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「愛がなんだ」をみて独身30歳3人で人生を見つめなおした話



画像は公式HPから拝借しています。






先日、高校からの親友がうちに来てくれて
Sちゃん、Kちゃんの3人で鍋パしました。
彼女たちはとても可愛く明るく気さくで
私にとって宝物ともいえる友人です。

Sちゃんは最近彼氏ができて幸せそう、
Kちゃんは婚約中なので
独身3人という表記には大分語弊があるかもだけど
戸籍上は独身なので()そうさせてください(笑)




最近アマゾンプライムの広告でよく目にする
「愛がなんだ」という作品、
ずっと見たかったけど、
まず予告1分30秒ではかいこうせんで心ぶち抜かれて
1人で見るには勇気がいりすぎて見れずにいました。

(予告で心ぶち抜かれた方は友達になれます
 連絡ください。←)

せっかく来てくれたんだし、鍋のお供に(?)
彼女たちに「見る!?」と提案すると
「見よう!」と言ってくれてともに鑑賞。
なんていい友達なんだ。




そして我々は全員で
人生を見つめなおすことになりました。←
忘れないために記事にいたします。
ほぼネタバレなのでこれから見るつもりの方は
どうかここで迂回してください。






1.日本はマモちゃんだらけ問題

この映画を見てみんなが思うこと。
マモちゃんクソやな!!!!!!!!!
だと思うのですが、
聞いてください、思い出してください、
日本はマモちゃん(演:成田凌さん)だらけです。

自己肯定感が低いふりして、
誰かを傷つけても無頓着。
傷つけていることさえも気づいていない。
でも自分の孤独や悲しみには
誰よりもナイーブ。
自分を傷つけた人を許さない。
自分を傷つけたことを忘れない。
でも自分が傷つけたことはわからない。
結局はいいやつのふりをして、
自己肯定感が低い自分を、
どうしても守りたいわがまま野郎。
こんなやつだらけです。
a lot of MAMO-CHANです。

映画の中でスミレさん(演:江口のりこさん)が
いうんですよ。

「私、あぁいうのダメなんだよね。
 いろいろ気を使ってやってくれてるんだけど、
 結局は自分系っていうか。
 付き合うまではあんな感じなの。
 でも付き合ったら結局自分大好き。」

「例えばデートしててね、
 私がお腹減ったとするじゃん。
 「お腹減った」っていうと、
 「俺は減ってない」っていうの。
 でも逆の時は「腹減った」って
 こっちの話も聞かずに
 ずんずん店に入っていっちゃうわけ。」

すみれさんはね、
これ以上は何もいわないんだけど、
そういうことなんですよね。

結局は自分自分自分自分自分。
相手を慮るふりをして、結局は自分。
マモちゃんを見ながら
うちの門左衛門のことを思い出しました。
あぁ、彼もマモちゃんだ、と。(嗚咽)

この映画を見て、
「こんな男いるんだぁ?」って思った女性は
本当にきれいな人生を歩んでいると思うので
ぜひそのままきれいな人生を歩んでほしいと
心から思いました。


2.5周ぐらい先回ってるのは好きだから

テルちゃん(演:岸井ゆきのさん)は
マモちゃんにこんなことをいわれます。

「山田さんのそういうところ苦手。
 5周ぐらい先回りして変に気使うっていうか。
 逆自意識過剰っていうか。」

ここで30歳独身女子3人はグハァァァってなりました。
ねえ、マモちゃん気づいて。

5周ぐらい先回ってるのは好きだからだよ!?!?!
ねえ!?!好きだからだよ!?!?!?

自由奔放に生きている人って、
なぜかモテていたりするよね。
全く気を遣わないで生きている人ほど、
幸せそうだったりするよね。
気を遣えてしまう、相手を思いやってしまう我々は
なぜかどこかすごく損しているよね!?
そう思わざるを得ないマモちゃんの発言。
好きな人に、気遣いを、思いやりを、
こんな風にいわれたらどうしたらいいの。

確かにテルちゃんはやりすぎなとこもある。

体調不良の彼のために、
味噌煮込みうどん作ったり、
お風呂入った後なのに、
わざわざビール買いに行ってあげたり
洗濯物全部たたみなおしたり
勝手に2人用の土鍋買ってきたり

でもさ、もう少しいい方ってもんがあるだろ!!
思いやりをはき違えている相手には
全体を責めるのではなく、
ちゃんと何が違うか教えてやれ!!!

例えば、

「俺、自分のもの触られたりするの嫌なんだ」

とかさ、

「気を遣われすぎると居づらいからやめて?」

とかさ??????????

とにかく伝えたい。
5周先回って思いやってくれてる相手を、
まず大事にしろ、田中マモルよ。


3.パワーワード「幸せになりたいっすね」

仲原くん(演:若葉竜也さん)が2度いうセリフです。
でも1度目と2度目でその言葉の意味は違う。
彼もまた、葉子(演:深川麻衣さん)に
いいように振り回されている民。
マモちゃんにいいように振り回されている
テルちゃんと仲間意識もある。

1度目の「幸せになりたいっすね」は
「(葉子と)幸せになりたいっすね」だったはず。

「俺は葉子さんが淋しいと思ったときに
 すぐ駆け付けられる距離にいる人間でいたい」

という仲原くん。
わかるよ、傷つくのが怖いんだよね。

身体をすでに何度も重ねてしまっているのに、
「好きです」と伝えて何になるのか?
いま週に何度もあえて、
そばにいれるのに、連絡も取れるのに、
手間暇かけて築き上げたこの関係に
「恋人」というラベルを付ける意味があるのか、
考えちゃいますよね、わかります。

そして何が1番怖いって、
いまの関係が変わってしまうこと、なんですよね。

仲原くんはだからこそ、
「彼女が淋しいときにそばにいたい」と
自己防衛戦を挑んでいるのです。
でも、その関係って一過性のもので、
いつ終わりが来るかわからないもんだから、
「幸せになりたいっすね」
といってしまったわけです。胸がちぎれそう。
いえ、ちぎれました。

2度目の「幸せになりたいっすね」は、
葉子との別れを決意したあと。

自分という存在がいることで、
葉子を不自由にしてしまっているのではないか
と考えた仲原くん。
この考え方自体も大分に自己防衛だと思うけど、
でも、この時の仲原くんには
これが精いっぱいだったのでしょう。

そして、思いを伝えることなく、
葉子から離れる決意をします。

振り回され仲間のテルちゃんとラーメンを食べながら
その決意を伝えコンビニで買ったビールを飲みながら
語り合う二人だけど、
「相手を思うから離れる」という思想こそが
逃げだと考えるテルちゃんとは分かり合えない。
テルちゃんの「意味わかんない」は
本当に意味わからなそうでした。
折り合いのつかない会話に終わりを告げ
去り際に仲原くんはいいます。

「幸せになりたいっすね」

そうだよね、なりたいよね。
この「幸せになりたいっすね」は
「(俺たち)幸せになりたいっすね」だったと思う。
1回目の発言は葉子さんと。
with YOKO。
でも2回目の発言は、
with me。
自分を幸せにするために一歩踏み出してる感じ。
仲原くん、勝ちだよ、君は勝ちだ!!!

そしてここで改めて思うのは仲原くんは
自己肯定感が低いわけではない、ということ。

彼はカメラマンをしています。
カメラをパシャパシャやってます。
葉子のこともパシャパシャやります。
編集者の葉子の後輩なので、
ちゃんとした仕事もついています。

「写真」という大切なものがあることが
テルちゃんと大きく違うところ。
彼は「葉子」以外に大切なものがあった。
だからこそ、彼女と離れてもやっていけたし、
それをまた糧にすることもできたんだと思う。

彼が新たな1歩を踏み出したから、
葉子もまた新たな1歩を踏み出せて、
2人が踏み出したその歩みの先に、
また交わる道があったんだなと思う。

これぞ、一瞬の夢

(すべったんじゃないですよ、
 気になる方は映画見てください。←)

いや、でも本当依存って良くないよねって
俯瞰してみて改めて思う次第です。


4.これは「愛」なのか「固執」なのか

テルちゃんは最初それはもう、
マモちゃんを愛しています。

飲みあかし、SEXした翌朝、
目が覚めたらすでに仕事に遅刻する時間。
いそいで準備しようとするも、
マモちゃんに「動物園いく?」と誘われます。
テルちゃんはそのまま会社をバックれて、
マモちゃんと動物園に行くわけですが、
大事なのはそこではない。

「動物園いく?」
「山田さんも一緒に(シャワー)入っちゃいなよ」

といわれた後のテルちゃんの顔。
なんでしょう、あれは。
自分を見ているのかと錯覚しました。
そして私の横にいたSちゃんも同じ状態になっていました。

好きな人にそんなことをいわれたとき、
女子はあぁなるんです。そうなんです。
そして、そうならなくなったとき、
「あぁ、もう好きじゃないんだな」と確信するのです。
あのシーンは本当に名前の付けられない名シーンでした。
「愛している」がぎゅっと詰まってました。
※ 「愛されている」ではないというのに
  渦中にいる時は決して気づけません

その後、マモちゃんに振り回されすぎた結果
会社すらもクビになり、
マモちゃんから乱雑に扱われながらも
テルちゃんはマモちゃんに会い続けます。

一番衝撃を受けたのは、
具合が悪い日に会いに来てくれた
マモちゃんからお別れを告げられた後。

今まで特に秀でたところもなく、
男にのめりこんで会社も辞めてしまう
ダメな子なんだなと思っていたら、
テルちゃんは猛烈な頭の回転の速さを見せます。

会えなくなる > 彼に恋人ができる

そんなことになるくらいなら、
好きじゃないふりをしよう、
そして彼と友達関係を続けて、
彼のそばにいよう。

そう考えているテルちゃんの発言は
もはや愛なのか固執なのか
私は分からなくなりました。

「私がいつまでマモちゃんのこと
 好きだと思ってるの?自惚れてるね。
 そんな生産性のないこと言ってるんじゃなくて
 イケメンの友達私に紹介してよ」

どんな気持ちでいうんすか、これ。
愛ですか?固執ですか?
もう何を見ているかわからないんだけど、
それでも心をぶち抜かれるのは、
もしかすると自分も過去に、
これに近いことをしていたからかもしれません。
(別れても連絡を取っていた人はいないけど)

愛と固執は境界線がわからない、とメモ。


5.愛がなんだかはわからない

そう、結局わからない。

思いやりが愛ではなさそうだし、
気遣いが愛でもなさそう。
具合が悪い日に駆けつけても愛されないし
部屋を掃除しても愛されない。
愛してほしいと願っても、
愛する人は他の人を愛したりする。
それでもいいのと思う日はあっても
自分だけが「愛している」のはなんだか理不尽。
SEXしたって心は見えないし、
そばにいようとするだけではそばにいれないし、
そばにいようとすればするほど、
相手はどんどん離れていくのを感じる。

…おい、愛ってなんだよ(^_-)-☆←迷子

テルちゃんを見ていると愚かだなと思うことが多かった。
それは、会社を投げやりにしちゃうところ、
すべての予定をなげうっても彼に捧げるところとか。
もっと自分を大事にして、って思う。

でも、それくらい彼が好きなんだといわれたら?
それでもそばにいたいんだといわれたら?
「おぉ。そうか。いってこい!」
となってしまう気がする。
いや、でも会社の後輩に
実際にそれいわれたらなんていうんだろう。
「も、もうちょっと考えてみて??」というかも。
そうなってみなきゃわからん。

でね、結局さ、愛ってさ、
自己満足なんだろうなと思うの。
自分がその人との関係に、
それで満足できているなら、
もうそれでいいんだ、
それで愛なんだってすごく思った。

私なら、マモちゃんからあんな風に扱われたら
さすがに「もう無理です、お疲れさまです」
ってなるに違いないけど、
テルちゃんみたいに
それでも好きなんだったら仕方ないの。

私もテルちゃんとは違うけど、
門左衛門とは大多数から応援されるような
関係ではないわけだ。
それでも、自分が納得していて、幸せなら
もはやそれでいいんだと、愛なんだと
思ってしまったよね。
(いや門左衛門、いまだに音信不通だよ???)





というわけで、
「愛がなんだ」は大問題作です。
ちなみに私、原作読んでいましたけど、
ほぼ中身覚えていなかったので、
初見の気持ちで見れました。
というか、成田凌のクズ男さが、
テキストから飛び出した田中マモルが、
もう本当に神がかってます。


ノンアルコールでは到底見れない作品なので、
どうかお気を付けてください。(笑)


Sちゃん、Kちゃんとは、
「これを20歳の時見てたら今子育てしてるわ」
「2年に1回くらい見て気持ち新たにしたいね」
みたいなことを言って
突然みんなで人生を見つめ直しては
爆笑したわけだけど、
きっと私たちは20歳の時に見ていたとて、
30歳の今、一緒に鍋食いながら酒飲んで
げらげら笑っていただろうなと思うのです。

自我が強い私たちなので、
1作品を1度見ただけで、
考え方なんてそうは変わらんし、
すでにその時々で自分自身にとって
正解だと思う選択を出来る人間だから
未来は変わっていなかっただろう、
ということです。




友達とホームシアターするなんて久々だったけど、
とっても良かったな。


定期的に開催したい。(笑)







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