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26.嫌いな夏

夏は嫌いだ。

夏は暑い。
炎天下の日差しは頭がくらくらする。

夏は人の判断能力を鈍らせる。

なぜだろう、やぶ蚊が繁殖するころに
変な人も街に繁殖し始める。

昔はパパ活市場が上流階級の人の遊びだったが
現在は、一般的な会社員の暇つぶしのような位置にまでなり下がった。

高級ブランドがファストファッションのように手軽になったようだ。

質を問わなければ、リーズナブルな女性がわんさかいる。
男性は選びたい放題である。
市場が広くなったおかげで、こんな何もない私でさえ参入できている。

しかし私は、男性にとっての終着点ではない。
目標でもない。
私を買うためにファストファッションのお店に足を運んでくれたわけではない。

わかっている。

彼は、ふらっと目的もなくお店に入り、パッと目についた、
赤札のついた私を手に取り、
『あ、この値段なら…』
『まぁ、ワンシーズンは着られるかな』と
上質な正規の値段のついた服を諦めて
私を買ってくれているだけである。

着ていて少しほつれたり、くたびれてきたら
安い分、心残りなく捨てることができる。

それが私である。

わかっている。

私に向けてくれる男性の一時の愛は
甘く、冷たい。



この時期は無性にかき氷が食べたくなる。



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