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野生のはっさくピール。

はっさくピールはほろ苦くて甘酸っぱい。
いわゆる初恋の味って奴だ。
知らんけど。


・豊作豊作

庭のはっさくがたくさんなった。
一本だけで、これといって手入れをしてるわけでも無いのだが、今年はかなり実をつけた。

例年は忙しくて何も出来なかったが、今年は時間があるので加工しよう。

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とりあえず、もいで味見をしてみた。

市販の物と比べると味が薄く、苦味や酸味が強い。
そりゃ、手入れも間引きもしてないしなぁ。。。

このまま食べるのはキツいな。
さて、どうしようか。

・味見、試作、思考

果肉は、ミキサーでジュースにすると中々いけるし、剥いて冷凍でも良いかなと思いとりあえずOK
問題は皮。
はっさく系は皮が分厚いのと、あの苦味が便利なのでどうにか保存したい。

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というわけで、お試し程度だが、はっさくピール(皮だけの物)と源氏はっさく(丸いの)を試してみた。

どちらの作り方もほぼ同じ。
茹でてさらして、を繰り返して苦味やアクを抜き
たっぷりの砂糖で炊く。
しっかり炊いたら表面にグラニュー糖をまぶして乾かす。

ピールは知ってると思うけど、源氏は知らない方が多いと思う。
昔ながらの和食の技法で、源氏の使っている牛車のタイヤに似ているから源氏と呼ばれるそう。

果肉を完全に外すことが多いのだが、そこは好みで。
柚子やスダチで作る事が多い。


どちらも作ってみたけど、源氏はかなり苦味が残ってしまうのと、大量似作るには向かないと思い却下。
大量に作れそうなピールをこさえることにしました。

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・皮剥きムキムキ

なっている内の1/3ほどを収穫。
合計17個。
1個が中々デカいので、コレでも大量。

まずは綺麗に洗う。
水で洗ってから、表面に塩をすり込むように洗う。
表面の表面が苦いので、なるたけゴシゴシする。

全部を4等分して、皮を剥く。

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想像以上に大量。

これの薄皮剥くのか、、とすでに気が重い。。。

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薄皮剥きムキムキ

まずは、断面のを剥く。
こういう大量作業系は効率やオペレーションをうまく出来るかが大切だよね。

物を置く位置とかをめっちゃ考えて、最短で出来るようにする。
あとはひたすら剥きまくる。

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薄皮が綺麗に剥けたのは、冷凍した。
何かと便利そうだ(左側)

フルーツデザートとかもそうだし、サラダなんかにいれても良いしさ。

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綺麗に剥けなかったのは、ジュースにしたり、ジャムにしたりした。

ジュースは、果肉に対して1割の牛乳と、ちょこっと蜂蜜を加えて、ミキサーで混ぜたのが美味しかった。
乳製品のまろやかさと、蜂蜜の甘味が良い具合に苦味と酸味を和らげてくれる。


・はっさくピール

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①綿を外す。

ひたすらに包丁で削いだ。
最初の数回でやる手順や導線を決め、ひたすらやる。

包丁は切れればそこまでこだわらなくていいのが持論だが、大量に同じ物を切ったり刻んだりするときは、包丁の種類や状態でかなり変わる。

この作業には、相棒の祐成包丁がピッタリだった。
サイズや、薄さ、刃の形、手への馴染み具合、などがちょうど良い。


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んで、削り終えたのがこれ。
白い綿は木の根元へ。
カビて、そのうち土に戻る。

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②あく抜きをしまくる。

こっからはひたすらあく抜き。
水でさらして、下茹でして、さらして、水に浸して一晩置いた。

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③米のとぎ汁で下茹で。

米のとぎ汁で茹でるとアクが抜けやすいと言う。
が、実際の結果は分からん。

けど、やらないより良いかなと思って。


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④水に晒す

濁りが無くなるまで水で晒す。

その後、そのまま食べても美味しいくらいまで、茹でて晒してを繰り返した。
この日で、とぎ汁含めて5回茹でた。

一度に大量に作ったので、苦味が出にくかった。
もっと少量でやるなら茹でる回数は少なくて良いかも。


んで、水に浸してもう一晩。

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⑤更に一回茹でて、水で晒す。
今度こそいいかな??

と思い、囓ってみた。
うん、苦い。けどいい感じ。

⑥水気を切って計量。

ある程度水気を切って計量。
合計1.5キログラム。

砂糖は重量の7割が定番。
今回は控えめにしたいから6割弱にしよう。

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⑦煮含めていく

一番大きな鍋でも二回に分けないと入らない量。
まずは半分。

皮:750g
砂糖:400g
レモン汁:20cc

ただし!砂糖を一気に入れると仕上がりが固くなるので、三回にわけて入れること。
100ccほど水分をいれて皮から水分を引き出す。

今回は三温糖で煮含めた。
レモンはもっと入れたほうが良かったかも
砂糖はもっと多くても良いけど、これくらいがアッサリで美味い。

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煮詰める、少し水分を足す
を繰り返し、透き通るまでじっくり火入れ。

表裏を返したり、並びを変えたりして全体に行き渡るようにする。
落とし蓋は必須。
無ければアルミ箔でもキッチンペーパーでもお皿でもいい。

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⑧一時間以上じっくり煮含めて完成。
飴よりちょっと柔らかい程度に煮詰めるとしっとり仕上がる。
しっかり煮詰めるとガチガチの仕上がりになる。

長期保存するならしっかり煮詰めがいいかな。

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こんな感じ。
最低限、全体が透き通るように。
好みでもっと(それこそ数日間かけて)煮含めてもいい。

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⑨切っていく。

今回はこんな感じにカット。
一枚から5~6本。

熱すぎるのは切れないけど、冷めてから切ってもグラニュー糖がくっつかないので注意。
ほどほどに温かい状態で切る。

皮目が固いので、皮目を上にして切るといい。


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こんな感じ。
断面が透き通っている。

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⑩グラニュー糖をまぶす。

まぶしすぎるとジャリジャリして甘ったるいが、少なすぎると水分が抜けなくてベタベタする。

ボールをあおってまぶすと綺麗につく。

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⑪乾燥する。

鉄板に網をのせ、そこに隙間が出来るように並べる。
120℃で30分でOK

好みでもっと時間をかけてもいい。
常温や外気で干す場合は陰干しを数日。
お好みで。

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・完成

オーブンが終わったら、しっかり冷まして、タッパーなどにしまう。
湿気に弱いので気をつけて。

冷ましてもベタつくようであればグラニュー糖をまぶして再度オーブンで乾燥。
ちなみに、写真の上の方の砂糖が少ないのはベタついたので、グラニュー糖まぶして120℃で20分乾燥させました。


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・チョコかけ

レモンピールにチョコをかけたのがシトロネット、はっさくピールは何て言うんだろうか?


チョコレートを溶かして、一部(全体の場合もある)にコーティング。

チョコレートを溶かして、つけるだけだが温度調節が難しい
上手く固まらなかったり、分離したり、白くなったり、、、

俺はそんなに上手ではないので、適当なのだが、気になる方は是非テンパリングと調べてみて欲しい。
どうも丁寧に計ってやるのは苦手だ。。。

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一定の温度でコーティングしたかったので、湯煎を二重にしてバーーってやった。

コーティングして、クッキングシートかラップをしいた鉄板にのせ冷やし固める。
鉄板の下に保冷剤を置いとくと早く固まって楽だった。

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・今回の美味しさ

結論から言うとかなり美味しい。

そりゃ、手間暇かけてこさえたのもある。
けどそんな感情抜きにして味が良い。

完全放置の自然体で取れたはっさくなので、苦味や酸味が心配だったが、丁寧な下茹でのおかげもあり、良い仕上がりだ。

苦味や酸味がしっかりいるし、歯応えやクセもある。
良い感じに野性味がある。

昨今、苦味や酸味、クセの強い物は敬遠されがちだが
俺は好きなので、自家製で作ると好み味を出せるのが良い。

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・サンタさんします。

どちらかと言うと都会に住んでいるのだが、この時代の都会にしては珍しく、近所付き合いがある。

例年は近所同士でのご飯やイベントも多々あり、かなりの頻度でおしゃべりをするのだが、今年はほとんど会えなかった。

けど、気付くと玄関に紙袋がかかってて、それが焼きたてのパンだったり、自家製のお味噌だったり、季節の果物だったり、手作りのマスクだったり、、、そういうので繋がりを感じれた。

人との繋がりって大事だなぁ、、と改めて実感した。
地元の夏祭りが中止になったのはかなり凹んだけど、、、、笑

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だからじゃないけど、サンタさん的にコレを配ります。
今年も一年間ありがとうって。
来年もよろしくねってさ。

では、メリークリスマス。


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