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扉イラスト『この本を盗む者は』-メイキング

連載小説
『この本を盗む者は』
著:深緑野分 氏
刊:KADOKAWA / 角川書店
  『文芸カドカワ 2018年8月号』収録
   http://amzn.asia/5zANuBH
発売日:2018/07/10
デザイン:鈴木成一デザイン室

連載小説の扉イラストを担当させていただきました。
最終回まで継続して使用される予定ですので
連載中はこのイラストを目印に!

第1話 「魔術的現実主義の旗に追われる」前編 
webで冒頭を試し読みできます!

その館から本が盗まれたとき、町は姿を変えていく

魔術的現実主義(マジックリアリズム)とは
「日常にあるものが日常にないものと融合した作品に対して使われる芸術表現技法」とのこと。
試しに画像検索してみると「あっ…好き…!」となりました。
ドイツ語でマギッシャーレアリスムス(magischer Realismus)というらしい。かっこいい。

ご依頼の際は↓の作品を例に挙げられ
「現実と非現実が入り混じる不思議な雰囲気」かつ
「仄暗さや妖しさを増す方向で」とのオーダーでした。

こちらは「赤ずきんちゃん」をテーマにした連作のひとつ。
いろいろなおとぎ話のキャラクターが乗り合わせる鉄道。

 また構図に関しては
大きな書棚の前にしかめつらで仁王立ちする主人公・深冬をメインに、
本の世界から出てきた怪しげなもの、人たちが背後に見え隠れする感じ

とのこと。
そして制作した アイディアスケッチはこちら↓

結果、A案が採用されました。
「奥行きがあるほうがミステリアスで良い」とのこと。
個人的には今までやったことのないB案(本棚の奥に本棚が透かし見える)を試してみたかったのですが…
いつかオリジナルで仕上げてみよう。

おおまかな構図が決まったら細部を描き込み、完成。
たくさん描き込むのは大変ですが、自分の持ち味を活かせるお仕事をいただければやる気も出るというものです。
今回はリテイクもなく、最後まで楽しんで描かせていただきました。

いつもならシャーペンで線画→スキャンしてPhotoshopで彩色…
という流れが多いのですが
今回はフルデジタルで仕上げました。
電子雑誌ということでRGBデータでの納品だったので
ビビッドなピンクを使えたのも何気に楽しかったです。

ゲラをいただいて読み進めてみると文体もとても心地よく私好みで、
最後は「ここで終わっちゃうのかー!続きが気になる!」となりました。
7月(8月号)から毎月連載となりますので、
どうぞよろしくお願いいたします!


その他
「本」をテーマにしたお仕事はこちら↓


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