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『そして、バトンは渡された』二倍の未来を感じ、バトンを渡す

この筆者の本は、置かれた環境に対して後ろ向きな表現が全然ない印象です。私がこのシチュエーションで物語を書こうとしたら絶対に絶望に近いストーリーを書いてしまいそうです。

そういう意味でも、瀬尾様の才能を感じます。物事をプラスに変える考え方、見習いたいです。

著作の詳しい解説についてはほかの方が分かりやすく伝えていますので、そちらをご参照いただいたほうがいいと思いますが。。。

二倍の未来が待っている

私が紹介したいのは下の部分です。突如高校生の父親となった男性が言っていた言葉です。

「梨花が言ってた。優子ちゃんの母親になってから明日が二つになったって。(略)自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日が、やってくるんだって。親になるって、未来が二倍以上に鳴ことだよって。明日が二つにできるなんて、すごいと思わない? 未来が倍になるなら絶対にしたいだろう」
この考え、無意識に思っていたことですが、こうやって言語化してくれてありがとうございますと言いたい。「ああ、なんだか形のないけど充実感がある気がする」と思う理由って、これだったのか、と。

自分は父親ですが、こういうことは、潜在意識としてあっただけで、自覚していませんでした。「そうだったのか」「そうだよな確かに」などの思いが行き来しました。

そうはいかない国もある

先日読んだ、隣国の実態を知る本を読み、隣国ではこの幸せを味わいたくてもとてつもないハードルがあることに愕然としました。

その感想については以前、アップしました。

生まれる国によって幸不幸がここまで違うものなのかと。

日本も同じような道を進んでいることに危機感を持ちます。でも、今ならまだ家族を持てる可能性はある。

だから家族を持てた人は、この物語に書いてある「二倍の未来」を感じられると伝えたい。

これは私の、親としての実感です。

最後までお読みくださいましてありがとうございました。

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至ってごく普通のサラリーマンのつもりですが少し変わった体験もしています。