見出し画像

飲食店でのフードロス削減方法(どちらかと言うと高級料理編)

※高級料理に限らず、飲食店におけるフードロス削減方法です。
参考になれば、俺が料理続けられるんで幸せ。


高校卒業と同時に調理師になった俺は、都内の和食屋で修行をした。
そのお店は、東京で数店舗を出していて
自分が務めていたのは、某ホテル内のとある店舗だった。

単価は昼で5000~15000くらい。
夜は10000~20000くらいかな。

いわゆる高級料理屋の部類ですね。
そこではかなりの廃棄が出るんです。
当たり前のように、捨てるんです。

今まで多種多様な、店の中を見る機会や、料理人と話す機会があり、思ったのが

値段の高い店の方が
比較的に捨てることが多い傾向があるのでは?

何故こんなに廃棄が多いのか?
答えはハイクオリティだから。


クオリティを上げるには、料理の腕だけでなく、食材の質が大切になります。
適正な鮮度で、良い物の、良い部位を使う。

食材のクオリティの最低ラインがかなり高いので、廃棄も増える。
一概には言えないけど

少し鮮度が落ちたらすぐ廃棄。
少し形が歪なのは廃棄。
材料の最高級の所だけ使って、残りは廃棄。

そんな考えが普通にあります。


それと、クオリティを保つにはメニューをがっちり固定する事も大切。
コースのバランスの為には、メニューの内容を変えるのは容易ではないのです。

毎月メニューを変える場合は
月末に大量に廃棄なんて事も。。。


そんな理由で高級料理屋は廃棄がかなり多いんです。 


では、逆に廃棄の少ない飲食店はそうしているのでしょう?


・使い切るメニュー。
・まかないで消費する。
・メニューを日々変える。
・食材の変更に対応したメニュー。
・店舗を分ける。
・限定で安価営業をする。


こんなとこかな?


飲食店には多種多様な形があるので臨機応変に対応すべきだと思いますが、参考になれば。

・使い切るメニュー。

もちろんどこのお店も使いきれるよう努力をしている。
が、やはりハイクオリティを求めると、厳しい所もある。

卵白を沢山使いたい時は、卵黄を使ったメニューを入れたり、メニュー構成からロスが出ないようにする事が大切(当たり前だけど難しい)



・まかないで消費する。

まかないこそが最後の砦だと思います。
でもこれは余り物の種類によっては消費しきれないことも多いので注意。

癖の強過ぎる物とかは厳しいし、まかないは余裕無いときは、時間をかけられないから、そこまで工夫できないのです・・・

あと、まかないって、小さな店なら余りもの消費し易いんですけど、大規模だと難しいみたいです。(工夫次第だけど)

俺も賄い作りはよくやってたんですけど、心身共に余裕の無いとロス品は消費できない。
よく終電まで残って作ってましたが、それじゃあ大変すぎる。


・メニューを日々変える。

仕入れとか余りによってメニューを変えるお店。
日替わり定食とかが分かりやすいかな。

これはいくつかのハードルがあって、

まず、料理人の腕が高くないと厳しい。

ふたつ目は。お客さんの信頼がないと厳しい

そして、日替わりの料理で高級なものはとっても厳しくて、やっぱりこだわりの食材で、こだわりの調理をしてこそのクオリティーなことも多いのです。

最近は凄腕の料理人たちが、農家や漁師、猟師さんの都合に合わせて作る高級料理店も増えてきたので参考にしていきたい。


・食材の変更に対応したメニュー。

これは比較的やり易いと思います。

数品、柔軟に対応できるメニューを作るんです。

季節野菜の〇〇、シェフの気まぐれ〇〇、みたいなネーミングをしたり

メニューにはないけど、今日は良い食材が入ったんで限定で出したり。

※食材の仕入れによって変動あります。

とかもいいと思います。


近年、完璧主義なお客さんが増えており
『少しでも不備があるといけないから』
って完璧を求めすぎてロスが出る事も多いので
先手を打っておくといいかも知れない。


・店舗を分ける。

これは大企業じゃないと難しいかな💦

高級店と大衆店の二種営業をするんです。

最高級の部分は高級店で使用、他は大衆店で使用。

店舗を分けるのは余りにも難しいので、気軽にやるなら↓

・限定で安価営業をする。

・ランチとディナーで値段をしっかり分ける。
・仕出し、ケータリングなどで使う。

などのやり方もありだと思います。

例えば、普段は1万円くらいのコース料理屋さんが、千円くらいのお弁当を限定で販売する。
肉のヘタ、余り物を冷凍しといたやつ、若干時期がズレたやつ、こだわりはしてるけど原価を落とした物、、、

そりゃ、簡単には出来ないけど、余らすよりはよっぽどいい。



と、まぁ、色々な事例を上げましたが、思うに

好感度の為にロスを隠す店が多いけど
これからはロスが出てからの
対策を開示していく方が
好感度が上がるのではないでしょうか??

ということ。

もちろん、ロスが出ないようにするのが1番だけどね。


近い未来、飲食店の評価基準は
美味しさや、雰囲気の良さ、コスパ、人の良さ、立地、、などの評価基準に加えて
環境への配慮も加わってくるのはほぼ間違えないと思います。

だから、飲食の皆さん、誤魔化すのをやめて
少し工夫してみて、どんな対策してるのかを
公開しちゃいませんか?

少し視野を広げて

食の未来の為に前進しましょう!



いつもありがとうございます。 書くの大好きだけどやっぱ大変だから、サポートして貰えると持続性が増します。