逆転現象

生きたいのか、消えたいのか。


これまでは、プライベートだけが充実していれば良かった。

たとえ、それがほんの一瞬であれ、その一瞬の幸せだけに全力を注いでいた。
激しく病んでも、一生ねがいが叶わなくても、その一瞬の幸せだけでわたしは生きていけた。

例えるとするならば、霞を食べる感覚

けれど、ある時からその感覚が薄れてきた。

元々、立場とか物理的・心的距離関係なしに好きな人からは人として見られていないわたしだ。

だから、全力を注いで一瞬の幸せを、奇跡を掴んだって何の意味もないということには気付いていた。

まだ、遠かったから一瞬の幸せに全力を注げたのかもしれない。


けれど、このご時世になり、その気持ちも思いきり削がれた。
近かろうが、遠かろうが同じことだった。

「お前なんか、女でも人間でもない。」
「勘違いすんなよ、気持ち悪い。」


何度も何度も突き付けられてこころが修復不能レベルまでになってしまった。
そこで改めて、わたしは自分に価値がない屍だということを認めざるを得なくなった。


独りになると、そのことが常に思い出される。
絶望に突き落とされて、今すぐにでも存在を消したくなる。
(念慮くんと必死に闘っているけれど。)


これまでは、プライベートが一番幸せだったのに…今となっては仕事をしている時だけが幸せなのかもしれない。

今までは仕事が苦痛で仕方なかった。
なのに、今は仕事をしている時、職場にいる時が幸せなのは逆転現象だ。

なんて人間は皮肉なんだろう。
なんで片方しかうまくいかないんだろう。
生きたいけれど、イキルと決めたけれど。
やっぱり辛くて、存在を消したくなる。

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