動物と暮らす。 vol.2
こんにちは!perromart.jp 獣医師スタッフの原 駿太朗です。
急に日中も肌寒くなり、秋が駆け足でやってきたような今日この頃。
さて、私自身2回目となるこのnote。
前回は張り切りすぎてしまったせいか、第1回のコラム公開後、
「内容がかたすぎるだろ。」
とあちこちから言われてしまいました。😅
なので、今回は病院で働いている時にあった“少しほっこり症例”をご紹介します▼
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私が担当している患者さんにコーギーと柴犬ミックスの「あいちゃん」という子がいました。
あいちゃんは元々、息子さん家族と暮らしていましたが、息子さんが転勤することになってしまったのを機に、おばあちゃんとふたり暮らしをすることになったそうです。
そのあいちゃんなのですが…とにかくデカイんです(笑)
骨格は一般的なコーギーくらいなのですが、育ちに育って私が最初に出会った時の体重が、なんと35kg以上!!!
自分でもうまく歩けず、病院にくる時はいつもタクシーでした。
↑(平均的な体格のコーギーがこちら。この子がおそらく8-10kgくらい。)
出会ったきっかけは、太りすぎていたせいで“股ズレ”をおこしていたこと。
股ズレは清潔に保てるようにしていくことで解決できたのですが、それ以外にも呼吸がしょっちゅう過呼吸のようになってしまうことも心配でした。
そしてこれらはすべて間違いなく、「太りすぎてしまってること」が原因でした。
そこからおばあちゃんと私の「あいちゃんダイエット作戦」がスタート!
食事も減量用のものを厳選。カロリーも厳密に計算。
おばあちゃんも朝と夕方と2回できるだけ歩かせる様に頑張ってくれてまさに対策は万全!
しかしなぜか、一向に減らない体重。
困り果てた私は、ある日生活環境を改めて見直すために、お昼休みに看護師さんとおばあちゃんのお家へ行ってみました。
すると、なかなか効果が出ない理由がすぐに分かったのです!
あいちゃんは日中、玄関先のガレージの中で過ごしていました。
お家のすぐ目の前には小学校があったのですが、下校する小学生たちがなんと余った給食をあいちゃんにあげていたのです!
その愛らしいワガママボディを武器にあいちゃんは、その小学校に通っている生徒たちにとってアイドルになっていました。
そして傍には、その様子を嬉しそうに見ながら小学生たちと話しているおばあちゃんの姿が…。
「本当は止めないといけないのは分かっていたの…。だけど、小学生たちが楽しそうに遊びにきてくれるのが本当に嬉しくてつい、許してしまったの…。」
とおばあちゃんは申し訳なさそうな顔をしながらおっしゃっていました。
おばあちゃんの気持ちは痛いほど、本当によく分かりました。
あいちゃんがもたらしてくれたこの小学生との繋がりは、息子さん家族が引っ越してしまったおばあちゃんにとって、とっても大切なつながりだったのです。
しかし、ダイエットはあいちゃんが健康でいてもらうためには必須。
おばあちゃんとも相談し、ダイエットはこの後、何度かに分けて病院で1-2週間ずつの減量合宿を行うことにしました。
そして数ヶ月に及ぶ努力の結果、無事にあいちゃんは痩せることに成功!
ダイエットに成功したことで2人の生活にとっても嬉しい変化が。
痩せて動ける様になったあいちゃんとおばあちゃんは、小学生たちと一緒に散歩が楽しめるようになったのです!
今では、たまに病院まで小学生と歩きながら遊びにも来てくれるようにもなりました。
動物たちと暮らすことは動物との繋がりはもちろんですが、孤独になりがちな現代において時に、人と人が繋がるきっかけまでくれるのだなぁ。と一緒に歩いてくる姿をみて胸がとってもなった出来事でした。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!
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