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プラネタリウム

重ための布団と抱き枕がないと寝られない。ぬいぐるみがいなくっても寝られるようになったのに。暗闇への恐怖みたいな単純な理由じゃなくって、もっと複雑な感情のせいで寝られない。夜ふかしってすごく苦手だ。色々なことを考える隙を作ってしまう。

小さい頃、プラネタリウムに行ったのをなんとなく思い出した。ロビーに人が全くいなかった気がする。涙そうそうがかかっていた気がする。おばあちゃんがカラオケで歌ってた曲だなと思ったのを覚えている。あまり夜に外へ出ないから、この前久しぶりに夜空を見た時、すごく綺麗で、ずっと見てなかったことを後悔した。最後に望遠鏡を持ち出して月を観察したのはいつだっけ。流星群のニュースを見ても気にしなくなっちゃったのがかなしくって、今すごくプラネタリウムに行きたい。何かが取り戻せるかもとか思っちゃってて。

わたしってコミュニケーションが下手くそだし、面白い話もできないし、そんなにかわいくもなければ、芸術的センスもないし、頭も良くないし……。って言い訳並べて、色々やろうとしてたことやっても無駄なんじゃない?みたいに思って腑に落ちようとしたけどそれも無理で、なんかつくづく強欲な人間だな〜ってかなしいです。ずっとこのまま“それっぽい”で生きていくのは嫌すぎるけど、がんばれなくてダメ。でも昨日観た太宰についてのドキュメンタリーのことを今改めて考えたらちょっと元気が出たかも。すっごく意地悪な見方をすると、若い時の太宰って芥川龍之介に憧れてたイタい人だってことがわかって、あんな天才でも最初は真似っこしてたんだなとか考えたらなんか安心して、わたしにしかできないことなんてないからそういうの気にしないでがんばる!と無理矢理なこじつけでちょっと元気がでた。ありがとう太宰。でもだからといって若さをアイデンティティーにしてはいけない。ほんとに。

セーラー服の胸ポケットから呪いの手紙が出てきて、当時読んでた少女漫画をなんとなく読み返したりしたけどやっぱり今のわたしは当時とはちょっと違う。数学の関数の公式は忘れたのに嫌いだった子のフルネームはしっかり覚えてる。いつまでもあの時のわたしはあの教室にいるんだなと強く実感した。過去現在未来が同時に存在しているっていう説を唱えてる人の気持ちがちょっとわかる気がする。呪いが成立している。

もう大学生になるから、いろんな縛りも解けるし、もっといろんなところに出かけて、いろんなものを見ていきたいと思う。「今年こそ!」を今年こそ実現したい。学び続けることは絶対やめない!絶対。

でも今日だけはやっぱりぬいぐるみがいないと眠れないかも。

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