souvenir【パリ】vol.2
「souvenir」、
旅のお土産。
南極からやってきたペンギンが、
世界を旅して、旅先からのお土産をあなたのもとへお届けします。
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vol.1 の記事はこちら→
さて、
パリの中心・シテ島に建つノートル・ダム大聖堂を見て、
旅するペンギンが次に向かったのは……
サン=ジェルマン=デ=プレ教会の室内装飾
パリ6区に建つ、サン=ジェルマン=デ=プレ教会。
ノートル・ダム大聖堂に比べるとこじんまりとして、
塔もシンプルだし、一応複数階建てだけどあまり目立たなくて、
ちょっと愛らしい印象があります。
実は、この教会こそが、パリ最古の教会とされています。
中に入るとそこは、
色とりどりの柱、室内を埋め尽くす壁画、
そして、天井に広がる一面の星空……に見立てた、濃紺地に金で星が描かれた天井画。
ノートル・ダムとはいっそう異なっています。
ノートル・ダムはゴシック様式と呼ばれる、12〜15世紀頃の建築様式で建てられていて、
内部の天井も高く、建物は大規模で、装飾は壮麗。
一方サン=ジェルマン=デ=プレ教会は、ロマネスク様式と呼ばれる、
中世(10〜12世紀)の建築様式。
そう、ここは、中世の教会なのです。
ノートル・ダムよりもっと古く、ゆえに天井を高くしたり窓を大きく取ったりする技術はまだありませんでした。そのため、ノートル・ダムにある「垂直」の印象はあまりありません。作りとしては、どちらかというと重厚。
しかし、その内部に展開された装飾や彫刻は、
大胆で、不思議なほど自由奔放で、なんだか愛らしくさえ感じられるのです。
特に面白いなぁと思うのが、柱。
何本もの柱が束ねられたようになっているものは、全て色や模様が違っていたりして、職人の美意識(いや、遊び心?)が感じられる気がします。
また、柱の頭にはさまざまな彫刻が施されていて、
これらは修復の際に元の色に塗られているのですが、一見するとケバいくらいの彩りです。しかし、天井画の星空のもとで見れば、全てが奔放なこれらの装飾はしっかりとひとつの世界を創り出しています。
柱頭彫刻は、様式化された植物などのお決まりのものもあるのですが、
こんなふうに、不思議な怪物たちの姿や物語を示すものであることもしばしば。
写真の彫刻は、人魚(人間の上半身に魚の下半身を持つ怪物)が魚たちとともに泳ぎ、捕らえています。
古代ギリシア神話に登場する怪物(合成獣)セイレーンでしょうか。(本来の神話では半人半鳥だったセイレーンは、7〜8世紀頃にラテン語で書かれた書物がきっかけとなって半人半魚と変化しています)
柱頭彫刻の小物入れ
怪物のいる柱頭彫刻のひとつ。
犬のような頭を持つ怪物が左右に顔を突き出させ、その手に他の生き物を掴んでいます。
柱から取り外して、これを一つの置物に仕立てました。
上にはガラス製の小さな容器を嵌め込んであります。
飾り物を入れていただいたり、お花の形を選んでいただければ、ちょっとした水盤代わりにしていただくこともできるかと思います。
あるいは、小腹がすいたとき用の飴やクッキー(個包装のものをお選びください!)を盛っていただいても……
四つ足の動物(犬?馬?)を掴む怪物のように、ここから掴んで貪ってください!
著作権表記
下記のデータに基づき改変を加えています。
(小物入れ化。後側・上部構造の追加、中空化、グラスのはめ込み等)
さて、
教会を出てペンギンは次の目的地へ向かいます。
どうやら街歩きを楽しむつもりのようですが……
"souvenir"シリーズ、
この後もどうぞよろしくお願いします!
追記:動画公開しました
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