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souvenir【パリ】vol.1

souvenir」、
 旅のお土産

南極からやってきたペンギンが、
世界を旅して、旅先からのお土産をあなたのもとへお届けします。

※シリーズの概要はこちら→
https://note.com/323labo/n/n9ad51d327366

最初の旅先は、花の都パリ!

"Eiffel Tower sunset, Paris" by Mustang Joe is marked with CC0 1.0.

セーヌのせせらぎ、
石畳の街並み、
数多くの教会と美術館……

「パリはやっぱり憧れの街ペン!」

パリの象徴、この都を東西に貫くセーヌの、
真ん中に浮かぶシテ島
パリのすべてはこの島から始まりました。

「シテ島はまるでセーヌ川に浮かぶ舟みたいペン!」

このシテ島にはかのノートル・ダム大聖堂が建ち、
また、19世紀の都市整備によって「大改造」された両岸の街並みと違って、
それ以前の古く入り組んだ路地の佇まいが、いまも随所に残っています。

「シテ島の夜の小路は中世の雰囲気ペン……」

ノートル・ダム大聖堂の怪物

「ノートル・ダム大聖堂の正面(ファサード)。おっきいペン!!」

ノートル・ダム大聖堂。

ゴシック様式」と呼ばれる時期の建築であり、
外にあっては聳え立つ塔、
内にあっては華やかなステンド・グラスが、
大伽藍の教会建築を構築しています。

「天井が高くて、荘厳な雰囲気ペン……」

しかし、それら建築もさることながら、
なによりご紹介したいのが
その壁面や塔に据えられた怪物の像

(厳密な定義の話はちょっとややこしいのですが、一般には)
ガーゴイル」と総称される像たちです。

「壁からニョキニョキ、たくさんの像が飛び出しているペン!」

ゲーム「ドラゴンクエスト」をはじめ、
よく敵モンスターとして登場するので、名前を聞いたことがある方も多いでしょう。

実際には、どういう存在、と決まっているわけではなく、
たいていは様々な獣が入り混じった姿をしています。

その姿の多種多様さは、
まるで当時の石工たちがそのクリエイティビティを自由奔放に発揮した、
とでもいうかのよう。

教会の装飾にモンスターが? と思うとちょっと不思議ですが、
日本の寺の鬼瓦のように、
あるいは古代ギリシアの神殿に、見る者を石にする魔物ゴルゴーンのレリーフがしばしばあるように、
聖なる場所、守られるべき場所に、恐ろしい怪物の姿が造形されるのは、
古今東西に見られます。

これらは、ある種の「門番」の役割を期待されたものであった、と言われます。
恐ろしいものというのは、それだけ「力あるもの」でもあるというわけです。

一説に曰く、
キリスト教の世界観の中では、こうした怪物もまた神の被造物であり、
その御業の精妙にして計り知れないさまを表している、
神とその世界の驚異を教えてくれるものなのだ、とか。

そもそもこれら怪物は、もっと古い、土着の信仰にかかわるものや地霊であったりし、
教会の中の神の世界と、教会の外の俗世、
その間にある壁に取り付けられて、ふたつの世界を越境する、
そういう力を持つ存在として造形されていたのだ、とも指摘されていたり。

そんな怪物たち、
恐ろしげな顔なのに、どこか忘れられないユーモラスさがある、と感じます。

それはきっと、
「越境するもの」として生まれついたモンスターたちの
躍動、跳梁、跋扈する姿かたちを通して、
人間の想像力の力強さと自由さを感じられるような気がするから……かもしれません。

「このヘンな生きものの像を、
”旅のおみやげ”のひとつめに決めたペン!」

ガーゴイルの一輪挿し

厳密な定義における「ガーゴイル」とは、
壁に取り付けられ、雨どいの役目を果たすもの。
雨が降ると口からは水が噴き出すのが本来の姿でした。

壁からニョキニョキと飛び出した小さな怪物たちについては、
その姿をイメージして、口にはちょっとしたものを挿せるようになっています。
ドライフラワーの1本でも挿していただくと、
本当は恐ろしげな怪物も、お部屋のちょっとした癒しに……なるかも?

鐘楼の上に立つ大きなモンスターは、後の時代に作られていて、雨どいの役目は持っていません。
背中に穴をあけてあるので、
試験管を挿せば一輪挿しに、ペンを挿せばペン立てに。

お部屋の片隅に怪物を置いて、
パリの気配や、昔の人々の想像力について
思いを馳せていただけたら嬉しいです。

さて、
聖堂の大伽藍と恐るべき怪物たちを見物して、
ペンギンが次に向かうのは、さらに古い教会。

「パリ」シリーズ、
引き続きどうぞよろしくお願いします!

追加:動画公開しました

旅するペンギン、Vtuberデビュー……?(Vtuberってこういうので大丈夫ですか?)
動画版でもどうぞよろしくお願いします!

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