ミスコンが好きではなかった

今まで、ミスコンの類が好きではなかった。
正直に話すと、ミスコンに出場する人の魂胆が分からない。「周りに推薦されて出ました」とか「周りの人に恩返しするために出ました」と述べる者がいるが、そんな訳はない。自分の容姿に自信があるから出場するのだ。ミスコンの出場者を見ると、「承認欲求が強い人」というバイアスがかかってしまう。

容姿をアピールするならば良いのだが、見せるならば見せ切ってほしいと思う。
例えば、元TBSアナウンサーの宇垣美里氏のように、自分の容姿を自分が達成したい目標のために使ってほしいと思う。ミスコンなら、「アナウンサーやタレントになりたいから出場します」とハッキリ言ってくれれば良い。濁されるとモヤモヤする。


運営側も、出場者をどう扱いたいのかが見えてこない。とにかくお祭り騒ぎがしたいのか?彼らは、学生時代に力を入れたことが「人の容姿についてチヤホヤすること」で良いのか?
もっと分からないのは、ミスコン出場者を過剰に応援する人々、所謂「ミスコンおじさん
」などだ。毎年、どこから湧いてくるのか?何故、単なる大学生に対してクソリプを送れるのか?恥も外聞もないのか?
ミスコン出場者はアイドルではない。現状では、ただ彼ら彼女らの容姿が消費されるのみのイベントになっているように私には感じてしまう。


だから、私はミスコンの類が好きではなかった。

学祭の季節になると、学内では「ミスターの〇番かっこいいよね~」とか「ミスコンの〇番可愛くない?」といった話で持ちきりになるが、私はどうもその話題に乗れなかった。適当に「俺は〇番推しだな」と話を合わせ、その場を切り抜けてきた。


しかし、最近あるミスコンを知った。
それは、「ミスiD」である。

ルックス重視のミスコンとは異なり、ルックスやジャンルに捉われず、新しい時代をサバイブしていく多様な女の子のロールモデルを発掘するオーディションであり、生きづらい女の子たちの新しい居場所になることを目標とするプロジェクトです。(ミスiD 公式サイト)

ファイナリストは皆、夢を持っている。目標を持っている。強い意思を持っている。
少しばかり「個性的」な人が揃うが、等身大の素敵な女性方だ。

例えば、2018年のミスiD受賞者には、AV女優の戸田真琴氏が選ばれている。
「映画を撮りたい」と締められている、彼女の書く文章はとても美しく、力があった。

私は、どうせならば、そういった人々を応援したい。

「ミス〇〇」「ミスター〇〇」と名が付くものを視界に入れないようにしていたが、「ミスiD」は応援していこうと思う。
何事も食わず嫌いは良くないものかもしれない。

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