっています。自分もできませんでした。
たいていの人がどんなに決意を固くして臨んでも、だいたい2週間でギブアップします。
なのでその時は、「無理しなくていいです。温かいお茶などと一緒にゆっくり召し上がってください」とお伝えします。
2週間我慢した時点で、すでに甘みを強く感じるようになっている人が多く、食べ過ぎることはあまりありません。
その後は、週に2回程度にしてくださいとお伝えします。
これをはじめから「とりあえず2週間習慣我慢してみましょう」と期間を短くしてみたら、残念なことに1週間で挫折する人が続出しました。
「3週間脱甘いもの法」は実は私が考えたのではありません。長年通っている歯科医院で栄養相談を受けたときに教わりました。
2週間で挫折し、しばらくは週に2回程度で満足しているけれど、そのうち気が付くと毎日食べてしまうようになり「ああしまった!」と思って、また心機一転「3週間脱甘いもの法」に挑む。
人生その繰り返し。
みんなそうです。もちろん管理栄養士も。
ではまた。みなさんの健康を願って。
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