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みんなでつくる新しい庭 わくわくガーデン、始動

4月1日から5月31日までの2カ月間、鹿野地域の各所で開かれる「里山オープンガーデン」。
このイベントについては、昨年の庭の様子を中心に、この記事で紹介させていただきました。

山口県周南市鹿野地域を応援するフリーペーパー「えーる!」78号では、この里山オープンガーデンとの縁で、夢をかなえようと動き始めた田中さんの「わくわく」する計画についてご紹介しました。

子どもや孫の遊び場に

今はまだ、ただの更地。

かつて、この場所には家が建っていたそうです。
家がある頃、田中さんは、その家を利用して合宿所を運営してみたいという夢を持っていましたが、夢かなう前に家は解体されてしまったのだとか。

残った更地をどうしようかと考えた時、子どもや孫がやって来て、自分が造った庭の中で、さまざまな体験をしてほしい、さまざまな遊びに使ってほしい……そんなことを思ったそうです。

しかし、庭造りは初挑戦の田中さん。
どうしていいのかいい案がないまま、時間が過ぎていきました。

そこに、里山オープンガーデンを主催する「鹿野の風」プロジェクトの福田さんが声をかけたことから、田中さんの夢が動き始めました。

「わくわくガーデン」と銘打たれた計画の、始まりです。

3月21日、計画始動

3月21日、第1回目の作業日。有志の方が集いました。

3月21日、わくわくガーデン計画の第1回の集まりでは周囲の整備とあわせ、解体を免れ敷地内に残った建物である蔵の整理が行われていました。

この蔵はリフォームし、作業をする間は休憩所として、庭が完成してからは雨の日の遊び場にするなど、さまざまな利用法を考えられています。

蔵の中も整理が必要な状況でした。
中身を外に出して、整理して……まだまだ道は長いとはいえ、こうした活動を積み重ねていくことで理想の姿に近づいていくんですね。

解体を免れた蔵。この蔵にも、新しい利用法が……。
蔵の中の物を出し、床板をはがして、リフォーム開始。

この敷地の向かって右手側には小川が流れていて、そのそばにはウッドデッキも建設中でした。
この小川で、子どもたちが魚釣りできたらよさそう……というのも、田中さんが描く夢の1つなんですよ。

もちろん釣りだけではなくて、せせらぎの音を聞きながら一休みしたり、涼しい風を楽しんだり……そんな使い方もできそうな気がします。

小川沿いにはウッドデッキも。

その他、ガーデン内には、レイズドベッドという立ち上げ式の花壇も設置を検討されているとか。この花壇は地面からかなりせり上がった花壇で、手入れをする際にも腰を曲げすぎないで済むため、メンテナンスの負担も少ないそうです。

見る側も、花がより目に近い位置で楽しめるため、どちらにとっても良い方式だと言えるでしょう。

楽しみながら、庭を造る

「3年ぐらいかけて、みんなが集まって楽しく庭を造っていきたいですね」……そう語る田中さん。
決して庭の完成を急ぐわけではなく、庭を造り出す過程も、みんなで楽しみながらという考えは、とても共感できるなと思いました。

これが仕事であれば、ゆっくり造る、なんてことは度外視される考え方になってしまうだろうと思います。
しかし、これは夢を実現させるための計画ですから、決して急ぎすぎて良いというものではありません。

もちろん最終目標は、庭を完成させ、その庭を使ってたくさんの幸せをつくり出すこと。庭の完成の先があることを思えば、早くできるに越したことはないでしょう。

とはいえ、急ぎ過ぎたことで周囲の人たちとの関係に亀裂が走ったり、大切なことを見通してしまったり……そんなことになれば、できあがった庭も楽しい思いだけではなくなってしまうのではないかと思います。

田中さんのご家族が描かれたという、庭のイメージです。

花壇があり、蔵があり、デッキや、ピザ焼き窯があってもいいね……そんなふうにできあがる庭のことを語り合いながら、この場所は少しずつ新しい姿に変わっていっています。

こうして、焦らず、ゆっくり、心を込めて造られた庭は、きっとたくさんの思いが実を結び、子どもたちの歓声が響く素敵な庭になってくれるだろう、取材を終えて、そう感じました。

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