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装丁の想定『バスカヴィル家の犬』

「装丁の想定」
実在する本の表紙に使われるイラストをイメージして、個人的に制作した絵のシリーズ。2010年くらいから細々と描き続けています。


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こちらは2017年の作品。
日本図書設計家協会さん主催「第5回 東京装画賞にて東洋インキ賞をいただきました。
実在する本の装画を描き、ブックカバーとしてデザインした状態で応募するコンペです。イラストだけでなくカバーデザインまでやるコンペはちょっと珍しいですね。


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『バスカヴィル家の犬』 著:アーサー・コナン・ドイル

名家バスカヴィル家の当主が怪死を遂げた。
死体の近くには巨大な犬の足跡があり、土地の者は「全身から光を放つ巨大な生き物」を目撃していた。忌まわしい“バスカヴィル家の犬”伝説…。
寂莫とした荒れ地を舞台に展開する、恐怖と怪異に満ちた事件。

言わずと知れたシャーロック・ホームズシリーズの長編作。
夜の荒野を追いかけてくる「火を吐く魔犬」のホラー感を表現しました。
この「犬(Hound)」はブラッドハウンドとマスティフを掛け合わせたようなかんじだそうなのでおそらく垂れ耳なのでしょうが…
立ち上る炎のように、狼じみた三角の耳のほうがかっこいいんじゃないかな〜…と思いパッと見の印象を優先しました。


制作過程

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Photoshopでラフ
最初は黒と黄色の2色でバキッと決めるつもりでした。


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シャーペンで線画
シャーペンで毛(人物だと髪)を描くのが好きです。


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スキャンして彩色
炎のようなエフェクトはPhotoshopのブラシで。

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全体をグレイッシュにしたほうが「夜の荒野の不気味さ」「暗闇に浮かぶ炎」の印象が強まるかな…と思えてきたので路線変更。
完成。

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ちなみにイラスト制作中は「シャーロック・ホームズ」シリーズ全60作品(長編4、短編56)をWeb上で無料公開しているサイト
「コンプリート・シャーロック・ホームズ」を活用させていただきました。
挿絵・コラムも豊富でとっても楽しいです!ありがとうございました!



第6回東京装画賞
(募集期間2019/10/21〜10/28)

以前はプリントした作品を郵送していましたが今年からデータ送信、応募料も銀行振込になりました。
応募する側からしたらかなりやりやすくなりますよね。
また毎回、入賞・入選作の表彰式と展示があるのでそれも楽しみです。
表彰式では審査員である現役デザイナーさん・イラストレーターさん・出版編集者の方々と直接お話しできる機会でもあるので、書籍装画のお仕事を狙っているイラストレーター志望は行ってみたらいいんじゃないでしょうか〜



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