アクセルか、ブレーキか？　〜今月の昭和部長〜

わが上司、昭和部長とノリが合わない。
前々からボヤいてきたが、今月にきてその思いがピークに達している。

きっかけは、わが経理部の所属する統括部が昨年発足した「統括部レベルアップ会議」チームなるものに、今年度、私が参加させられた事。
参加メンバーを選定したのは、昭和部長である。

部長にしてみれば、経理部の実務に関係なさそうなチャラいプロジェクト、という判断のもと、新参者の私をあてがって形ばかり参加しているテイにしとけば良い…という判断だったと思う。
その証拠に、メンバーに配布する業務分担表を6月に更新した際に、他のプロジェクトについては担当者を表記したのに、「統括部レベルアップ会議」だけは記載しなかった。

ところが、この「統括部レベルアップ会議」は、昭和部長の上司である統括部長にとって、本年度重点施策のひとつだったらしい。
キックオフミーティングの冒頭で、統括部長が「全国統括部員の業務知識向上は喫緊の課題！」と檄を飛ばし、
「昨年度とは段違いの成果を出せ！」的な目標設定に。
↑しかし、この目標設定、設定と言えるのか？

統括部長のご意向を受けて、事務局の統括部員から「え、聞いてない…」的な追加ノルマの連絡がバンバン入るようになった。
この時点で、「昨年度に比べ、業務量が倍増しそうです」と部長に報告。昭和部長の返しは、「大した事やらんで良いから、やってるように見せて」であった。

とは言っても、定例会議やら何やらのたびに、実際に「経理部には○○をやって欲しい」だの何だの言われるのは私なのだ。都度「統括部長のご意向で」と枕詞がつくものを断るのはなかなか難しい。
再三「面倒くさい仕事が増えそうです…増えました…」
と報告する私を見かねた部長、ある日、経理部のマネジャー集合で、こうのたまった。
「『統括部レベルアップ会議』なぁ。
　あれ、ミフミに参加してもらっているが、彼女はただのパイプ役だから！　やるのは全員、な！　協力するように！」
それから私を見て言った。
「ミフミ、こう言えば良いんだろ？」

…これで「良いです」と答える人が、はたしているんだろうか。
この出来事のせいで、むしろ余計に人に頼みにくいわ！　という雰囲気になったのだった。

そもそも、マネジャー集合での昭和部長、謎発言・謎アクションが多い。
毎々、神妙な顔でメモを取っている私だが、
「それ、背中押してるつもりか？
　足引っ張ってんのか？　どっちや部長！」
というヤジを堪えるのに必死である。

たとえば、つい先日、ぜんざい公社が1on1 の義務化を決定した時。
部長とマネジャーとの1on1 開始にあたり、部長陣への研修が実施されたのだが、
「俺には全く、その価値がわからなかった」
「メリットがわからない」
「腹落ちしない。納得いかない」
とはマネジャー集合での昭和部長のコメントだ。

「でも文句言ってても仕方ないから、一応はやるけどな」
「お前ら、実験台と思って、付き合えよ〜(笑)」
そして、
「あ、俺が腹落ちしなかった研修資料、希望者には見せるけど、見たい奴いるか？」
…見たいと言い出しにくいではないか。すっごく興味があったのに。。。

東京第2波が騒がれ出し、ぜんざい公社から「クラスターを生まない働き方を！」と何度目かの指示が飛んだ時も。
部長は、　
「働き方を変えろ！ 陽性者が出た場合のBCPを考えろ！」
と吠えた後に、
「まぁウチできることはやり尽くしたから、あとは陽性者が出たらそいつをPCとモバイルキットごとホテルに放り込んでテレワークさせるくらいしかないよな」
とのたもうた。
…待て待て、ソレ問題だろ！　ていうか、テレワークするなら今だろ！
ミツバチの巣並の密度のオフィスに全員出社をさせておいて、何が「やり尽くした」なんか。

一時が万事、こんな感じの昭和部長。
「統括部レベルアップ会議」から、ノルマとして経理知識を解説する動画を作成しろ、と言われた時も、
「まぁ好きに作れよ、あまり労力かけずにな〜。でも見栄えする奴な〜」との反応だった。

しかし念のため、取り上げるテーマの希望を確認すると、案の定しっかり細かく指定してきた。
章立て、展開の大枠を組み立て、だいたいの内容を決め、部長のOKをもらって詳細を詰め始めた。この段階で部長がお盆休みに突入した。
部長の休み明けに、ほぼ完成、というレベルのパワポのスライド案を部長に見せたところ。
概ね合意していて、あとはファクトチェックだけ、くらいのつもりでいた私をなぎ倒す勢いで、部長のダメ出しが始まった。

「この事例、別のケースに差し替えて」
「もっとさぁ、現場のミスで迷惑してるってことを前面に出してさあ」
「ここで、ボケろ！」
…あのー、これ、教育目的の動画なんですが。
「これを経理部要員拡大を叶える一手としてだなぁ」
そのプロパガンダ、別のところでお願いしますわ。。。

…結局、パワポは9割方作り直しになった。私の作ったスライドがそのまま残ったのは、表紙の他には１枚だけである。
その日のうちに、統括部メンバーに共有する約束だったので、そして翌日休む予定だったので、必死で直して、なんとかメールを送るまで漕ぎ着けて退社した。

休みの翌日、出社すると。
部長から「また直しを思いついた」とメールが来ていた。…差し替え決定である。
初回の直しには、自身の詰めの甘さを反省する気持ちもあったのだが。
「好きに作れ、あまり労力かけずにな〜」という、あのコメントはなんだったのか…。

動画撮影(モニター前でのプレゼンを録画する)日は来週に決定した。
今、私は再度直したスライドをもとに、根多繰りを始めたところだ。
願わくは、部長がもう直しを思いつかないように…。
次に直しが入ったら、きっと私は
「アクセルなんか？　ブレーキなんか？！」
とツッコミ入れてしまうと思うから。。。