保育③カナダの教育〜Open-Ended Questionとは?
こんにちは!
今日はカナダの保育現場でよく使われている、"Open-Ended Question" についてお話したいと思います。
カナダでは保育活動を行う際、子どもと保育者間のコミュニケーションがとても重視されています。
子ども自身が、自由に感じ、想像し、考え、色々な可能性や答えを導き出していく。その際に重要なのは、子どもと保育者間の対話、そして保育者から子どもに対する”問いかけ”です。
そんな時、有効な方法として使われているのが、”Open-Ended Question"です。
・Open-Ended Questionとは?
その質問(Question)に対して、答えが一つ以上、もしくは様々な答え方ができる問いかけ、のことをいいます。
Open-Ended Questionにはいろいろな問いかけ方がありますが、基本的にはWhat/How/Whyで始まることが多いです。
例えば‥
・What do you think about...?(~についてどう思う?)
・What do/does ....make you feel?(~ついてどう感じた?)
・What would you do in this situation? (この状況だったら、どうする?)
・What would happen if...? (もし~したら、何が起こると思う?)
・How did you...?(どうやって~したの?)
・How can we...? (どうしたらいいかな?)
・Why did you ...?(なぜ~したの?)
などなど。あとはざっくり、Tell me about~. (~ついてあなたが知っていることを教えて!)と聞くこともできます。
ではなぜOpen-Ended Questionがカナダの保育現場で重視されているのでしょうか?それにはいくつか利点があるからです。
1.言語発達を促す!
Open-Ended Questionでは、子どもから様々なアイディアが生まれ、子ども同士で意見交換をする絶好の機会です。そこで新しい言葉を学んだり、自分の意見を発表する、友達の意見を聞く、という社会性を学ぶ機会でもあります。
2.柔軟な考え方ができるようになる!
子どもの考え方って、本当に自由で、枠にとらわれていないんですよね。一つの問題定義に対して、あれこれと想像を巡らして、多角的な視点から物事を捉えられるようになります。
3.創造性が育まれ、新たな気づきがある!
多角的な視点から物事を捉える結果、様々な解決方法や可能性を導き出すことが出来ます。その考える過程や友達と意見交換をすることで、新たな気づきがあったり、知識を超えた斬新なアイディアを生み出すこともあります。
Open-ended questionのコツは、たった一つだけで、保育者側から子どもに知識や答えを与える前に問いかけることです。
保育者が、子どもが考えるよりも先に何かヒントを与えてしまったり、保育者自身の知識を話してしまうと、子どもがその情報にとらわれてしまうことがあり、自由な考え方が出来なくなってしまうんです。
なので基本的には、保育活動を始める最初の段階で質問を投げかけます。
あとは、その質問の答えがYes/Noで完結しないこと、答えが一つにならないことに留意するだけです。
このOpen-Ended Questionは保育現場だけでなく、家庭でも応用することが出来ます。
例えば‥
・「今日保育園、楽しかった?」→「今日保育園で何したの?楽しかったことは何?」
・「積み木でおうち作ったの?」→「どうやっておうち作ったの?」
・(一緒に絵本を読んでいて)「このくまさん、悲しそうだね?」→「このくまさんは何で泣いてるんだろう?どんな気持ちだと思う?」
などなど。
少しだけ子どもへの問いかけ方を変えるだけで、子どもは「何でだろう?どうしてだろう?どうしたらいいんだろう?」と自主的に考えるようになります。
子どもとのコミュニケーションの取り方として、参考にしていただけたら幸いです!
さて今日はOpen-Ended Questionについてお話しました。
次回もお楽しみに!