干し桃

乾燥させると、甘みが凝縮するのです。 つまり、干されることはダメじゃないってことです。

干し桃

乾燥させると、甘みが凝縮するのです。 つまり、干されることはダメじゃないってことです。

記事一覧

月、満ちる、懸ける④

 それから俺とミチルの世界は真っ二つに分かれたのだ。  ミチルの歌声を聴きたくない俺は、ミチルの隣で歌うことをやめただけでなく、歌うこと自体をやめてしまった。俺…

干し桃
5日前
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月、満ちる、懸ける③

「あれ。カケル、声低くなった?」 「…え」  いつもの朝食風景。  先にテーブルについてバターロールをフルーツヨーグルトにつけて食べてるミチルに、いつも通り「はよ…

干し桃
6日前
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書きたいことは頭にあるのに、字に起こす時間がない!
もうちょっと手、増えないかな、千手観音みたいに(笑)あと、聖德太子の耳ならぬ頭がほしい!それぞれ同時進行で考えられる頭!
…生き急いじゃってますかね?(笑)

干し桃
11日前
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月、満ちる、懸ける②

 ――――今日は新月だったっけか。  見上げる空に月の姿を探すも見当たらない。小さい頃、走る俺を追いかけてくれていたってのに、久しぶりに見上げた時に限って月は俺…

干し桃
13日前
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月、満ちる、懸ける①

 躍動する。血潮がとめどなく、逆流しないようにとばかりに足を、必死に前へと、地面を蹴る、蹴る。前へ進むしかない。どれだけ自分自身を削ろうとも、迷いあぐねてうずく…

干し桃
13日前
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干し桃よりとりとめのないコトノハ

基本は某サイトにて物語を書いています。 常に押し付けがましい私が、自分の想いを1番押し付けがましくなく伝える方法が物語だからです。 私の物語の解釈に1つの答えは…

干し桃
13日前
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月、満ちる、懸ける④

月、満ちる、懸ける④

 それから俺とミチルの世界は真っ二つに分かれたのだ。
 ミチルの歌声を聴きたくない俺は、ミチルの隣で歌うことをやめただけでなく、歌うこと自体をやめてしまった。俺の出せなくなった音を、微笑みながら世界に浮かばせ、舞わせるミチルなんて見たくなかった。
 せめて地声じゃなくても、裏声で出せたなら。そして俺が、1オクターブ下がった声を許せていたのなら。
 しかしそんなことを考えることすら無理だった。なぜな

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月、満ちる、懸ける③

月、満ちる、懸ける③

「あれ。カケル、声低くなった?」
「…え」

 いつもの朝食風景。
 先にテーブルについてバターロールをフルーツヨーグルトにつけて食べてるミチルに、いつも通り「はよ」と首を鳴らしながら声をかけた時だった。
 ミチルの指摘に思わず自身の喉仏をしめつけるようにきゅっと触れてみる。気にならなかったと言ったら嘘だった。常に風邪をひいているみたいな違和感はあった。だけどどこか自分の声は低くならないという自負

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書きたいことは頭にあるのに、字に起こす時間がない!
もうちょっと手、増えないかな、千手観音みたいに(笑)あと、聖德太子の耳ならぬ頭がほしい!それぞれ同時進行で考えられる頭!
…生き急いじゃってますかね?(笑)

月、満ちる、懸ける②

月、満ちる、懸ける②

 ――――今日は新月だったっけか。

 見上げる空に月の姿を探すも見当たらない。小さい頃、走る俺を追いかけてくれていたってのに、久しぶりに見上げた時に限って月は俺を見ていない。
「まぁそんなもんだ、世界ってヤツは」
 悲劇的になりたくて思わず呟いた大袈裟な言葉は、自分の背筋すら震わせた。

 俺とミチルは双子だった。男女の二卵性双生児。だけれど性格以外は限りなく似ていた。顔も体格も、声も。色素の薄

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月、満ちる、懸ける①

月、満ちる、懸ける①

 躍動する。血潮がとめどなく、逆流しないようにとばかりに足を、必死に前へと、地面を蹴る、蹴る。前へ進むしかない。どれだけ自分自身を削ろうとも、迷いあぐねてうずくまるよりはいいと言い聞かせ、今日も走る。
 常に振り返らず、未来へ向けて駆けてるつもりなのに、しかしなぜ逃げているように思えてならないのか。
 砂埃まみれのサブバッグのショルダーを握る手に力が入る。
 早く風呂に入って汗と後悔を洗い流したい

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干し桃よりとりとめのないコトノハ

干し桃よりとりとめのないコトノハ

基本は某サイトにて物語を書いています。

常に押し付けがましい私が、自分の想いを1番押し付けがましくなく伝える方法が物語だからです。

私の物語の解釈に1つの答えはありません。読んだ人の心に頭に浮かんだもの、それが最適解。
自由に読んでほしい。変な先入観なしに感じてほしい。ただそれだけです。

毎日数行ずつでも書けたらいいなと思ってます。
続きものですが、断片的に読んでも何かしら感じられる物語にす

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