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対話を経験して
はじめに
今回はこれまで活動を行ってきて、考えたこと・私たち自身の変化についてお伝えしようと思います。
私たちが実験的に行ってきた、真剣に他者と向き合うことについて振り返ってみます。
少々お付き合いいただけたら嬉しいです。
哲学対話という手法を用いて、毎週行ってきた対話。
いつの間にか、両手の指を合わせても足りないほど行ってきました。
哲学や倫理等に全く触れてこなかった人間がこの対話を経験して考えたことを、お伝えしようと思います。
実感①『会話』ではないということ
まずひとつ目に実感したのは、『会話』ではないということ。
私達はいくつかのルールを設けて対話をしました。
考えを受け止めること、ゆっくり話すこと、意見が変わることを楽しむこと…
会話にはルールがありませんよね。
思ったことや感じたことや起こったことを、
キャッチボールしていく。
でもたまに、ボールがどこかへ飛んでいったり、
相手に当たってしまったり。
それが会話だと、私は考えています。
だけど『対話』は違う。
相手に必ずボールが届くように、
相手のボールをしっかりキャッチできるように。
ボールが遠くへ飛んでいこうとも、
キャッチできるように追いかける。
互いが互いのグローブをめがけて真っ直ぐ投げる。
会話にはない空気感の理由は、
このキャッチボールの仕方が違うからだと感じました。
実感②誰かは自分の感覚を理解してくれるということ
そしてふたつ目に実感したのは、
誰かは自分の感覚を理解してくれるということ。
自分の感覚が他人に理解されないとき、
孤独感というか、世界に取り残されたような気持ちになります。
でも対話では、みんな理解しようと、受け止めようとしてくれる。
最初から「知らない」「分からない」と突き放すのではなく、
こういうこと?これと近い?
そんな風に、自分の経験や考えを組み合わせながら、
誰かのその感覚を理解しようとしてくれる。
だから私もみんなの考えを理解したくなる。
誰かに理解してもらえるということは、
当たり前のようで当たり前ではなくて、
実は本当に幸せなことなのだと感じました。
話しているテーマは本当に日常的なことで、
ソクラテスやカントの話を全員で考えている訳でもないし、
倫理の授業をしているわけでもない。
でも私は対話の時間がちょっと待ち遠しくなりました。
いろんな考えを聞いてみたい。
私の考えを伝えたい。
対話に出会えて良かった。
小学生みたいな感想ですが、本当にその言葉につきると思います。
「対話」をしようと思ったきっかけ
この"対話空間創造社"という任意団体が結成されたきっかけをお話ししたいと思います。
私はデザイン、主に鋳金を学ぶ大学生で、昨年11月に、同級生3人のグループ展を行いました。金工を学んでいる3人で行った、初めての自分たちで主催した展示でした。
在廊している時、作品を制作した意図ももちろん話しましたが、それ以上に、金属って面白い素材であると伝える気持ちが先行していました。
そして、この展示を見に来てくれた友達と、
展示が終わった後に話をする機会がありました。
デザインの学生の話は面白い。技法に関してはとても興味深い。
けれど、その技法やテクニック以外の視点を合わせたら、もっと面白い作品・発想が出てくるんじゃないかな?
そんな話をしました。
そこから、後に対話空間創造社の代表となる友達(彼女はデザインではなくアートマネジメントを学ぶ学生)は、デザインの学生に自分は何を提供できるか、と考えたようでした。
実際に作品制作をする場から離れて「対話」、その時はまだ誰かと真剣に意見や考えを交換することで、作品制作者の世界を広げることで彼らの作品がどう変化するのだろうか?
創作に対する態度は変化するのだろうか?
対話をしながら、自分の思考の癖や価値観を見つけていく。
それを作品に落とし込んでもらう。
そんな創作過程を経て生まれた作品でイベントを開こう。
そして、このプロジェクトを進めていくにあたって、任意団体を作ることになりました。
名前をどうしようか…と悩みます。
『対話空間創造社』
団体代表が、深夜に思いついた名前です。
なんとも言えないこの雰囲気。
私が考えてきた名前の候補が一瞬でかすむほどのインパクト。
これしかないね。
メンバー全員が納得し、こうして対話空間創造社は生まれました。
理想と現実
いくら対話をしているからといって、真剣に誰かと向き合おうとしているからといって、現実はそう簡単ではありませんでした。
参加者の学生ともっと話をしたくても、それぞれの都合によりなかなか集まらない。
誰かの意見に日常的に耳を傾けたくても、相手が拒絶する。
何がしたいのか、なかなか伝わらない。
事務的な意思疎通も測れず、それぞれの気持ちや考えがなかなかオープンにならない。
しっかりと一人一人を理解してプロジェクトを進めていきたいという理想と、
実際に限られた時間の中でプロジェクトを進めなければいけない、さらに、「対話」への参加を強制しては否かという現実にギャップがあることは理解していても、
やはりその壁は高い。
どうして、なんで。
言ってくれなきゃわからないよ。
そんな気持ちで溢れてしまう時期もありました。
そして、誰かを確実に傷つけてしまっていたこともありました。
それでも、前を向かなければ。
時間の進みは一定で、決して待ってはくれません。
こちらの気持ちと相手の気持ちがずれてしまっているのならば、
今からでも修正しよう。すり合わせよう。
相手の持っている気持ちは待っても出てこないのだから、
こちらから探しに行こう。
こうしておけば良かった。ああしておけば良かった。
そんな後悔まみれではありますが、
それでも着実に一歩ずつ。
こんなに失敗まみれになっても、ひとつのプロジェクトを成功させるために一緒についてきてくれた人たちがいます。
そして、このプロジェクト、対話空間創造社の活動に共感してくれた方々。
対話や打ち合わせを通して受け取り、
そして手渡してきた言葉たち。
その言葉たちが無事に、
このイベントを通して、一旦の一つの形に結びつきますように。
終わりに
今回はかなり、私の考えを出した記事になりました。
いかがだったでしょうか?
今回は対話空間創造社の初プロジェクトについての記事でした。
対話空間創造社自体については以下の記事をご覧ください。
対話空間創造社の代表は、
また違うことを考えながら、この団体と企画に向き合っていると思います。
片方はこんな感じで考えているんだな。
そんな風に気楽に読んでいただけたら嬉しいです。
さて、記事に何回も登場してきた『イベント』という言葉。
少し紹介させてくださいね。
静岡県浜松市の鴨江アートセンターにて、
"対話から空間を創作するプロジェクト「とける」"を開催致します。
開催期間は5月17日(火)~5月22日(日)となっております。
イベント詳細
イベント名:対話か空間を創作するプロジェクト「とける」
場所:浜松市鴨江アートセンター 101 / 102 / 103
日程:2022年 5月17日(火)~ 5月22日(日)
時間|
展覧会:11:00 ~ 17:00
パフォーマンス:19:00開演 (開場は開演30分前)
料金|
展覧会:無料
パフォーマンス:
一般:¥1,000 / 学生(高卒以上):¥500 / 高校生以下:無料
※パフォーマンスのみ有料・要予約
※全券種当日精算
※学生 / 高校生以下でお申し込みの方は当日受付で学生証を拝見いたします。
もしお近くに来ることがございましたら、
ぜひ、のぞきにいらしてください。
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それでは、次回もまた読んでいただけることを祈って、
今日はここで筆を置かせていただきます。
読んでくださり、ありがとうございました!
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