初夏の清流通りは散歩道(前編)
7月に入り、山口県周南市鹿野地域にも夏の気配を感じることができるようになってきました。
夏になると、空の青さや緑の濃さが、春とはどこか違ってくるような気がします。淡い印象を感じた春の自然とは違う感覚を覚える、夏の自然があふれる鹿野地域の中を歩いてみることにしました。
平成の名水百選「清流通り」
平成6年、旧鹿野町時代に整備された清流通り。
市役所鹿野総合支所付近から、この通りに水を運ぶ用水路である潮音洞の出水口がある漢陽寺までの約600メートルの通りで、両側を石畳で整備され、途中には用水路から流れる水と、その水で回る水車小屋があるなど、暑さの厳しい夏の中、水音や植えられた木々の木陰などで涼を取ることができる場所です。
この潮音洞と清流通りは、平成20年には「平成の名水百選」にも選ばれています。これは、地域に溶け込んでいる水環境の中で、特に地域住民による水環境の保全を行われているものについて選定されるもの。
山口県内でも、萩市と鹿野地域の2カ所しか認定されていないうちの1つとなるんですよ。
清流通りのスタート地点、周南市役所鹿野総合支所のそばには、私財をなげうって潮音洞を掘り抜いた岩崎想左衛門重友の像があります。
鹿野地域は台地にまちができているため、常に水不足に苦しめられていました。そのような現状を見て、岩崎想左衛門は手作業で約4年の歳月をかけ、鹿野に用水路を掘り抜いたのです。
そのような功績を持つ岩崎想左衛門像の合わせた両手からは水の雫がしたたるようになっていて、まるで本当にすくい上げた水がこぼれ落ちているかのようですね。
戦国武将である陶晴賢の重臣・江良弾正の土塁跡に植えられている樹齢360年を越える弾正糸桜があります。
撮影のため、しだれの中に入って上を見上げてみました。
春には今も美しい花が咲き、夜にはライトアップもされるこの桜も、今はすっかり葉桜になっています。
今回は清流通りの前半ということで、スタート地点付近の名所をご案内しました。
次回は清流通りを進み、通りに並ぶ神社仏閣を紹介したいと思います。
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