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二宮洋二郎
2020年8月2日 21:00
4「自分で蒔いた種は、咲かすも枯らすも自由だが、責任を持って面倒を見ないといけない」 なにそれ、ニーチェ? と櫻井美姫が言う。「おれ」 教室の床に寝そべった歌川萌音を一瞥して、天海陸はため息をついた。数分前の自分に、首を絞められているかのようだ。「美姫、先に帰ってていいよ。あとはおれがなんとかする」「そんなに、コイツとふたりきりになりたいの」「そんなことは言ってない」「別にいい