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中央線は朝の色

深夜2時半まで売れ残っていたおでんの大根は痩せなきゃ、と思いながら頬張るチョコバナナクレープと同じくらい美味しい。朝焼けと中央線のオレンジのグラデーションがあまりにも綺麗で、ああ中央線のその色は夕焼けじゃなくて朝の色だったんだ、と思った。夜明けを知らせる鳥の声に希望を見たことなんて一度もない。朝焼けと夕焼けはちゃんとピントを合わせないと今自分がどっちに生きているのか見失いそうになる。だから飛び込んじゃうんだよきっと。渋谷に行くには明大前を通らなくてはいけない。東京にはきみと歩いた街が少なくてよかった。
ああやっぱり全部伏線だったんだ、と気付くあの瞬間が生きてる中でいちばん気持ち良くて、きっと私たちはその一瞬に帳尻を合わせるために日々を重ねてるんだろうなと思うよ。今日も明日とBPMを合わせて。“その瞬間”に合わせて一気にフィルターをかけて、外して。やっぱり音楽と生きることは似ている。全部その瞬間のための伏線だから。ああもう私たちは“ソレ”のために生きてるのか“ソレ”に生かされてるのか分かんないな。

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