覚醒illegal 〆close
死に損ないの藝術家が夜天に吼える。
あの色だ!
俺がサガし求めていたのはあの色なんだ!
神宿の上空に、溝の底の底の底からサラしあげた泥と反吐露と死霊の怨みを磨り潰し煉固めて精成したが如く喪失の黑を纏う肉塊の球が、ぷかりと浮かんでいる。
バララララバララララと翅音を鳴らす、呆国のシンボルを刻んだ戦闘機が、両眼に具えるヘッドライトで黑い標的を捉えた。
一人の兵士がドアを開け放ち、機内から身を乗り出した。双方の射程距離範囲で、平然と生身を曝す。操縦桿を握る片割れが、命知らずで不可解