マガジンのカバー画像

耽読

4
何度も立ち返るに値する場所
運営しているクリエイター

記事一覧

肖像を撮る

肖像を撮る



去年の秋、肖像を撮らせていただいた方がこんな言葉をくださった。お届けした写真をご覧になった感想だった。

この言葉のおかげで、誰かの肖像を撮るとき、僕が何を願っているのか、教えてもらえた気がした。生きることが漂い続けることなら、船を港に導くように、そのひとの時間に錨をおろすこと。いま、このときのあなたを停泊させ、記憶すること。

写真は、記憶の港だ。

じぶんが写っている写真をふと目にしたと

もっとみる
愛憎芸 #35 『中央線じゃない/慣れ親しんだ地獄』

愛憎芸 #35 『中央線じゃない/慣れ親しんだ地獄』

 布団の中に潜りながら想像したことをそのままなぞれる人生、それはフィクションを好むひとがつい夢見てしまうものだと思うが、よくよく考えるとそれはただの予定調和でしかなくて、ひとつも面白味がない。わたしがあの時、いや、日々描き続けていたもの。阿佐ヶ谷に住む。23時まで残業をして、それでも小杉湯は深夜まで営業しているから寄ることができて、ミルク風呂でほくほくになって、チルアウト片手に高架下を阿佐ヶ谷まで

もっとみる
2023年上半期反省会

2023年上半期反省会

6月30日?明日から7月?今年が半分終わる?
嘘だ、信じられない。私は信じないぞ!
———そうか、たとえ君が信じなくても私は前に進むのみ。ひとりで停滞してウジウジ文句垂れでもしておくがいい。それではさらば。

季節の声が聞こえる。仕方ないから私も2023年の下半期とやらに踏み出さなければならない。そうは言っても、日々は淡々と巡ってしまうけれど楽しみも沢山あるぞ。行きたいところもいっぱいあるぞ。素直

もっとみる
出会い / 吉祥寺

出会い / 吉祥寺

2023.11.23 (木) 勤労感謝の日

前のアカウントでnoteを書いていたときから、ずっと憧れ続けている方がいる。私が紹介するまでもないが、🚢さんだ。あたたかみのある素敵な写真と、どちらかというと理性的な印象だけど決して単調ではない文体で、唯一無二の魅力的な記事を書かれる方だ。そんな方と、私の高校生活を間違いなく一番共有している貴重な友人である渡嘉敷さん(以下、伶)との3人で、吉祥寺を

もっとみる